THE CIRCLE (B'zのアルバム)

B'zのアルバム
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THE CIRCLE』(ザ・サークル)は、日本音楽ユニットB'zが、2005年4月6日にリリースした、14作目のオリジナル・アルバムである。

THE CIRCLE
B'zスタジオ・アルバム
リリース
録音 2004年10月 - 2005年2月
ジャンル
時間
レーベル VERMILLION RECORDS
プロデュース 松本孝弘
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 週間1位(オリコン[3]
  • 2005年4月度月間1位(オリコン)
  • 2005年度年間15位(オリコン)[4]
  • ゴールドディスク
  • ダブル・プラチナ(日本レコード協会[5]
  • B'z アルバム 年表
    • THE CIRCLE
    • (2005年)
    『THE CIRCLE』収録のシングル
    1. 愛のバクダン
      リリース: 2005年3月9日
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    概要 編集

    長期に渡るソロ活動を終えて発表されたオリジナル・アルバム[6]

    アルバム・タイトルの『CIRCLE』は「輪廻」という意味合いをもたせている。これは、松本と稲葉が長いソロ活動の後に再集結し、作業を進める中で「バンドは破滅を繰り返しながらも再生していく」と輪廻を感じたことに由来している[7]

    ジャケット写真は石垣島で撮影された。当初「夏の爽やかな一枚」を撮ることを予定していたが、台風が直撃したことにより、曇りの中での撮影となった[8]。なお、このジャケット写真は、Appleの製品である初代iPod nanoの公式ホームページやカタログなどの液晶画面に使われていた。

    10thアルバム『Brotherhood』以来となる、バンドメンバーを固定したジャム・セッションのスタイルをとっている。これは、最初からテーマとして上げたのではなく、自然とそのようにスタートしたものだという[7]

    シングル曲は本作の先行シングル「愛のバクダン」のみで、前年のシングル「BANZAI」と「ARIGATO」は未収録となった。その一方で、3rdアルバム『BREAK THROUGH』以来約15年ぶりに2nd beatが収録されている。

    本作のプロモーションの一環として、2000年12月以来約4年ぶりにニッポン放送オールナイトニッポン』(2005年3月19日放送)のパーソナリティーを務めた[9][10]

    同年に行われたアルバムツアー『B'z LIVE-GYM 2005 "CIRCLE OF ROCK"』は、360度円形センターステージで行われた[11]

    2018年に結成30周年記念として『DINOSAUR』までのオリジナル・アルバムと共にアナログレコード化された[12]

    チャート記録・受賞歴 編集

    週間売上34.5万枚を記録し、オリコンアルバムチャートにおいて初登場首位を獲得[3]。これにより19作連続での首位を獲得し、900作目の1位獲得作品ともなった[13]。また、本作で史上初のアルバム総売上4000万枚を突破した[3][14]

    第20回日本ゴールドディスク大賞でロック&ポップ・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞した[15]

    収録曲 編集

    CD
    全作詞: 稲葉浩志、全作曲: 松本孝弘、全編曲: 松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    1.「THE CIRCLE」稲葉浩志松本孝弘
    2.「X」稲葉浩志松本孝弘
    3.「パルス」稲葉浩志松本孝弘
    4.愛のバクダン稲葉浩志松本孝弘
    5.「Fly The Flag」稲葉浩志松本孝弘
    6.「アクアブルー」稲葉浩志松本孝弘
    7.「睡蓮」稲葉浩志松本孝弘
    8.「Sanctuary」稲葉浩志松本孝弘
    9.Fever稲葉浩志松本孝弘
    10.「白い火花」稲葉浩志松本孝弘
    11.「イカロス」稲葉浩志松本孝弘
    12.「BLACK AND WHITE」稲葉浩志松本孝弘
    13.「Brighter Day」稲葉浩志松本孝弘
    合計時間:

    楽曲解説 編集

    1. THE CIRCLE
      演奏時間が2分に満たない1コーラスのみの楽曲で、アルバムのイントロダクションとなる曲である。
      エスニック調のアレンジがなされている。これは松本がプーケットに旅行に行った際にガムラン風の音楽を聴いたことが影響している[16]
      パーカッションSEは、打ち込みではなく全てドラムスのシェーン・ガラースによって演奏された生音。
      PVが制作されており、内容は稲葉が崖の上で歌い、松本が古びた灯台の窓辺でアコースティック・ギターを弾くというもの。
      アルバムツアーではバンドメンバーの入場SEとして長めに編集されたインストゥルメンタルが使用されたが、演奏披露はされていない。
    2. X
      前曲「THE CIRCLE」のトラックの最後にこの曲のイントロが重ねられている[注 1] が、元々「THE CIRCLE」と続けて配置するつもりはなく、レコーディングも別々だった。しかし並べてみたところしっくりと来たのでこの並びになったという[16]
      アルバムツアーではドーム公演のみ演奏された。
    3. パルス
      発売後、NHKドラマ『生き残れ』テーマソングに起用された。
      サビのPVも制作された。
      アルバムツアーのホール・アリーナ公演では、1曲目として演奏された。また、この曲が同ツアーで演奏された際の映像が42ndシングル『SPLASH!』の初回限定盤(ブルー)の特典DVDに収録されている。
    4. 愛のバクダン
      38thシングル。本作の制作過程では最後に制作された[16]
    5. Fly The Flag
      ライブでは未演奏。
    6. アクアブルー
      本作では数少ない長調の楽曲。
      いくつかのデモテープを組み合わせて出来た曲で、「愛のバクダン」が出来るまではシングル曲候補だった[16]
      稲葉によると、アクアブルーとは携帯電話の着信ランプのことで、複雑な男女の恋愛関係を女性視点で表した歌詞となっている[16]
    7. 睡蓮
    8. Sanctuary
      アルバムツアーではホール・アリーナ公演のみ演奏された。
    9. Fever
      38thシングル『愛のバクダン』2nd beat
      アルバムにシングルの2nd beatが収録されたのは、「LOVE & CHAIN」以来約15年ぶりとなった[注 2]
    10. 白い火花
      B'zの楽曲では数少ないベースソロが存在する。
      ライブでは未演奏。
    11. イカロス
      三連系の曲。A・Bメロはゆったりしたビートで、サビからテンポが速くなる。
      タイトルのイカロスについて稲葉は、「アテネオリンピックの時に本屋さんでギリシャ神話を買ってきて、まぁオリンピックとどんどん関係なくなってったけどいいなぁと思った。」と語っている[16]
      アルバムツアーではこの曲調に合わせて円形ステージの外周が速度を変えて回転する演出が行われた。
    12. BLACK AND WHITE
      「Brighter Day」ができるまではラストナンバーになる予定だった[16]
      こちらもPVが制作されており、稲葉と松本がコンテナの前で演奏し、画面左右にそれぞれが鏡のように対称に映る映像となっている。
      アルバムツアーでは増田隆宣のキーボードソロから演奏され、最後のサビにメロディーが追加されている。
    13. Brighter Day
      DEVIL」以来の全英詞の曲で、B'zとしては初の全英詞バラード。
      「愛のバクダン」より後に制作された曲で、アルバム制作が一段落した後に制作された楽曲の一つだった[16]
      2007年に海外のiTunes Storeで配信されたミニ・アルバム『B'z』にリミックスバージョンが収録されている[注 3]
      アルバムツアーでは未演奏となったが、2006年9月1日に行われた『B'z NETWORK LIVE in Japan』にて初披露された。また、2012年に行われた『PEPSI NEX presents B'z PREMIUM LIVE OSAKA/TOKYO』、『B'z LIVE-GYM 2012 -Into Free-』でも演奏され、主に国外向けのライブで演奏されている。

    タイアップ 編集

    シングル曲については各作品の項目を参照

    参加ミュージシャン 編集

    ライブ映像作品 編集

    シングル曲については各作品の項目を参照

    X

    パルス

    アクアブルー

    睡蓮

    イカロス

    BLACK AND WHITE

    Brighter Day

    脚注 編集

    注釈 編集

    1. ^ iTunesでの配信の際には修正されている。
    2. ^ 4thシングル『BE THERE』以降のシングルの2nd beatはオリジナル・アルバムには未収録となっていた。
    3. ^ ちなみに、ベスト・アルバム『B'z The Best "Pleasure II"』発売時(2005年)に、iTunes Music Storeにて一時ダウンロード可能な状態になっていたことがある。

    出典 編集

    1. ^ Martin, Ian. The Circle - B'z | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年8月1日閲覧。
    2. ^ B'z / THE CIRCLE [デジパック仕様]”. CDJournal. 株式会社シーディージャーナル. 2021年1月21日閲覧。
    3. ^ a b c “快挙!B’zが史上初の4000万枚突破!!”. ORICON NEWS (オリコン). (2005年4月12日). https://www.oricon.co.jp/news/4747/full/ 2021年1月21日閲覧。 
    4. ^ 2005年 年間アルバムチャート”. ORICON STYLE 音楽. オリコン (2005年12月19日). 2005年12月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月21日閲覧。
    5. ^ Gold Album+...認定 2005年4月度」『The Record』第547号、日本レコード協会、2005年6月、14頁。 
    6. ^ “B'z、待望のニューアルバム4月6日発売決定!”. ORICON NEWS (オリコン株式会社). (2005年3月15日). https://www.oricon.co.jp/news/5415/full/ 2022年6月21日閲覧。 
    7. ^ a b B'z〜ニュー・アルバム『THE CIRCLE』”. Music Freak Magazine. エムアールエム. 2019年11月23日閲覧。
    8. ^ 『music freak magazine & Es Flash Back B'z XXV Memories II』エムアールエム、2013年、130頁。 
    9. ^ B'zのオールナイトニッポン!19日パーソナリティー”. SANSPO.COM. 株式会社産業経済新聞社. 2005年3月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月21日閲覧。
    10. ^ B'zが「がんばれ」ニッポン放送”. スポーツ報知. 株式会社報知新聞社. 2005年3月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月22日閲覧。
    11. ^ B'z、渇望していたライブ映像作品3タイトル、順次リリース決定”. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク (2012年11月21日). 2024年2月23日閲覧。
    12. ^ “B'z、アルバム全20作品をアナログ化。大型エキシビションで販売”. rockin'on.com (ロッキング・オン). (2018年3月22日). https://rockinon.com/news/detail/174432 2018年11月10日閲覧。 
    13. ^ “オリコン通算1000作目のアルバム首位、今週にも決定”. ORICON NEWS (オリコン). (2007年9月16日). https://www.oricon.co.jp/news/48051/full/ 2020年3月6日閲覧。 
    14. ^ “B'z、アルバム発売&米の配信事業に日本人として初登場!”. BARKS (ジャパンミュージックネットワーク株式会社). (2006年5月10日). https://www.barks.jp/news/?id=1000022807 2019年11月24日閲覧。 
    15. ^ THE JAPAN GOLD DISC AWARD|THE GOLD DISC”. 日本レコード協会. 2019年10月18日閲覧。
    16. ^ a b c d e f g h 『be with!』第65巻、B'z Party、2005年3月。 

    関連項目 編集

    外部リンク 編集