Sd Kfz 232 (6-Rad) は、第二次世界大戦前に採用されたドイツ国防軍の偵察用6輪重装甲無線車である。1932~37年の間にビュッシング-NAG、マギルス、ダイムラー・ベンツの三社により、おそらく40輌程度が生産されたと思われる。Schwere Panzerfunkwagen (Sd Kfz 232) 6-Rad(6輪重装甲無線車 特殊車輌232型)。本車の後継として、同じ形式番号を持つ本格的な8輪重装甲車シリーズが作られ、こちらはSd Kfz 232 (8-Rad)と呼ばれる。

Sd.Kfz. 232 (6-Rad)
ビュッシング-NAG製前期型のSd.Kfz.232(6-Rad)、
後方1輌目は231(6-Rad)
(1935年、バイエルン地方での演習風景)
基礎データ
全長 5.57 m
全幅 1.82 m
全高 2.25 m
重量 5.356 t
乗員数 4 名
装甲・武装
装甲 5.5〜8 mm
主武装 2cm KwK30
副武装 7.92mm MG13
機動力
速度 65 km/h
エンジン ダイムラーベンツM509 65hp
ビュッシング-NAG G型 60hp
マギルスS88 70hp
水冷ガソリンエンジン
(製造メーカーにより相違)
懸架・駆動 リーフスプリング 装輪式
行動距離 300~350 km
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概要 編集

民間向けのトラックシャーシをベースにした、暫定的な重装甲偵察車Sd Kfz 231 (6-Rad)は僚車との通話に使う短距離無線機しか搭載していなかったため、これと共に行動し、部隊本部との通話ができるFu.11中距離無線機を追加した本車が同時に生産された。

車体などはSd Kfz 232 (6-Rad)と全く同型で、これに大型のフレームアンテナを被せ、砲塔上部の取り付け支柱は旋回可能な設計になっている。

ビュッシング-NAG、マギルス、ダイムラーベンツ各社の異なるトラック用シャーシを用いた三種類が存在し、それぞれ車体長や細部の作り、エンジンなどが異なっていたが、特に形式番号での区別はされていない。

本車は機械化偵察大隊に配備され、徐々に後継のSd Kfz 232 (8-Rad)に置き換わっていったが、フランス戦の頃までは第一線でその姿を見ることができ、またその後も後方任務に用いられた。

参考文献 編集

  • デルタ出版 グランドパワー No.067 '99/12 ドイツ6輪装甲車