NHK東日本大震災プロジェクト

NHK東日本大震災プロジェクト(エヌエイチケイひがしにほんだいしんさいプロジェクト)は、日本放送協会(NHK)が2011年度から展開している東日本大震災被災者および被災地への支援のためのキャンペーンプロジェクトである[1]

概要 編集

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による津波や、東京電力福島第一原子力発電所事故(総じて東日本大震災)の甚大な被害からの東北地方(一部番組では茨城県千葉県を含める場合あり)の復興を目的としたNHKの長期大型プロジェクトで、2011年5月から様々な番組を通して実施されている[2]。また、このプロジェクトでは震災からの復興の他に、震災がもたらした被害や影響を検証し今後の防災に繋げていくことも目的としている[3]

キャンペーンのキャッチフレーズには「明日へ-支えあおう-」を採用。ロゴマークは当初3本の糸が絡み合うようなものが使用されていた。2012年2月から3月11日までは“東日本大震災1周年”として、円の中で双葉が開いたイラストが付け加えられたものに変更され、文言に「震災から1年」が追加された。

本項目では、『NHKキャンペーン 災害列島 生きるスキル』も当キャンペーンの関連プロジェクトとして記載する。

展開する主な番組 編集

現在 編集

総合テレビ
教育テレビ
BS
NHKワールドTV
ラジオ第1

上記以外にも、レギュラー番組内で特集が組まれることがある。

過去 編集

後に仙台へ転勤となった畠山智之が担当した2011年度は前に“震災に負けない”という冠名が付いていた。これが外れた2012年度も引き続き関連番組としての位置づけがなされ、毎回震災関連ニュースが伝えられたほか、新コーナーとして毎月11日(休止時はその前後直近の日)に「2時46分 私の思い」が放送された。またこれに併せ、バックアップ体制の訓練として、大阪局からの原則月1回の放送が定期化された。2013年3月21日終了。
「NHK公開復興サポート 明日へ」東北大学会場の出席者がエキストラとして出演。
  • カレンの復興カレンダー(月曜 19:56 - 19:57ほか 「明日へ 1min.」のコーナーの一つ)
2012年8月スタート、2014年3月終了。自らも被災者であるAKB48岩田華怜が「明日へブログ」に寄せられた投稿を紹介する。基本的にスポット扱いのこの枠にあってEPGでは独立した番組として位置づけられている。
  • カレンの復興カレンダー 2014夏(2014年8月11日、NHK総合)
  • カレンの復興カレンダー 2015冬(2015年2月1日、NHK総合)
  • カレンの復興カレンダー 2015秋(2015年9月21日、NHK総合)
  • カレンの復興カレンダー 2016春(2016年3月7日、NHK総合)
  • 恋の三陸 列車コンで行こう!
  • 「震災から○年 "明日へ"コンサート」
2016年まで毎年3月11日前後の土曜日または月曜日に開催。2012年演歌歌謡曲須賀川市文化センター邦楽幕張メッセで行ったが、2013年2014年NHKホールに一本化。2015年は公開チャリティーはせず、放送センターのスタジオでのテレビコンサートのみだった。2016年は福島県会津若松市會津風雅堂で開催された。東北出身、あるいは東北にゆかりのある歌手・演奏家・音楽家によるチャリティーコンサートである。(一部BSプレミアムでリレー放送)
  • ミニ番組(いずれも2012年2月から3月11日にかけて放送)
    • 高校生が見た震災(NHK北海道ネットワークで行われているプロジェクト、北海道クローズアップも参照)
    • こどもたちが見た被災地(被災地出身の子供が撮影したビデオレター)
      • 未来への手紙 〜子どもたちが見た被災地〜(2012年11月4日放送、ビデオレターを撮影した子供たちの1年後を再取材したドキュメンタリー)[4]
      • 未来への手紙2014 〜あれから3年たちました〜 (2014年3月8日放送、ビデオレターを撮影した子供たちの3年後を再取材したドキュメンタリー)[5]
      • 未来への手紙2016 〜あれから5年たちました〜 (2016年3月5日放送、ビデオレターを撮影した子供たちの5年後を再取材したドキュメンタリー)
    • 全国から被災地へ(北海道南西沖地震新潟県中越地震阪神・淡路大震災の被災者が東日本大震災の被災地で行う支援活動を紹介)

東北支援キャンペーン 編集

2011年10月からはBSプレミアムで季節ごとのキャンペーンを展開。期間中には、東北地方を特集した紀行番組旅番組などが集中的に放送される。(にっぽんプレミアム参照)

NHK公開復興サポート 明日へ 編集

また、「NHK公開復興サポート 明日へ」と題して、総合テレビ、Eテレ、衛星放送(BS1BSプレミアム)、ラジオ第1放送で放送されている主要ワイド番組の公開収録(一部生放送有)を集中的に実施し、被災地住民と出演者が交流する企画を2013年から実施している。公開放送への参加は事前の申し込み(はがきかNHKネットクラブ会員限定のホームページにある申込フォームから申し込む。応募多数の場合抽選。ネットオークションへの出品目的での応募は抽選対象外)、ないしは当日先着順で配布する整理券が必要(配布方法は番組によって異なる。まれに立ち見に関しては当日先着入場できる番組もある)だが、会場周辺では整理券を持っていない一般参加者も利用できる物販店・観光ブースやアトラクションも開催される。

開催地 編集

主な参加番組 編集

※下記はレギュラー番組での公開放送を上げているが、この他に単発特番での参加もある。
総合テレビ
Eテレ
BS1
BSプレミアム
ラジオ第1
ラジオ第1・FM
国際放送(NHKワールド・ラジオ日本
  • 英語放送など複数の放送言語における被災地紹介の特集番組

災害列島 生きるスキル 編集

災害列島 生きるスキル」(さいがいれっとう いきるスキル)は、2020年1月17日阪神・淡路大震災から満25周年、2021年3月11日に東日本大震災から満10周年となるにあたり、NHK防災の日2019年9月1日から東日本大震災より10年となる2021年3月11日まで1年半にわたって展開している防災減災のキャンペーン。

番組、デジタルコンテンツ、防災イベントを通じて地震・水害などの自然災害の脅威を視聴者に体感し、これらの災害経験を風化させずに、暮らしの中で、防災・減災の必要性を「自分ごと」として意識してもらうことを目的とする。防災・減災に取り組む組織・メディアと積極的に連携し、防災・減災に役立つ「生きるスキル」を発信、共有していく。NHKスペシャルをはじめ、各種報道・情報番組で関連の特集・番組をシリーズで編成する[10]

しかし、2020年以後は新型コロナウィルスの影響により大規模な防災・減災キャンペーン企画が行われず、2021年以後開始された「未来へ 17アクション」のキャンペーンに事実上引き継がれた[11]

2019年度 編集

2019年度は「首都直下地震」を取り上げ、12月1日-12月8日に『体感 首都直下地震ウイーク』という統一テーマを掲げ[12]NHKスペシャル『シリーズ 体感 首都直下地震』(12月1日 - 12月8日〈12月6日除く〉)としてドラマ『パラレル東京』(12月2日-12月5日、4夜連続)を中心としたドキュメンタリー全7本を集中的に編成するほか、『NHKニュースおはよう日本』『あさイチ』『ごごナマ』『ニュースシブ5時』『NHKニュース7』『ニュースウオッチ9』『週刊まるわかりニュース』『これでわかった!世界のいま』などといった各種報道・情報番組、金曜日の地域情報番組枠で放送される企画ネット番組『インターローカル特集・巨大地震 あなたの町の“地域リスク”』などで関連特集を展開するなど、計13番組を通じて首都直下地震への備えを提唱する[13][14]

NHKスペシャル シリーズ 体感 首都直下地震 編集

出演者 編集
放送日程 編集
  • 12月1日 21:00-21:49 プロローグ あなたは生きのびられるか
  • 12月2日 19:30-20:42 DAY1 あなたを襲う震度7の衝撃
  • 12月3日 22:00-23:00 DAY2 多発する未知の脅威
  • 12月4日 22:00-23:00 DAY3 命の瀬戸際 新たな危機
  • 12月5日 22:00-23:00 DAY4 危機を生きぬくために
  • 12月7日 21:00-21:55 終わりの見えない被災
  • 12月8日 21:00-21:49 災害に耐える社会へ
テレビドラマ 編集

『パラレル東京』(パラレルとうきょう)と題し、DAY1(12月2日)からDAY4(12月5日)内にて4夜連続で放送された。主演は小芝風花

インターローカル特集・巨大地震 あなたの町の“地域リスク” 編集

2019年12月6日19:30-20:42に一部地域を除き生放送された。南海トラフ地震は最悪32万人が犠牲の遭遇に遭うと想定されており、この巨大地震に各地域はどのようなリスクを背負うのかを、各地の放送局ごとの取材をもとに検証するものだった。

防災ノウハウ伝えるシリーズ「生きるスキル」 編集

12月3-6日の毎晩23:00(6日のみ22:50)-23:20の20分(6日のみ30分)生放送された。

  • 12月3日「“火災”からのサバイバル」
  • 12月4日「“揺れ”からのサバイバル」
  • 12月5日「“孤立”からのサバイバル」
  • 12月6日「楽しく!防災クンレン」
作品の評価 編集

関連出版物 編集

楽曲 編集

脚注 編集

  1. ^ NHK年鑑2014NHK東日本大震災プロジェクト” (PDF). 東日本大震災. NHK放送文化研究所 (2014年11月14日). 2014年12月15日閲覧。
  2. ^ NHK会長記者会見要旨 - NHK経営情報 2011年5月12日
  3. ^ 放送総局長会見 - NHK経営情報 2011年5月18日
  4. ^ NHK東日本大震災プロジェクト これまでの放送”. NHK. 2014年7月16日閲覧。
  5. ^ 是枝裕和が初めて震災をテーマに…『未来への手紙2014~あれから3年たちました~』”. テレビドガッチ. 2014年7月16日閲覧。
  6. ^ 10月の震災・東北関連番組 (PDF) - NHK広報局 2011年9月21日
  7. ^ 震災関連番組について (PDF) - NHK広報局 2012年1月23日
  8. ^ 「ひらり東北の春」集中編成について (PDF) - NHK広報局 2012年3月23日
  9. ^ 陸前高田大会において祝日特番として公開生放送を実施
  10. ^ 9月1日「防災の日」に防災・減災の大型キャンペーン≪災害列島生きるスキル≫始動』(PDF)(プレスリリース)NHK広報局、2019年9月5日https://www.nhk.or.jp/pr/keiei/shiryou/kaichou/2019/09/001.pdf2019年12月2日閲覧 
  11. ^ SDGsに於いても、防災をテーマにしたゴール項目(「11・住み続けられる街づくりを」と「13・気候変動に具体的な行動を」)がある
  12. ^ NHKキャンペーン≪災害列島生きるスキル≫12月に体感・首都直下地震ウイーク』(PDF)(プレスリリース)NHK広報局、2019年9月18日https://www.nhk.or.jp/pr/keiei/shiryou/soukyoku/2019/09/001.pdf2019年12月2日閲覧 
  13. ^ 12月に体感・首都直下地震ウィーク
  14. ^ 真野啓太 (2019年11月30日). “「首都直下地震、備えを」13番組で NHKがあすから”. 朝日新聞デジタル. https://www.asahi.com/articles/DA3S14278057.html 2019年12月2日閲覧。 
  15. ^ NHK作品にイタリア賞 「体感 首都直下地震」(共同通信)”. Yahoo!ニュース. 2021年3月5日閲覧。[リンク切れ]
  16. ^ NHKの作品がイタリア賞を受賞 - NHK広報局報道資料(PDF) 2020年9月26日
  17. ^ NHK作品にイタリア賞 「体感 首都直下地震」”. 宮崎日日新聞. 2022年11月25日閲覧。
  18. ^ 日本放送協会. “NHK「体感 首都直下地震」プロジェクトなど3作品 ABU最優秀賞”. NHKニュース. 2020年12月18日閲覧。[リンク切れ]
  19. ^ 2020_award_kokunai_kaigai”. NHK. 2022年11月25日閲覧。
  20. ^ ABU-Prizes-2020-Winners-List”. アジア太平洋放送連合(ABU). 2022年11月25日閲覧。
  21. ^ NHKが震災復興支援曲“花は咲く”制作、岩井俊二&菅野よう子書き下ろし - タワーレコード 2012年2月23日

関連項目 編集

外部リンク 編集