Pogoplug(ポゴプラグ)は、米クラウドエンジンズ社(CloudEngines)が販売していたNASアダプター。 格納されているファイルをオンラインストレージとして転送公開する専用サーバー利用権とセットにして販売されていた。

概要 編集

プラグコンピュータを応用したNASアダプタであり、本体にUSB接続のストレージHDDUSBメモリなど)を接続すると、そこに保存されているファイルにパーソナルオンラインストレージ(パーソナルクラウド) としてインターネットからクラウドエンジン社の専用サーバ経由で外部のPCスマートフォン(無償の専用ソフトが必要)などからアクセスできる。

もちろん、NASとして、LANからもファイルサーバとして利用できる(無償クライアントソフトのインストールが必要)。

一般に、クラウドストレージサービスを利用するには月額料金が必要であったり、無料の場合は小容量の場合が多いが、Pogoplugでは専用サーバーは本体の購入後、無料で利用でき、容量は本体に複数のストレージを接続することで、自分で増やすことができる。

ただしPogoplugのパーソナルクラウドストレージは(たとえクライアントが同一LAN上にあっても)、必ずPogoplug社のサーバを経由してデータを転送するので、データ転送スループットがPogoplug社のサーバ(とそこまで、そこからの経路)のスループットおよび遅延で制限され、ユーザが増えると必然的に遅くなり、バックアップなど大容量のデータを転送するNASとしての利用価値は著しく低い。これは、LANとインターネットを隔て外部からLANへの侵入を防ぐファイアウォールを通過するために、中間サーバを置くという原始的なアーキテクチャを採用したためであり、Skypeのように接続の開始時だけサーバがディレクトリサービスを行い、データ転送その物はサーバの介在なしにP-to-Pで行う方式に比べて明らかに劣っている。

ハードウェアはARM CPU(バージョンによりシングルコア、デュアルコア)と128~256MBのRAMを実装しており、オペレーティングシステムLinuxである。Linuxコミュニティにより汎用のLinuxボックスとして動作させるパッケージが開発されている[1]

2013年8月既存のPCをパーソナルクラウドサーバにするソフトウェア「Pogoplug PC」や、AmazonGlacierをバックボーンに使った低価格コールドストレージ型クラウドストレージサービスを販売するビジネスに転換。

2013年10月Pogoplugのサイトからはハードウェア製品は姿を消し日本語サイト[2]もアクセスできなくなる。

2015年6月にはPogoplug Cloudの無料プランを終了。2016年9月28日午前9時にクラウドストレージ自体が終了。これ以降も自宅ストレージへのリモートアクセス機能など提供は継続すると発表された [3]

2021年3月公式サイトのドメイン(pogoplug.com)はインドネシアブックメーカー企業によって管理されている。

日本版 編集

日本国内での利用について、発表当時はクラウドエンジン社のサーバは日本国内にはなかったため オンラインストレージ としての速度はネットワーク距離による遅延で制約されていた。

2011年2月 から日本版が発売され、日本版用サーバーは国内でソフトバンクBBが運用するものになり ネットワーク距離の影響が小さくなった。

歴史 編集

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ http://archlinuxarm.org/
  2. ^ http://pogoplug.com/ja
  3. ^ Pogoplugのクラウドストレージが9月28日に終了”. 行正和義. 2021年3月19日閲覧。
  4. ^ Consumer electronics: Take a peek at geek chic”. Lester, Dave. 2011年5月27日閲覧。
  5. ^ 米国クラウドエンジンズとソフトバンクBB Pogoplug®(ポゴプラグ)の国内販売開始”. ソフトバンクBB プレスリリース. 2011年5月27日閲覧。
  6. ^ CloudEngines「Pogoplug POGO-P25」~USBストレージをクラウド化するPogoplugの日本向けモデル”. 井上繁樹. 2011年5月27日閲覧。

外部リンク 編集