SAS Institute
SAS Institute(またはSAS。発音はサス)は、アメリカ合衆国ノースカロライナ州に本社をおき、アナリティクスおよびAI(人工知能)のプラットフォームを開発・販売するソフトウェア企業である。同社のソフトウェアは2020年のフォーチュン500企業のうち91%が使っているとされている。[1]キャッチコピーは The Power to Know®
種類 | 非公開会社 |
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略称 | SAS、sas |
本社所在地 |
アメリカ合衆国 ノースカロライナ州ケーリー |
設立 | 1976年 |
業種 | サービス業 |
事業内容 | コンピュータソフトウェアの開発販売 |
代表者 | Dr. Jim Goodnight CEO・社長 |
売上高 | 約30億US$ |
従業員数 | 12,170人(2022年) |
外部リンク | http://www.sas.com/ |
東京オフィスがある六本木ヒルズ森タワー | |
種類 | 株式会社 |
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略称 | SAS Japan |
本社所在地 |
日本 〒106-6111 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー11階 |
設立 | 1985年 |
業種 | サービス業 |
事業内容 |
コンピュータソフトウェアの開発販売 教育、コンサルティング |
代表者 | 手島主税 |
資本金 | 1億円 |
従業員数 | 278名(2024年4月現在) |
主要株主 | SAS Institute Inc. 100% |
外部リンク | SAS Institute Japan |
概要
編集ジム・グッドナイト博士が開発したソフトウェアである「SASシステム」を開発・販売しているソフトウェア会社。日本法人は SAS Institute Japan株式会社(SAS Institute Japan Ltd.)。なお、SASとは、「Statistical Analysis System(統計分析システム)」の略である。
創業黎明期には統計解析、BI(ビジネスインテリジェンス)の専業ベンダーとして認知されていたが、21世紀に入り機械学習、AI(人工知能)、ビッグデータ解析、マーケティング分析、リスク管理、サプライチェーンの最適化などサービスは多岐にわたる。
最新の生成AIにも注力している。[2]
拠点
編集世界各地に400以上のオフィスを構える。
日本の主要拠点は
歴史
編集1962年~1964年:SASシステムはアンソニー・バールが大学院生だった間に分散分析解析や多変量解析ソフトウェアとして開発された。当時のIBMメインフレームで動くソフトウェアであったため、ライブラリー関数はFORTRANでハードウエア制御部分はアッセンブラ、それ以外はPL/Iで混合プログラミングで開発された。
1968年:グッドナイトがソフトウェアの改良に取り組み、線形回帰計算機能を備えた。
1971年頃:NASAのアポロ計画で使用されたことで、全米でポピュラーな解析パッケージとして学会で名を馳せた。
1973年:ジョン・ソールが加わり時系列分析が出来るように改良された。その後、ジェーン・ヘルビッヒが加わった。
1976年:バール、グッドナイト、ソール、ヘルビッヒによって会社をSAS Institute Inc.として法人化し、従業員4名で7月に設立。約300,000行のコードで構成されるBase SASソフトウェアが、最初の製品としてリリースされた。
日本国内のIBMでSASの受託計算サービスが開始される。代理店としては日商エレクトロニクスが扱っており、初期に九州大学大型計算機センターに導入され、旧帝大や筑波大学の大型計算機センターに導入された。
1982年:UNIX版がリリースされVMS以外で稼働することになった。
1985年:SAS初の欧州子会社がイギリスに開設され、世界中に400以上のオフィスを展開する世界的な拡大が始まった。9 番目の現地法人として、日本法人が設立され、東京大学計算機センターに導入された。
1986年:C言語に書き直され、IBMPCでエミュレートするPC版稼働する事になった。その年の年末には、メインフレームで稼働するC言語に書き直され、それに合わせてUNIX版、MS-DOS版も書き直された。
1990年代:OS/2、Mac、シリンコングラフィックス、PRIMOS等のバージョンが発売され普及した。
1998年:フォーチュン誌の「米国で最も働きがいのある企業」の最初のリストに選ばれる。
1990年代:PC版が開発され、1990年代半ばにはODBCに対応した。また昨今のWebマーケティングの分析ニーズに呼応し「CXA」を製品をリリース。
2009年7月21日:中央区勝どき1丁目のイヌイビル・カチドキから港区六本木6丁目の六本木ヒルズ森タワーに東京オフィスを移転。
2010年代:SAS Viyaが導入され、分散コンピューティングとクラウドベースの分析が可能なプラットフォームが提供される。
2020年:約30億ドルの収益を上げ、45年連続で黒字を達成した。Microsoftとアナリティクス/AIに関する広範な提携を発表。[5]
2024年:米Amazon Web Services(アマゾン・ウェブ・サービス、AWS)戦略的協業契約。[6]
企業評価
編集IDC によると、SAS は、2013 年時点で市場の 35.4% を占める「高度な分析」分野で最大の市場シェアを保持している。ビジネス インテリジェンス (BI)ソフトウェアでは 6.9% で5 番目に大きな市場シェアとなっている。ガートナーのデータ統合ツールおよびビジネス インテリジェンスと分析プラットフォームのリーダー クアドラントに指名された。BMC Health Services Research に発表された研究では、3 誌から抜粋された 1,139 件の論文のサンプルに基づくと、SAS が医療サービス研究におけるデータ分析の 42.6% に使用されている。[7]
企業文化
編集米ビジネス誌「Fortune」の米国企業を対象にしたランキング「最も働きがいのある企業100社」の1位に複数回選ばれおり、Googleが福利厚生施設を作るにあたってSASを参考にしている[12]。
- 2021年版 日本における「働きがいのある会社」ランキングにて4年連続ベストカンパニー[13]
製品
編集多くの統計分野に利用された実績があり[14]、現在ではマーケティング(特にCRM領域)、財務戦略、化学分析などでも使用されている。
特に製薬業界では、臨床試験データ分析/レポートの領域において、また、FDA(米食品医薬品局)などの規制当局に対する電子申請の領域において、デファクト・スタンダード(事実上の標準)となっている[15]。
SAS Viya
編集これまで、オンプレミスの製品が主流であったが、最新のSAS Viyaなどはクラウド製品となっている。
SAS Viyaは、企業が大規模で複雑なデータセットを処理し、高度な分析や予測モデリングを行うための包括的なプラットフォームとなっている。[16]
SAS共同認定資格プログラム
編集キャリア支援のため、「SAS Academic Specialization」というプログラムを展開している。この取り組みでは、大学と連携し、人材市場で求められるSASソフトウェアのスキルについて大学と共同で認定している。[17]
大学でSASのソフトウェアを利用した講義を6単位以上取得すると、要件を満たしたことを認定する認定証とデジタルバッジを発行できる。デジタルバッジには学生が認定を受けるまでの過程がメタデータとして含まれており、雇用を考える企業にその学生のSASスキルを保証するものとして機能することができる。
国内での導入大学
編集比較される製品や会社
編集外部リンク
編集脚注
編集- ^ “SASエンジニアの仕事内容を徹底解説!IT経験者が知りたい年収は?”. 株式会社エイジレス. 2024年2月13日閲覧。
- ^ “「SASは生成AIにも注力」CTOなどが来日、産官学におけるデータアナリティクスのハブ的存在に”. 株式会社 翔泳社. 2024年2月10日閲覧。
- ^ “独占インタビュー ジム・グッドナイト SASインスティチュートCEO 「34期連続増収増益でもウォール街に 背を向け株式非上場を貫く訳を語ろう」”. DIAMOND, INC.. 2024年2月21日閲覧。
- ^ “「BIを超える」:2000億円以上の投資で開発されたSAS 9”. ASAHI INTERACTIVE, Inc. 2024年2月21日閲覧。
- ^ “MicrosoftとSASが広範な提携、両社の製品間の統合を推進”. ITmedia inc.. 2024年2月16日閲覧。
- ^ “SAS×AWS、戦略的協業契約を締結 - SAS製品をAWS Marketplaceで提供”. マイナビ. 2024年2月16日閲覧。
- ^ “SAS、IDC社の市場調査レポートで、アドバンスド・アナリティクス/予測型アナリティクス分野のトップシェアを堅持”. CNET Japan. 2024年1月27日閲覧。
- ^ “SAS、独立系調査会社の評価においてリアルタイム・インタラクション管理のリーダー企業に選出 | SAS Institute Japan株式会社”. Digital PR Platform. 2024年4月1日閲覧。
- ^ “SAS、ChartisによりAMLトランザクション監視ソリューションのリーダーに選出”. 新潟日報社. 2024年2月16日閲覧。
- ^ “SAS、グローバル独立系ソフトウェア・ベンダー(ISV)として2022年度Microsoftパートナー オブ ザ イヤーを受賞”. SAS. 2024年2月16日閲覧。
- ^ “SAS named a Leader in 2021 Gartner Magic Quadrant for Data Science and Machine Learning Platforms”. SalesTechStar. 2024年2月26日閲覧。
- ^ “フォトレポート:グーグルが手本にしたSAS Instituteの福利厚生施設をうらやんでみよう”. ZDNET Japan. 2024年1月27日閲覧。
- ^ “SAS Institute Japan、2021年版日本における「働きがいのある会社」ランキングにて 4年連続ベストカンパニーに選出”. SAS. 2024年2月16日閲覧。
- ^ “SAS、アドバンスド・アナリティクス分野で9年連続国内トップシェア獲得”. 株式会社 翔泳社. 2024年2月19日閲覧。
- ^ “[chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.umin.ac.jp/cdisc/report-h17/02.pdf 治験IT化の現状と課題]”. 東京大学医学部附属病院大学病院医療情報ネットワーク研究センター. 2024年2月13日閲覧。
- ^ “最新調査:SAS Viyaは競合他社を凌駕し、運用コストを低減”. The Okinawa Times Co., Ltd.. 2024年2月21日閲覧。
- ^ “アナリティクスを目指す学生のキャリア形成をSASが多彩なプログラムでサポート!”. 株式会社マイナビ. 2024年2月13日閲覧。
- ^ “大学でリアルなデータを分析する経験を”. SAS. 2024年2月15日閲覧。
- ^ “データ分析のリーディングカンパニーであるSAS社と連携して推進する、実用的なデータサイエンスのスキル認定プログラムについてプレスリリースが出されました。”. 帝京大学大学院. 2024年2月15日閲覧。
- ^ “SAS共同認定資格プログラム -SAS Academic Specialization-”. 東京理科大学. 2024年2月15日閲覧。
- ^ “[chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.cis.doshisha.ac.jp/cis-admin/wp-content/uploads/SAS_shinsei_haru2022.pdf Doshisha University and SAS Institute Joint Certificate “Data Science”申請について]”. 同志社大学. 2024年2月15日閲覧。
- ^ “SAS、文科省の大学・高専強化事業に採択された宮崎産業経営大学を支援し、次世代デジタル人材育成に貢献”. PRAP Japan, Inc.. 2024年3月13日閲覧。