SEX』は、スティーブン・マイゼルによって撮影されたマドンナ写真集である。ワーナー・ブックスから1992年10月21日に発売された。

SEX
著者 マドンナ
発行日 1992年10月21日
発行元 ワーナー・ブックス
ジャンル 写真集
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
形態 上製本
コード 0-446-51732-1
[ ウィキデータ項目を編集 ]
テンプレートを表示

写真集は成人向けの内容であり、ヌードソフトコアポルノ、性的な行為を表す写真を特徴とする。それは、論争の的となるサドマゾヒズムアニリングスの要素を含む。

マドンナと無名のモデルを除く、その他の出演者は俳優イザベラ・ロッセリーニウド・キアラッパービッグ・ダディ・ケインヴァニラ・アイスモデルナオミ・キャンベル、モデルのトニー・ウォード、ゲイ・ポルノスターのジョーイ・ステファノヨーロッパの名士タティアナ・フォン・フュシュテンベリー、ナイトクラブのオーナーのイングリッド・カサーレスなど。

マドンナは写真集出版記念パーティをニューヨーク市のインダストリア・スーパースタジオで開いた。彼女はそこにリトル・ボー・ピープ風の服を着て出席した。

撮影はスティーブン・マイゼル。撮影された写真は約2万枚にのぼり、そのうちの475枚が収められている。はじめ、写真集のタイトルは「X」だったが、スパイク・リーの映画の題名と同名であったため変更になった。バイオレンス宗教がらみの問題で、マドンナと出版社であるワーナー・ブックスとは対立することもあった。

表紙はメタリックであり、裏表紙は「X」のマークに刻み抜かれてある。マドンナタイム・ワーナーと6千万ドルのマルチ・メディアの契約を交わしてから最初のプロジェクトであった。制作作業は極秘裏に行われた。たとえば、制作に関わった20人は秘密を守る誓約書にサインしている。また、製本を担当したキャラウェイ・エディション社は、プリント作業時に8人のガードマンを警備にあたらせた。発売された当初、アメリカでは毎週50万部、海外でもほぼ同数が売られた。

リリース

編集

世間の「噂」が写真集のリリースより先行した。1992年10月21日に実際に出版され、大きな広告が出た。多くの本屋が写真集を置くことを拒否し、いくつかの組織は本をボイコットしようとした。多くの批判的な批評は『SEX』がマドンナの新しいアルバムの売上を押し上げる様に計算された論争であると考えた評論家によるものだった。出版後、多くの人々が写真集は「行き過ぎ」であると考え、ついには歌手による「マドンナへの反発」という現象を生んだ。

論争と否定的な意見をよそに、『SEX』はアメリカで発売当日に15万部を売り、ワシントンポストニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに載った[1]

3日後には第一版の全150万部が世界中で売り切れた。本屋チェーンのウォールデンブックスはMTVのインタビューで写真集が発売日当日に2万2千部を売ったと述べ、それほど早く本が全て売り切れるのを今まで1度も見たことがないと驚き[2]、『SEX』は最も成功したコーヒーテーブル本になった。

日本国内では修正版として『SEX by Madonna』というタイトルで同朋舎出版から発売されたが、輸入版は事実上禁止された。

出典

編集
  1. ^ Slater, Jack (2022年10月23日). “Madonna celebrates 30 years of controversial SEX book with cheeky social media post: ‘You’re welcome b-tches’”. Woman And Home. 2024年12月12日閲覧。
  2. ^ Marx, Andy (1992年10月22日). “Madonna’s new book is taking off”. Variety. 2024年12月12日閲覧。