Singing Bird

稲葉浩志のアルバム
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Singing Bird』(シンギング・バード)は、日本音楽ユニットB'zボーカリスト稲葉浩志の5作目のオリジナル・アルバム。2014年5月21日にVERMILLION RECORDSから発売された。

Singing Bird
稲葉浩志スタジオ・アルバム
リリース
録音 2010年8月 - 2014年
ジャンル J-POP
ハードロック
ロック
フォークロック
時間
レーベル VERMILLION RECORDS
プロデュース 稲葉浩志
チャート最高順位
ゴールドディスク
  • ゴールド(日本レコード協会[3]
  • 稲葉浩志 アルバム 年表
    Hadou
    (2010年)
    Singing Bird
    (2014年)
    CHUBBY GROOVE
    (2017年)
    EANコード
    EAN 4582283797922 (初回限定盤)
    EAN 4582283797939 (通常盤)
    『Singing Bird』収録のシングル
    1. 念書
      リリース: 2014年2月26日(デジタル・ダウンロード
    2. 泣きながら
      リリース: 2014年3月26日(デジタル・ダウンロード)
    3. Stay Free
      リリース: 2014年4月23日(デジタル・ダウンロード)
    ミュージックビデオ
    「oh my love」 - YouTube
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    概要 編集

    前作『Hadou』から約3年9か月ぶりとなるオリジナルアルバム[4][5]

    本作には、稲葉のソロ活動始動時から先行配信されていた「念書」「泣きながら」「Stay Free」の他、テレビCMとして全国放送されていた「oh my love」など12曲を収録。初回限定盤には、「oh my love」「念書」「泣きながら」「Stay Free」の4曲のミュージック・ビデオを収録したDVDが付属されている[4][5]

    タイトルである『Singing Bird』について稲葉は、「作業をしてる時間帯は午前中が多かったから、単純に『そういえば、いつも鳥が鳴いてたな』と思って(笑)。散歩してるときもそうだし、海に行ってるときもそうなんですけど、そういう時間に思いついた言葉を書きとめていたんですよね[6]」「鳥の鳴き声って求愛だったり、仲間に危険を知らせる行動でもあるんですよね。だから自分の歌も、誰かにとって意味のあるものになればいいなと、思いをこめた[7]」と語っている。また、アルバム・ジャケットは、バイクハーレーが走り抜けるイラストが用いられている。ジャケットデザインに関して稲葉は、デザイナーと打ち合わせた時に「鳥の写真やイラストは使用しないでほしい」とリクエストしたという。しかしながら、完成形のイラストを上下逆にすると「鳥がバイクをついばんでいる絵」にも見え、稲葉もそれを認識している。[要出典]

    本作に収録されている楽曲のほとんどは、音楽用語でいうところの詞先(歌詞が先にあり、それにメロディを付ける楽曲制作法)で制作されており、今までとは作風を変えている[6]。楽曲制作について稲葉は、「思い付いたフレーズをすぐにメモしたり携帯に保存したりして、そのメモがいっぱいになったらメロディを付けていくという作業を延々とやっていた」と語っている。

    編曲は前作『Hadou』に引き続き稲葉と寺地秀行が中心になっているが、本作では前々作『Peace Of Mind』以来、徳永暁人doa)が編曲およびベースで参加している。

    記録 編集

    オリコン調べでは、2014年6月2日付週間アルバムランキング首位に初登場した。ソロでのアルバムの首位は、1作目『マグマ』(1997年1月発売)から5作連続。男性ソロアーティストによる1stから5作連続アルバム首位は、1993年1月18日付で氷室京介が記録して以来21年4ヶ月ぶり[8]

    収録曲 編集

    CD
    1. ジミーの朝 (3:24)
      タイトルにある「ジミー」とは、稲葉がサーフィンをしているときに海で出会った実在の人物のこと。一度病気になって手術して以来ペースメーカーを付けて生活している。後に回復し、海に度々訪れサーフィンをしているという。そのジミーが「ひとりになるのは嫌だ」と語っていたのを聞いた稲葉は、「ジミーの陽気な感じと本気で怖がっている感じのギャップが印象的だった」と感じ、詞を一気に書き上げた。ちなみに、本楽曲についてはジミーには無断だという[6]
    2. oh my love (4:33)
      オリンパスカメラ『OM-D E-M10』の「Hand in hand」篇CMソング。カメラのレンズを通し父と子のふれあいや絆を描いたストーリーに合わせて、稲葉がCMのために書き下ろした楽曲[9]。本作では最後に制作された。
      タイアップ先から「こういう映像でやりたい」という話を聞いて、その話をもとに稲葉は詞を書いて、メロディを付けていった。
      ミュージック・ビデオの監督は、大久保拓朗
    3. Cross Creek (3:19)
      最初はギターの音はラファエルの演奏のみだったが、稲葉が「ギターが上手すぎて、キレイになりすぎて自分のイメージとは違う」と感じたため、稲葉がデモの段階で演奏していたギター(稲葉曰く「上手くはないし荒っぽいけど、人間味があるテイク」)を後から重ねた。
    4. Golden Road (4:12)
      生音がメインの本作において、打ち込みを多用している楽曲。歌詞のシチュエーションは、稲葉がイチョウ並木道を歩いたのがきっかけ。銀杏の匂いと、イチョウの落ち葉の圧倒的な金色のイメージが印象に残っていたという[10]
      また歌詞の内容は、とあるファンレターに書かれてあった『無理していいんですよ』という言葉である[10]。稲葉によると、「普通は『無理しないでください』と書くのに、自分の性格を分かっているからなのか『無理しないでって言われても、稲葉さんはやりたいんですよね』と書いてあるのを見て、その言葉がうれしくて一人で感動して、そこからスタートして作った。」と語っている。
    5. 泣きながら (4:28)
      2作目の配信限定シングル。
    6. Stay Free (4:09)
      3作目の配信限定シングル。
    7. Bicycle Girl (3:43)
    8. 孤独のススメ (4:02)
      「ニュースを見ていて、どれが正しいのかわからなくなる時があり、じっくり考えたほうがいいと思う時がある」という考えから作詞された。
    9. 友よ (4:59)
    10. photograph (5:14)
      稲葉によると東日本大震災後の記事を読み、「大切な人を失った、そんな悲しいニュースを耳にした時、残された人たちの気持ちはどうなんだろう」と思ったことから作詞されたという。
      Koshi Inaba LIVE 2014 〜en-ball〜』では、本作の中で、唯一この曲だけが演奏されなかったが、『Koshi Inaba LIVE 2016 〜enIII〜』で初演奏となった。
    11. ルート53 (4:58)
      本作で最初に制作された曲。タイトルは、岡山県を走る国道53号を意味している。稲葉は年に何回か地元の岡山県津山市に帰郷しており、その時感じたことを歌詞にしている。稲葉によると「津山からどこかに行くにしてもその道(国道53号)しかないんですよ。どこかに出て行ったり、帰ってきたり、その出入り口の象徴としてこの道を選びました」とのこと。歌詞中の「おじいちゃんが骨折した」というくだりは、実話に基づいている[6]
    12. 念書 (3:15)
      1作目の配信限定シングル。
    DVD(初回限定盤のみ)

    以下の楽曲のミュージック・ビデオを収録。

    1. oh my love
    2. 泣きながら
    3. Stay Free
    4. 念書

    タイアップ 編集

    参加ミュージシャン 編集

    脚注 編集

    1. ^ “Singing Bird”. ORICON NEWS (オリコン). (2015年2月5日). https://www.oricon.co.jp/prof/193721/products/1075909/1/ 2020年1月2日閲覧。 
    2. ^ オリコン年間 アルバムランキング 2014年度 31~40位”. インプレス (2014年). 2019年5月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月12日閲覧。
    3. ^ ゴールド等認定作品一覧 2014年5月”. RIAJ. 2014年6月10日閲覧。
    4. ^ a b “稲葉浩志、ソロ4年ぶりアルバム 全12曲タイトル発表”. ORICON NEWS (オリコン). (2014年4月11日). https://www.oricon.co.jp/news/2036308/full/ 2020年1月2日閲覧。 
    5. ^ a b “B'z稲葉浩志 5/21ソロAL発売決定 深遠なるメッセージ”. Billboard JAPAN. (2014年4月11日). https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/19293/2 2020年1月2日閲覧。 
    6. ^ a b c d INTERVIEW 稲葉浩志『Singing Bird』(1)”. Mikiki (2014年6月11日). 2020年1月3日閲覧。
    7. ^ 音楽と人』2014年6月号、株式会社 音楽と人、2020年3月14日。 
    8. ^ “【オリコン】B’z稲葉浩志、男性ソロ21年ぶり快挙 1stから5作連続アルバム首位”. ORICON NEWS (オリコン). (2014年5月27日). https://www.oricon.co.jp/news/2037853/full/ 2020年1月2日閲覧。 
    9. ^ “ACミラン本田圭佑×B'z稲葉浩志 CMで豪華タッグ実現”. Billboard JAPAN. (2014年3月5日). https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/18475/2 2020年1月2日閲覧。 
    10. ^ a b 『オリ★スタ』2014年5月26日号、オリコン・エンタテインメント、2020年3月14日。