S-IBアメリカ合衆国アポロ計画で使用されたサターンIB 型ロケットの第一段ロケットである。本体は9基の燃料タンク、八枚の翼、推力支持装置、8基のH-1ロケットエンジンその他の多数の部品から構成されている。機体は中央の液体酸素を搭載するジュピター・ロケット用のタンクの周囲を、8基のレッドストーン用のタンク(うち4基には液体酸素が搭載され、4基にはケロシンが搭載される)が取り囲む形になっている。エンジンのうち中央の4基は固定され、ジンバル(首振り)機構を備えた周囲の4機が飛行を制御する。

S-IB 型図解

諸元 編集

  • 全高:25.5m
  • 直径:6.6m
  • エンジン:H-1ロケットエンジン8機
  • 推力:725トン(7.1MN
  • 燃料:ケロシン155m³
  • 酸化剤:液体酸素250m³
  • 燃焼時間:2分30秒
  • 到達高度:68km

H-1ロケットエンジン 編集

 
サターンI およびサターンIB 用H-1ロケットエンジン諸元

H-1は、1機が90.6トン(890kN)の推力を発生するロケットエンジンで、デルタ・ロケットやジュピター・ロケットの第一段にも使われていた。元々はナバホ・ミサイルに使用されていたもので、S-IB に流用するため部品を簡素化し、性能を向上させた。推力は、後には92.9トン(912kN)にまで高められた。またこのH-1を基礎にして、サターンV 型ロケットで使用されているF-1ロケットエンジンが開発された。

  • 種類:ガス発生器サイクル
  • 燃料:ケロシン(RP-1)
  • 酸化剤:液体酸素
  • 全高2.6m
  • 直径:1.7m
  • 乾燥重量:810kg
  • 装備重量:920kg
  • 推力:90.6トン(890kN) ※ 改良型では92.9トン(912kN)
  • 燃料流量:132リットル/秒
  • 酸化剤流量:210リットル/秒
  • 酸化剤/燃料混合率:2.23/1
  • 燃焼室圧力:633 psi (4.36 MPa)467kg/m²
  • 膨張部面積比:8:1

外部リンク 編集