RD-0124
用途: 上段
推進剤: RP-1/液体酸素
開発年: 2001年
大きさ
全高 1.58 m
直径 2.4 m
乾燥重量 480 kg
推力重量比
性能
海面高度での比推力 331秒
真空中での比推力 359秒
海面高度での推力
真空中での推力 294.3 kN (66,161 lbf)
燃焼室圧力 162 bar
設計者
製造会社: TsSKB-プログレス
推進技術者: ???
設計チーム: キマフトマティキ設計局

RD-0124 (GRAUインデックス 14D23) は液体酸素とケロシンを推進剤として使用する二段燃焼サイクルロケットエンジンで、RD-0124はKBKhA設計局が開発した[1]。RD-0124はソユーズ-2.1bに採用されているほか、改良型が開発中のアンガラロケットシリーズに搭載される予定である。

設計 編集

RD-0124は副燃焼室 (ガス発生器) で燃料を燃焼させて発生したガスによって駆動される多段式ターボポンプを使用する。燃料のケロシンはエンジンの再生冷却に使用される。姿勢制御はエンジンの2方向のジンバルで行う。推進剤のタンクはヘリウムで加圧されており[2]、1台のターボポンプから4基の燃焼室へ推進剤を供給する[2][3]

RD-0124は酸化剤リッチな燃焼条件において高い燃焼室圧力で運転されるため、ケロシン/液体酸素系のロケットエンジンの中では最も比推力が高い。

歴史 編集

RD-0124を使用したロケットは、2006年12月27日に初めて打ち上げられた[2]オービタル・サイエンシズアンタレスロケットの第2段を高出力化するため、キャスター30Bに代えてRD-0124を採用することを検討した[4]

派生機種 編集

RD-0124はソユーズ 2.1b/vアンガラという異なる2種類のロケットに展開するため、それぞれに合わせた派生型が存在する。

RD-0124 編集

ソユーズ-2.1bおよびソユーズ-2.1vブロックIに採用されている。旧ソ連が崩壊し、ロシアになって最初に開発された液体ロケットエンジンである[5]

RD-0124A 編集

アンガラロケット第2段のURM-2に使用される。重量がRD-0124よりも24 kg (53 lb)軽い548 kg (1,208 lb)となり、燃焼時間は424秒に延ばされている[5]

RD-0124DR 編集

2008年から2013にかけて、ソユーズ-2.3用に開発された。RD-0124に対して、副燃焼室と主燃焼室を再設計することで燃焼室圧力を9.5 MPa (1,380 psi)に抑えて推力を176.6 kN (39,700 lbf)に下げ、比推力を347秒としたものである[6]

RD-0125A 編集

RD-0124Aのノズルを1つにしたモデル。アンガラのURM-2の発展型での採用が考えられており、エンジンを2基とすることで打ち上げコスト削減を図るものである。アンガラ A5用URM-2でのみ採用されると考えられる.[7]

出典 編集

  1. ^ Russia's Angara rocket family needs cash injection”. Flight International (2009年5月5日). 2009年7月25日閲覧。
  2. ^ a b c The Modernized Soyuz”. Starsem. 2009年7月25日閲覧。
  3. ^ Arianespace
  4. ^ Bergin, Chris (2013年3月5日). “CASTOR 30XL prepares for static fire ahead of providing Antares boost”. NASA Spaceflight. 2015年7月22日閲覧。
  5. ^ a b RD0124 (14D23). Launch vehicle "Soyuz-2-1б". RD0124A. "Angara" launch vehicle”. KBKhA. 2015年7月22日閲覧。
  6. ^ Двигатель РД0124ДР (дросселированный)” [Engine RD0124DR (throttled)] (Russian). KBKhA. 2015年7月22日閲覧。
  7. ^ Двигатель РД0125А” [Engine RD0125A] (Russian). KBKhA. 2015年7月22日閲覧。