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trash (ザ・スターリンのアルバム)

ザ・スターリンのアルバム

trash』(トラッシュ)は、日本ロックバンドザ・スターリンの初のオリジナルアルバム

trash
ザ・スターリンスタジオ・アルバム
リリース
録音 A面 1 - 10曲目
マッドスタジオ
B面 1 - 6, 9, 10曲目
1981年10月31日
法政大学
B面 7, 8曲目
1981年11月7日
京都燦燦
ジャンル パンク・ロック
時間
レーベル ポリティカルレコード
プロデュース THE STALIN
ザ・スターリン アルバム 年表
trash
(1981年)
STOP JAP
(1982年)
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作詞は全曲共に遠藤ミチロウ、作曲・プロデュースはザ・スターリンとなっている。メンバーは金子アツシが脱退し、新たにギタリストとしてタムが参加している。

A面にはスタジオ録音された音源が収録され、B面にはライブ音源が収録されている。

1981年12月24日にインディーズレーベルのポリティカルレコードから限定2000枚でリリースされ、販売はシティーロッカーレコードより行われた。

後にシングルカットされた「ロマンチスト」(1982年)の原曲「イスト(主義者)」や、アルバム『Fish Inn』(1984年)の予約特典のソノシートとして再録音された「解剖室」、「バキューム」の原曲が収録されている。

背景編集

1980年6月に結成され、9月に自主制作レーベル「ポリティカル・レコード」を設立し、シングル「電動こけし/肉」をリリース、1981年4月にはミニ・アルバム『スターリニズム』をリリースしたザ・スターリンであったが、同年にギタリストの金子アツシが脱退し、代わりにタムが加入した。この件を受けて、タムが所属していたバンド「チフス」のソノシートがポリティカル・レコードからリリースされた[1]

この当時、ライブにてステージ上から客席に向けて放尿、鶏の頭を投げ込む事などを行っていたが、迫力がないとの理由から生ゴミを投げ込むようになり、さらに豚の臓物を投げ込むようになった[2]。さらにエスカレートし、豚の生首を投げつける事や、遠藤が全裸になり客席に飛び込むなどの過激なパフォーマンスが徐々に話題となっていった[3]

そんな折、『デイリースポーツ』からの取材を受け同紙の芸能欄に掲載された事を切っ掛けに、1981年9月10日号の週刊『女性自身』にて「変態バンド"スターリン"の信じられないショックステージ!!」のタイトルでスクープされ、ライブ内容が大きく取り上げられた[4]。記事冒頭には「ここまで来たニュー・ロック」という言葉が掲載されているが、これに関し遠藤は当時すでに「ニュー・ロック」という言葉が死語であった事、記事中に「パンク」という言葉がない事を指摘している[4]。この時のライブでは失神者が続出し救急車が呼ばれる騒ぎとなり、以後ライブハウス「屋根裏」は出入り禁止になったという[4]

10月31日には法政大学にてライブを敢行、800人の前で演奏を行った[5]11月4日には関東学院中学校高等学校の学園祭にて乱入ライブを起こったが、ライブ中に全裸になった事で警察を呼ばれ、遠藤は公然わいせつ罪で逮捕された[6]。関東学院中学校高等学校はミッションスクールであり、同校の生徒から学園祭への出演依頼があったものの学校側から許可が下りず、ゲリラ的に乱入してライブを行う事となっていた[7]。警察による逮捕後に現場での目撃者が捜索され、同校の生徒は誰も目撃証言者として名乗り出なかったが、同校の生徒ではない近所の小学生が目撃していたため連行される事となった[7]。また、この当時のライブでは観客の暴動により器物損壊が発生し、ギャラの半分以上が弁償代として消費される事態となっており、最高額では30万円程となったという[7]

その後、1981年12月号の『月刊プレイボーイ』にて初めて「ハード・コア・パンク」として紹介された[8]。また、同誌では「ステージ上で破天荒なパフォーマンスを繰り広げるバンド」として他に非常階段の名を挙げており、遠藤曰く当時の3大変態バンドとして「ザ・スターリン」、「じゃがたら」、「非常階段」が主に取り上げられていたという[9]

録音編集

A面はマッドスタジオでのスタジオ録音による音源、B面は1981年10月31日の法政大学および1981年11月7日の京都燦燦でのライブ録音による音源となっている。

ギターは前作までの金子アツシに変わりタムが担当している。

リリース編集

1981年12月24日にポリティカルレコードからリリースされた。自主制作盤であったため、当初は1000枚分プレスされていたが、リリース直後に完売し、注文が殺到したため新たに2000枚プレスされ、当時のインディーズレーベルとしては異例の売上を記録した[3]。これによりザ・スターリンは日本のアンダーグラウンドシーンにおいてトップに躍り出る形となった[5]。しかし、放送禁止用語を使用した歌詞や契約上の問題等により、再発は一切行われていない。そのためCD盤は海賊盤でしか存在しない。

アートワーク編集

ジャケットイラスト漫画家宮西計三による[1]。これは当時遠藤が知り合いの編集者から漫画雑誌『ガロ』に連載していた漫画家の副業として紹介されて実現したものである[1]

ツアー編集

過激なライブのため東京近郊でのライブハウスから公演禁止処分が出る事も多く、ザ・スターリンはそれまでロックバンドがライブを行った事がないような地方都市においてもライブを行うようになった[5]。これにより、様々な場所でのライブツアーのルートを開拓する事に繋がり、後進のバンドにとってライブツアーが組みやすくなっただけでなく、地方の聴衆に対してパンクという音楽を広める一因ともなった[5]

収録曲編集

A面 (STUDIO)
全作詞: 遠藤みちろう、全作曲: THE STALIN。
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.「解剖室」遠藤みちろうTHE STALIN
2.「冷蔵庫」遠藤みちろうTHE STALIN
3.「TRASH」遠藤みちろうTHE STALIN
4.「天上ペニス」遠藤みちろうTHE STALIN
5.「革命的日常」遠藤みちろうTHE STALIN
6.主義者(イスト)遠藤みちろうTHE STALIN
7.「インテリゲンチャー」遠藤みちろうTHE STALIN
8.「バキューム」遠藤みちろうTHE STALIN
9.「BIRD」遠藤みちろうTHE STALIN
10.「溺愛」遠藤みちろうTHE STALIN
B面 (LIVE)
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.「メシ喰わせろ!」  
2.「ハエ」  
3.「ハードコア」  
4.「猟奇ハンター」  
5.電動コケシ  
6.「アーチスト」  
7.「豚に真珠」  
8.「GASS」  
9.「サル」  
10.「撲殺」  
合計時間:

スタッフ・クレジット編集

THE STALIN編集

スタッフ編集

  • THE STALIN - プロデューサー
  • 比留間整 - レコーディング・エンジニア
  • Pil・Box - レコーディング・エンジニア(B面7,8曲目)
  • 小西康司 - レコーディング・エンジニア
  • 宮西計三 - 表紙絵

脚注編集

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  1. ^ a b c ISHIYA (2017年12月28日). “遠藤ミチロウが語る、THE STALINとブラックユーモア「自分がパンクっていうふうには考えてない」”. リアルサウンド. blueprint. 2019年6月9日閲覧。
  2. ^ 遠藤ミチロウ「第一期【1981年9月 - 1981年12月】掲載誌のキャッチ ★2・新しい感性を主張するニューウェーブが急増」『ザ・スターリン伝説』マガジン・ファイブ、2004年11月9日、26 - 27頁。ISBN 9784434047909
  3. ^ a b 遠藤ミチロウ「MICHIRO's History」『遠藤ミチロウ全歌詞集完全版「お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました。」1980 - 2006』マガジン・ファイブ、2007年3月6日、314 - 323頁。ISBN 9784434102165
  4. ^ a b c 遠藤ミチロウ「第一期【1981年9月 - 1981年12月】掲載誌のキャッチ ★1・変態バンド"スターリン"の信じられないショックステージ!!」『ザ・スターリン伝説』マガジン・ファイブ、2004年11月9日、14 - 19頁。ISBN 9784434047909
  5. ^ a b c d 小野島大「言葉は作られて、死んでいくものだから、死んじゃったらもう、ないんだよ」『ユリイカ9月臨時増刊号 総特集*遠藤ミチロウ1950-2019』第51巻第15号、青土社、2019年8月31日、 63 - 69頁、 ISBN 9784791703739
  6. ^ 遠藤ミチロウ「第一期【1981年9月 - 1981年12月】掲載誌のキャッチ ★3・逮捕された変態ロック」『ザ・スターリン伝説』マガジン・ファイブ、2004年11月9日、28 - 31頁。ISBN 9784434047909
  7. ^ a b c 遠藤ミチロウ「第一期【1981年9月 - 1981年12月】掲載誌のキャッチ ★4・軟弱時代を《男のシンボル》で撃つ"過激な"2人」『ザ・スターリン伝説』マガジン・ファイブ、2004年11月9日、32 - 35頁。ISBN 9784434047909
  8. ^ 遠藤ミチロウ「第一期【1981年9月 - 1981年12月】掲載誌のキャッチ ★5・むき出しで、人格破壊のハード・コア・パンク」『ザ・スターリン伝説』マガジン・ファイブ、2004年11月9日、36 - 39頁。ISBN 9784434047909
  9. ^ 遠藤ミチロウ「第一期【1981年9月 - 1981年12月】掲載誌のキャッチ ★6・ムキ出しのスターリン経験を君にも」『ザ・スターリン伝説』マガジン・ファイブ、2004年11月9日、40 - 43頁。ISBN 9784434047909

外部リンク編集