VAL 206は、VALシリーズの1つで、マトラ(現・シーメンス・モビリティ)によって開発された、自動運転式の自動案内軌条式旅客輸送システムである。ゴムタイヤを使用するため、高い加減速性が求められる用途に適している。

VAL206
基本情報
製造所

マトラ

GECアルストム
主要諸元
編成 2両編成
電気方式 直流750 V第三軌条方式)
設計最高速度 80 km/h
起動加速度 4.68 km/h/s
減速度(常用) 4.68 km/h/s
全長 12,695 mm
全幅 2060 mm
全高 3250 mm
車体 アルミニウム合金
主電動機 直流電動機
主電動機出力 123kW
駆動方式 車体装荷カルダン駆動
歯車比 43/5=8.6
制御装置 GTOチョッパ制御
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名称にある206という数字は、車両の幅が206cmであることに由来する。

各列車は2両編成。無人運転であるが、必要に応じて手動運転とすることも可能。

現在は製造終了、後継車のVAL 208に移行した。VAL 208と共通運用することが可能である。

概要 編集

自動運転のため、遅延が少ないほか、列車密度を高くできる。一方、当列車は基本的に2両編成であるため、利用者が少ない地域や中規模都市に適している。

車内 編集

車両は狭いものの、窓が大型であるため開放感ある車内とした。ヨーロッパの気候に合わせて基本は非冷房である。

部材の多くにプラスチックが多用されているが、ドアやスタンションポールはステンレス製。

車内の色調は鉄道事業者により様々。

走行機器 編集

制御方式はGTOサイリスタを用いたチョッパ制御方式で、直流電動機を駆動させる。主電動機はエリコン製の4 ELG 2330型(1時間定格出力123kW, 端子電圧720V, 定格電流400A, 定格回転数1,520rpm, 最高許容回転数3,806rpm, 質量678kg)[1]を車体に装荷し、動力はカルダンジョイントハイポイドギアを介して伝達される。

導入都市 編集

都市 事業者 導入年 備考
リール リールメトロ 1982年
トゥールーズ トゥールーズメトロ 1993年 2011年から2014年にかけて車両が改装された。
パリ

(オルリー空港)

オルリーヴァル 1990年

脚注 編集

  1. ^ Albe', Alessandro (2014-01-15), TCO -Traction CEM-Oerlikon 20, https://www.flickr.com/photos/alcoalbe/11961286493/ 2022年7月17日閲覧。 

参考文献 編集