Pardusとは、トルコ政府からの支援を受けて開発されているLinuxディストリビューションである。Pardusはトルコ政府機関での利用などのオフィス関連作業に主な焦点を合わせている[1]にもかかわらず、複数の言語で出荷されている。Pardusは使い易く[2]無料で利用できるため、世界中で多くのコミュニティを生み出している[3]

Pardus
Pardus 19.0 Xfce Desktop.jpg
Pardus 19.0 Xfce Desktop
開発者 トルコ科学技術研究会議 (TÜBİTAK)
OSの系統 Linux
開発状況 開発中
ソースモデル フリーソフトウェアコピーレフト
オープンソースソフトウェア
使用できる言語 トルコ語英語
カーネル種別 モノリシックカーネル
既定のUI Xfce
GNOME
Pardus ETAP
ライセンス GPL v2
ウェブサイト www.pardus.org.tr
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開発編集

Pardusはトルコ科学技術研究会議 (TÜBİTAK) の一部門であるトルコ国立電子工学・暗号学研究所 (UEKAE) によって開始された。

Pardusの最初のLive CDバージョンはGentoo Linuxフォークであった[4]が、現在のバージョンはDebianのフォークである。

リリース履歴編集

バージョン 日付 注記
Live CD 1.0 2005-02-04 Linuxカーネル 2.6.10を搭載したGentoo Linuxのフォークで、Live CD版のみ[5]
Live CD 1.1 2005-05-05 マイナーアップデート[6]
1.0 2005-12-26 初めてハードドライブインストールが可能となったリリース。K Desktop Environment 3.5.0とLinuxカーネル 2.6.14.4[7]、PİSİパッケージ管理システムを搭載
2007[8][9] 2006-12-18 K Desktop Environment 3.5.5とLinuxカーネル 2.6.18.5を搭載[7][10]
2007.1 2007-03-16 K Desktop Environment 3.5.6とLinuxカーネル 2.6.18.8を搭載[7][11]
2007.2 2007-07-12 K Desktop Environment 3.5.7とLinuxカーネル 2.6.18.8を搭載[7][12]
2007.3 2007-11-19 Linuxカーネル 2.6.18.8、OpenOffice.org、インターネットツール(ブラウザ、メーラー、メッセンジャーなど)、マルチメディアグラフィックツール(ビデオプレイヤー、ミュージックプレイヤーなど)、ゲーム、その他多くのアプリケーションを搭載。COMAR(Configuration Manager for Pardus)は自社開発の構成マネージャー。TasmaはカスタムKデスクトップ環境のシステム構成[7][13]
2008[14] 2008-06-27 K Desktop Environment 3.5.9とLinuxカーネル 2.6.10を搭載[7][15]
2008.1 2008-09-15 Linuxカーネル 2.6.25.16を搭載。K Desktop Environmentを3.5.10にアップデート、さらに以下の重要なインフラコンポーネントもアップデート:Python 2.5, Java 6, Mozilla Firefox 3.0.1, OpenOffice.org 2.4.1[7][16]
2008.2 2009-01-31 K Desktop Environment 3.5.10とLinuxカーネル 2.6.25.9を搭載[7][17]
2009[18][19][20] 2009-07-18 Linuxカーネル 2.6.25.9を搭載。このバージョンからKDE Plasmaデスクトップ環境を使用。OpenOffice 3.1、Python 2.6.2、Mozilla Firefox 3.5、Gimp 2.6.6、さらにKontactKopeteKaffeineK3b、Amarokなどのアプリケーションを搭載[7][21]
2009.1[22][23] 2010-01-16 KDE Plasma Desktop 4.3.4とLinuxカーネル 2.6.31.11を搭載[7][24]
2009.2[25] 2010-06-04 KDE Plasma Desktop 4.4.4とLinuxカーネル 2.6.31.13を搭載[7][26]
2011[27][28][29] 2011-01-21 Linuxカーネル 2.6.37を搭載。このバージョンの発表当時で最新のKDE SC 4.5.5を搭載。ベースパッケージには多数のバックポートと修正が含まれ、デスクトップ体験の安定性を大幅に向上。さらにClementine、K3b、Kontact、Kopeteも搭載。デフォルトブラウザとしてFirefox 4.0を搭載[30]
2011.1[31] 2011-07-12 Linuxカーネル 2.6.37.6、KDE Plasma Desktop 4.6.5、LibreOffice 3.4.1.3、Mozilla Firefox Web Browser 5.0、Xorg 1.9.5、Gimp 2.6.11、Python 2.7.1、GCC 4.5.3、Glibc 2.12を搭載。多数バグを修正。64ビットのSkypeWineパッケージが2011安定版リポジトリに。YALIにシステムレスキューモード。2009-2011ディストリビューションのアップグレードインターフェースを発表[32]
2011.2[33] 2011-09-19 LibreOffice 3.4.3を搭載。PiSiパッケージ管理システムを利用した最後のリリース[34]
2013 2013-03-27 Debianリポジトリをベースにした最初のリリース。国立学術ネットワーク・情報センターはPardusがDebianに移行し、今後はDebianベースのディストリビューションとなることを発表[35][36]
17.0[37][38] 2017-07-06
17.1 2017-11-04 Xfce、DDE (Deepin Desktop Environment)、Serverとの3つに分割されたISOイメージを提供するように[39]
17.2[40] 2018-03-03 LibreOfficeを6.0.1バージョンにアップデート。メニューのナビゲーション矩形がカーソルに追従しない問題の修正。。アプリのアップデート。アプリのトルコ語の誤りの修正。パッケージのアップデートとセキュリティパッチなど
19.0[41] 2019-08-03 Linux Kernel 4.19.0、LibreOffice 6.1.5、Firefox ESR 60.8、VLC 3.0.7を搭載。デフォルトデスクトップ環境をXfce 4.12に。TLPはバッテリーの持ちが良くなるように設定

PiSiパッケージ管理システム編集

PiSi([ˈps]; Packages Installed Successfully as Intended; トルコ語で「子猫」を意味する言葉でもあり、ヒョウ種名であるpardusに由来する本ディストリビューション名の駄洒落を意図している)はPardus用に開発されたパッケージ管理システムである。PiSiはPardusの初期バージョンでは使用されていたが、プロジェクトがDebianベースに移行するとAPTが選ばれたため放棄された。2011年9月19日にリリースされたPardus 2011.2は、PiSiを使用した最後のPardusリリースとなった。

PiSiは様々なパッケージ、ライブラリ、COMARタスクの依存関係を保存して処理する。PiSiの機能には以下のようなものがあった[要出典]

  • LZMA圧縮アルゴリズムの採用
  • Python製
  • パッケージソースはXMLとPythonによって記述
  • Berkeley DBで実装されたデータベースアクセス
  • 低レベルなパッケージ操作(依存関係の解決)と高レベルなそれとを統合
  • アプリケーションやツールを構築するためのフレームワークアプローチ

PiSiパッケージ管理機能を搭載した旧式Pardusのコミュニティフォークが存在し、それはPiSi Linuxと呼ばれている[42][43][44]。PiSi Linuxの最新の安定版は1.2[45]、最新の開発版は2.0 Beta 2となっている[46]

ローリングリリースのLinuxディストリビューションであるSolusのパッケージ管理システムであるeopkgは、PiSiをベースにして派生している。

YALI編集

YALI (Yet Another Linux Installer) はユーザーが最初に遭遇するPardusソフトウェアである。基本的にはハードウェアを認識して、インストールメディア(CDなど)からPardusソフトウェアをユーザーが選択したハードディスクパーティションへとインストールする。YALIはディスクに見つかったNTFSパーティションのリサイズを処理することができる。yalı英語版とは、ボスポラス海峡地域で一般的な水辺の邸宅のことである。

このプロジェクトはDebianベースへの移行から停止され、使用されていない。

KAPTAN編集

KAPTANは最初の起動時に起動するデスクトップグリーターである。デスクトップのテーマ、マウス、キーボード、言語の設定、日付と時刻、KDEメニュー、壁紙、パッケージマネージャの設定、smolt、デスクトップの数を変更することができる。kaptanとはトルコ語で「隊長」を意味する言葉である。

このプロジェクトはDebianベースへの移行から停止され、使用されていない。

反響編集

DistroWatchの作成者であるLadislav Bodnarは、2006年のLinux/*nix総括において、Pardusは「ユニークなパッケージ管理のアイデア、革新的な起動シーケンス、一般的なデスクトップの洗練」により、その年で最も感銘を受けたディストロの一つであると記した[47]

Linux User & Developerの著者であるDmitri Popovは、Pardus 2011 Betaレビューの表題を、「今年最もエキサイティングなディストロ」にした[48]

社会的なイベントや参加編集

派生編集

DebianベースのPardus Community Editionが2013年4月12日にリリースされた[49]

Pisi LinuxPardus-Ankaプロジェクトは、PİSベースのPardusからフォークされた。その有志達は、PİSİやその他のPardus独自機能を独自で継続することを目指している[50][51]

Pisi Linuxは2つの新バージョンをリリースした。これらのバージョンは、Pardus 2011.2の64ビット版をそのまま引き継いだもので、PisiやKaptanなどの更新版が含まれている。

利用編集

脚注編集

  1. ^ Sowe, Sulayman K. (2008年11月6日). “A new kid on the block: The Turkish Pardus Linux Distribution”. Open Source Observatory and Repository. 2011年10月14日閲覧。
  2. ^ [1] Archived September 15, 2008, at the Wayback Machine.
  3. ^ Pardus-Wiki.org”. En.pardus-wiki.org. 2012年7月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年2月26日閲覧。
  4. ^ Turkey's Pardus distro is easy to use”. Linux.com. 2015年2月26日閲覧。
  5. ^ Distribution Release: Pardus Live CD 1.0 (DistroWatch.com News)”. Distrowatch.com. 2013年8月16日閲覧。
  6. ^ Distribution Release: Pardus Live CD 1.1 (DistroWatch.com News)”. Distrowatch.com. 2013年8月16日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i j k Pardus Linux”. DistroWatch.com. 2015年2月26日閲覧。
  8. ^ Turkey's Pardus distro is easy to use | Linux.com | The source of Linux information”. 2018年6月8日閲覧。
  9. ^ DistroWatch Weekly, Issue 185, 15 January 2007
  10. ^ Distribution Release: Pardus Linux 2007 (DistroWatch.com News)”. Distrowatch.com. 2013年8月16日閲覧。
  11. ^ Distribution Release: Pardus Linux 2007.1 (DistroWatch.com News)”. Distrowatch.com. 2013年8月16日閲覧。
  12. ^ Distribution Release: Pardus Linux 2007.2 (DistroWatch.com News)”. Distrowatch.com. 2013年8月16日閲覧。
  13. ^ Distribution Release: Pardus Linux 2007.3 (DistroWatch.com News)”. Distrowatch.com. 2013年8月16日閲覧。
  14. ^ Pardus 2008: A touch of refinement | Linux.com | The source of Linux information
  15. ^ Distribution Release: Pardus Linux 2008 (DistroWatch.com News)”. Distrowatch.com. 2013年8月16日閲覧。
  16. ^ Distribution Release: Pardus Linux 2008.1 (DistroWatch.com News)”. Distrowatch.com. 2013年8月16日閲覧。
  17. ^ Distribution Release: Pardus Linux 2008.2 (DistroWatch.com News)”. Distrowatch.com. 2013年8月16日閲覧。
  18. ^ Pardus Linux - An open-source Janissary, Dedoimedo
  19. ^ DistroWatch Weekly, Issue 315, 10 August 2009
  20. ^ Pardus 2009 review | LinuxBSDos.com
  21. ^ Distribution Release: Pardus Linux 2009 (DistroWatch.com News)”. Distrowatch.com. 2013年8月16日閲覧。
  22. ^ Pardus: A Linux distribution for the end user - gHacks Tech News
  23. ^ Pardus 2009.1 review | LinuxBSDos.com
  24. ^ Distribution Release: Pardus Linux 2009.1 (DistroWatch.com News)”. Distrowatch.com. 2013年8月16日閲覧。
  25. ^ Pardus 2009.2 review | LinuxBSDos.com
  26. ^ Distribution Release: Pardus Linux 2009.2 (DistroWatch.com News)”. Distrowatch.com. 2013年8月16日閲覧。
  27. ^ DistroWatch Weekly, Issue 402, 25 April 2011
  28. ^ Pardus 2011 - Best KDE4 around, but could be better, Dedoimedo
  29. ^ Pardus 2011 review | LinuxBSDos.com
  30. ^ [2] Archived September 10, 2011, at the Wayback Machine.
  31. ^ Pardus 2011.1 review | LinuxBSDos.com
  32. ^ Pardus 2011.1 Dama dama release notes (XHTML 1.0 Transitional/CSS3)”. pardus.org.tr (2011年). 2011年9月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年10月14日閲覧。
  33. ^ Pardus 2011.2 review | LinuxBSDos.com
  34. ^ [Pardus-devel] Pardus 2011.2 Cervus elaphus”. Liste.pardus.org.tr (2011年9月19日). 2012年7月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年8月16日閲覧。
  35. ^ Distribution Release: Pardus Linux 2013 "Corporate" (DistroWatch.com News)”. Distrowatch.com. 2013年8月16日閲覧。
  36. ^ [3] Archived April 9, 2013, at the Wayback Machine.
  37. ^ Pardus 17.0 Sürüm Notları - Pardus
  38. ^ Distribution Release: Pardus 17.0 (DistroWatch.com News)
  39. ^ DistroWatch. “Distribution Release: Pardus 17.1 (DistroWatch.com News)”. distrowatch.com. 2017年11月4日閲覧。
  40. ^ Distribution Release: Pardus 17.2 (DistroWatch.com News)
  41. ^ Pardus 19.0 released, see screenshots” (英語). OpenSourceFeed (2019年8月5日). 2019年8月6日閲覧。
  42. ^ DistroWatch.com: PiSi Linux
  43. ^ Pisi Linux 1.2 Xfce don't love me none, Dedoimedo
  44. ^ Pisi Linux 1.1 review | LinuxBSDos.com
  45. ^ Distribution Release: Pisi Linux 1.2 (DistroWatch.com News)
  46. ^ Development Release: Pisi Linux 2.0 Beta 2 (DistroWatch.com News)
  47. ^ Bodnar, Ladislav (2006-12-18). “Feature: Distributions in 2006”. Distrowatch Weekly (Distrowatch) (182). https://distrowatch.com/weekly.php?issue=20061218 2011年10月14日閲覧。. 
  48. ^ Pardus 2011 Beta Review – the most exciting distro of the year? | Linux User & Developer - the Linux and FOSS mag for a GNU generation”. Linuxuser.co.uk (2011年1月22日). 2015年2月26日閲覧。
  49. ^ Archived copy”. 2015年6月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年7月2日閲覧。
  50. ^ Pisi Linux Team” (Turkish). Turkey: Pisi Linux (2013年3月9日). 2013年3月13日閲覧。
  51. ^ Reaching out to the Community”. Turkey: Pardus-Anka (2013年3月9日). 2013年4月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年3月13日閲覧。
  52. ^ a b c d Pardus 2009 yolda” (Turkish). Istanbul: Radikal (2009年5月25日). 2009年5月25日閲覧。
  53. ^ MSB, Pardus ile 2 milyon dolar tasarruf etti” (Turkish) (2009年4月14日). 2009年4月14日閲覧。
  54. ^ SGK, Pardus'a göç etmeye hazırlanıyor” (Turkish) (2009年4月13日). 2009年4月13日閲覧。

外部リンク編集