SN 1604すなわち超新星1604ケプラーの超新星[4]あるいはケプラーの星[5]あるいはケプラーの新星[6]とも呼ばれる)は、へびつかい座に現れた銀河系内の超新星である。SN1604は、地球から6キロパーセクすなわち約20,000光年以内で起こり、2020年現在、銀河系内で観測された最後の超新星爆発である。18か月にわたって肉眼で見ることができ、絶頂期には、みかけの等級が−3等で、夜空で他のどの恒星より、また金星を除く他のすべての惑星より明るかった。この超新星は、Ia型[2]のものであった。

ケプラーの超新星
ケプラーの超新星の残骸
ケプラーの超新星の残骸
仮符号・別名 SN 1604[1]
星座 へびつかい座
見かけの等級 (mv) -3[1]
分類 Ia型[2][3][1]
発見
発見日 1604年10月9日
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  17h 30m 35.976s[1]
赤緯 (Dec, δ) −21° 28′ 56.23″[1]
銀河座標 G4.5+6.8[要出典]
銀河 銀河系
物理的性質
残骸の部類 シェル型[要出典]
他のカタログでの名称
へびつかい座V843星[1]
HR 6515[1]
Template (ノート 解説) ■Project
「新星」の位置を「N」で示して(上から8つ目、左から4つ目のマス)描かれたヨハネス・ケプラー自身の手になる絵画

SN 1604は、1604年10月9日に初めて観測された[7] 。ドイツの天文学者ヨハネス・ケプラーは、10月17日に初めてこの超新星を見つけた。ケプラーが、この超新星を詳しく研究したので、この超新星はその後彼にちなんで呼ばれた。この主題についての彼の本は、『De Stella nova in pede Serpentarii』(へびつかいの足の新星について)と題された。

SN 1604は、(ティコ・ブラーエによってカシオペヤ座に認められたSN 1572に続き)1世代の間に観測された2つ目の超新星であった。銀河系の外では他に多くの超新星が見られたが、SN 1604以来、銀河系内で確実に超新星爆発として観測されたものはない。ただし、超新星の発生率から、これ以降に10回前後の観測されなかった超新星があったと推測されている。その1つは1870年頃に起こり、G1.9+0.3超新星残骸のみが後に発見されている。

SN 1604を原因とする超新星残骸は、その種の天体の中で「原始的な」ものの一つと考えられており、今も天文学で多くの研究がなされている天体である。

出典 編集

  1. ^ a b c d e f g h SIMBAD Astronomical Database”. Results for Kepler's SN. 2016年9月24日閲覧。
  2. ^ a b Chandra X-Ray Observatory”. Kepler's Supernova Remnant: A Star's Death Comes to Life. 2006年1月16日閲覧。
  3. ^ Reynolds, S. P.; Borkowski, K. J.; Hwang, U.; Hughes, J. P.; Badenes, C.; Laming, J. M.; Blondin, J. M. (2007-10-02). “A Deep Chandra Observation of Kepler's Supernova Remnant: A Type Ia Event with Circumstellar Interaction”. The Astrophysical Journal 668 (2): L135-L138. doi:10.1086/522830. 
  4. ^ ケプラーの超新星SN 1604ナショナルジオグラフィック ニュース
  5. ^ 『星百科大事典 改訂版』地人書館 R.バーナムJr.著。1137P。ISBN 4-8052-0266-1
  6. ^ 発見から400年、ケプラーの新星の謎を解くAstroArts
  7. ^ Bill Blair's Kepler's Supernova Remnant Page Accessed September 20, 2006

関連項目 編集

外部リンク 編集