N.O.」(エヌ・オー)は、日本テクノユニットである電気グルーヴの3枚目のシングル。

N.O.
電気グルーヴシングル
初出アルバム『VITAMIN
B面 4U Rack And Roll
リリース
規格 8cmシングル
ジャンル テクノ
レーベル キューンソニーレコード
作詞・作曲 作詞・作曲:石野卓球
プロデュース 電気グルーヴ
チャート最高順位
  • 週間21位(オリコン
  • 登場回数12回(オリコン)
電気グルーヴ シングル 年表
SNAKEFINGER
1992年
N.O.
1994年
ポポ
(1994年)
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1994年2月2日キューンソニーレコードよりリリースされた。

アルバム『VITAMIN』からのシングルカット。

録音編集

元々はインディーズでのアルバム『662 BPM BY DG』に収録されていた「無能の人(LESS THAN ZERO)」のリメイクで、「人生」解散当時の石野の心情を歌ったもの。一部歌詞を書き直し、トラックも新規に製作された(打ち込みは砂原良徳が担当)。

タイトルは石野卓球が校則が厳しかった高校時代、落ち込んでいた石野の心を癒してくれた英国のバンド「ニュー・オーダー」の略で「無」を意味する英語「NO」との掛詞であるが、後のセルフトリビュートアルバム『The Last Supper』収録時には「Nord Ost」(ドイツ語で北東)と略と改めて付け加えられている。

トラックのコンセプトは、子門'z名義の「トランジスタラジオ」に続いて“完全居酒屋対応チューン”として制作された。本曲はメジャーデビュー後もファンからのリメイクの要望が強く、石野もそれを望んではいたが、いささか正統派ポップス歌謡的なその内容は『VITAMIN』制作時の同グループにとって目指していた方向性と正反対に位置する楽曲でもあった。

器楽曲中心に構成された『VITAMIN』の内容に危機感をもったレコード会社側が急遽アルバムのラストにこの曲を収録する事を命じ、メンバーは「ボーナストラック」扱いで最後に収録することを条件に渋々それを飲んだというエピソードが残っている。

曲中の『We like the music, we like the disco sound, hey!!』と歌う声は、石野が敬愛するイギリスのユニットポップ・ウィル・イート・イットセルフ1989年のシングル「Can U Dig It?」の中からサンプリングしたものである。

『662 BPM BY DG』製作時の電気グルーヴのスタイルは、サンプリングを売り物にしていたポップ・ウィル・イート・イットセルフの手法を参考に確立されたものであるが、ポップ・ウィル・イート・イットセルフは、元々、1977年ディスコヒット、ベル・エポック (Belle Epoque) の「Black is black」からこのフレーズをサンプリングしているため、電気グルーヴの引用は孫引きということになる。なお、ベル・エポックの「Black is black」は、スペインのグループ Los Bravosの原曲をディスコ調にカバーしたものであり、『We like the music, we like the disco sound, hey!!』のフレーズもこの時のディスコアレンジで加えられたものである。

ミュージック・ビデオ編集

ミュージック・ビデオでは白い空間の中でメンバーが白色の衣装を着て演奏する。監督は塩坂芳樹。瀧は、特殊メイクによりフランケンシュタインコスプレをしてステージ上を徘徊するという動きを見せた。DVD『電気グルーヴのゴールデンクリップス~Stocktaking』に収録。

ライブ・パフォーマンス編集

この曲をテレビ番組で披露する際、途中の歌以外、特に担当ポジションの無い瀧が奇妙なパフォーマンスを行って「演奏した」と言い張っていた。

  • スーパージョッキー』(日本テレビ)にゲスト出演した際、細川ふみえが「今回は特別な楽器で演奏します」と発表したものの、実際は瀧が後ろで轆轤を回転させた上で陶芸粘土で形を作っただけであった。演奏終了後、司会のビートたけしは「何をやっていたんでしょうか」と苦笑した。
  • タモリの音楽は世界だ』(テレビ東京)のテクノ特集でゲスト出演し、この曲を披露した際、瀧はおもちゃのギターをぶん回していた。途中、勢い余って遠くに飛んでいき、慌てて拾いに行ったりもしている。
  • MJ -MUSIC JOURNAL-』(フジテレビ)に出演した際、瀧はローランドのロゴのついたサンドバッグを殴ったり、数羽のニワトリを逃がして捕まえるというパフォーマンスを行っている。途中逃げ回ったニワトリが思ったよりもスタジオ中に行ってしまい、瀧が画面からフェイドアウトしてしまっている。
  • その他、わたあめを作る、ギターを振り回す、琵琶を弾く、おにぎりを握るなどの「演奏」をしている。

メディアでの使用編集

1996年にハドソンから発売されたスーパーファミコン用ソフト『桃太郎電鉄HAPPY』の「シードーム」でのコンサートイベントに登場する電気グルーヴをモチーフにした「電グル」なるバンドの曲として、「MOMOOH[1]と言う「N.O.」に似た曲が流れる。

別バージョン編集

同時収録の「N.O. (Ken Ishii Reproduction)」はケン・イシイとしては初のリミックス提供作品。このシングルが発売された当時、既にイシイはR&Sや+8といった当時のテクノ主力レーベルから作品を発表してはいたが、日本ではその情報がほとんど皆無に等しかった時代であり、石野も渡英した際に現地のテクノファンからその名を知らされた程であった。

帰国後、すぐさま『電気グルーヴのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)ではイシイのアルバム『Garden On The Palm』の収録曲が放送された。イシイが日本居住者であることがわかるとすぐさま石野は接触を図り、本リミックスの制作が実現した。初対面の際には石野とイシイ、お互いの当時の恋人が同席して紹介しあったらしい。

一部ノイズが入っているが、このリミックス制作当時、ギタリストの友人がケン・イシイ自宅スタジオを訪れた際に、ミキサーにギターをつなぎ全開で音を出して以降、ノイズが入るようになってしまったとのこと。

The Last Supper』には衛藤利恵ヴォーカルによるドイツ語歌詞ヴァージョンが収録されている。NHK教育ドイツ語会話2001年度OPに使われた。

カバー編集

シングル収録曲編集

  1. N.O.
  2. 4U Rack And Roll
    • 作詞:石野卓球/作曲:砂原良徳、石野卓球
  3. N.O. (Ken Ishii Reproduction)

脚注編集

  1. ^ 曲名はこのゲームのサウンドテストで確認可能。