メガネスーパー

日本の企業
VHリテールサービスから転送)

メガネスーパーは、株式会社VHリテールサービスが展開しているメガネコンタクトレンズなどの販売を行う全国チェーン店。メガネスーパーのイメージキャラクターは、フクロウの「フクタン」とその妹の「フクリン」。

株式会社ビジョナリーホールディングス
VISIONARYHOLDINGS CO.,LTD.
種類 株式会社
市場情報 [1]
本社所在地 日本の旗 日本
103-0012
東京都中央区日本橋堀留町1丁目9番11号
NEWS日本橋堀留町6階
設立 2017年11月1日
業種 小売業
法人番号 8010401134850
事業内容 持株会社
代表者 代表取締役 松本大輔
資本金 1億6200万円
発行済株式総数 37,931,415株[2]
売上高 連結:270億147万1000円
(2023年4月期)[2]
営業利益 連結:2億9309万5000円
(2023年4月期)[2]
経常利益 連結:4億6476万5000円
(2023年4月期)[2]
純利益 連結:△3億9643万1000円
(2023年4月期)[2]
純資産 連結:38億5562万5000円
(2023年4月30日現在)[2]
総資産 連結:167億7427万6000円
(2023年4月30日現在)[2]
決算期 4月30日
主要株主 Horus(株) 100%
(2024年1月31日現在)
主要子会社 株式会社VHリテールサービス
外部リンク www.visionaryholdings.co.jp
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株式会社VHリテールサービス
VH RETAIL SERVICE CO.,LTD
種類 株式会社
市場情報
本社所在地 日本の旗 日本
103-0012
東京都中央区日本橋堀留町1丁目9番11号
NEWS日本橋堀留町6階
設立 1980年9月26日
(株式会社メガネスーパー)
業種 小売業
法人番号 3021001032820
事業内容 メガネ・コンタクトレンズの販売など
代表者 代表取締役 松本大輔
資本金 1億円(2018年1月15日現在)[3]
売上高 238億4514万2000円
(2023年4月期)[2]
経常利益 4180万9000円
(2023年4月期)[2]
純利益 △5億5305万6000円
(2023年4月期)[2]
純資産 △9721万4000円
(2023年4月30日現在)[2]
総資産 115億6054万5000円
(2023年4月30日現在)[2]
決算期 4月30日
主要株主 (株)ビジョナリーホールディングス 100%[4]
外部リンク www.meganesuper.co.jp
特記事項:2020年11月1日に現社名へ商号変更。
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2019年3月までのメガネスーパー本社(神奈川県小田原市
現在は小田原箱根商工会議所会館として使用
メガネスーパー茨木店(大阪府茨木市
メガネスーパー枚方店(大阪府枚方市

本稿では、運営企業である株式会社VHリテールサービス(VH RETAIL SERVICE CO.,LTD)並びに持株会社である株式会社ビジョナリーホールディングスに関しても記述する。

概要 編集

1973年に田中八郎が前身となる有限会社ニュー湘南眼鏡として神奈川県小田原市で、また1976年埼玉県さいたま市[注 1]有限会社メガネスーパーをそれぞれ創業[注 2]1980年にニュー湘南眼鏡を存続会社として株式会社メガネスーパーと改組。

以来、全国主要都市にメガネ・コンタクトレンズを中心に、補聴器化粧品健康食品プチシルマなどの販売チェーン店を展開する他している。2004年3月にJASDAQ市場に株式上場[5]。2007年のピーク時には540店舗、380億円の売り上げを挙げていた[6]

2000年代に台頭してきたZoffJINS等の価格破壊に高コスト体質のメガネ-スーパーは対応できずに業績が低迷し、2008年から8期連続の営業赤字に陥る[6]。低価格帯に抑えた若者向けの眼鏡店舗Hatch[7]眼鏡専科を運営していたが、メガネスーパーの経営不振と、価格競争路線からの転換に伴い、閉店や通常業態への変更が行われた。

2011年 - 2013年の3期連続で債務超過に陥った[8][9]。2012年に創業家出身の役員が退き、アドバンテッジ パートナーズを中心とする投資ファンド主導による経営再建を図ることになる[6]。2013年4月期の売上高は160億円[6]

2013年に投資ファンドの要請で星崎尚彦が社長に就任して以降、客単価落ち込みの原因となった価格競争路線から脱し、検眼やフィッティング、アフターサービスなどを充実させた「アイケアカンパニー」を2014年6月に宣言(同時にCI導入)して、低価格店との差別化を図った[10]

2014年9月には累積損失の減少を目的に減資を行った結果、資本金が1000万円となり、法制上「中小企業」となった[11](その後の新株予約権行使による株式の増加により、「中小企業」の基準である1億円を上回った)。

2015年7月23日、東証は同日メガネスーパーが提出した有価証券報告書において最近4事業年度において、営業利益及び営業活動によるキャッシュ・フロー額が負であること及び、同年4月末に債務超過の状態であることが確認されたため、同社は上場廃止に係る猶予期間に入ると発表した[12][13][14]

高付加価値路線の経営改革が軌道に乗った結果、2万円に落ち込んだ客単価も3万6000円に回復し、減少を続けていた店舗数は2015年から増加に転じて業績は回復。2016年4月期には9期ぶりに営業利益が黒字に転じた[10]。営業活動によるキャッシュ・フローも正となり債務超過も解消されたため、上場廃止猶予期間は解除された。

2017年1月に富山県を営業基盤とするメガネハウスを子会社化し、同年6月に大阪府を営業基盤とし、かつ経営危機に陥っていたシミズメガネ(後のファイブ・ミッションズ)の事業を譲受する受け皿会社として関西アイケアプラットフォームを設立し、関西アイケアプラットフォームは同年8月にシミズメガネから全事業を譲受[15][16]。同年11月1日に株式移転により設立された株式会社ビジョナリーホールディングスの完全子会社となった。これに伴い、メガネスーパーは同年10月27日付で上場廃止となり[4]、11月1日付でビジョナリーホールディングスが上場した。2019年3月にはメガネスーパー本社を小田原市からビジョナリーホールディングスと同じ東京都中央区へ移転した。旧メガネスーパー本社ビルは、2020年に小田原箱根商工会議所へ売却され、2021年2月から小田原箱根商工会議所会館として使用している[17]

ビジョナリーホールディングスは2019年12月13日に、エムスリーとの間で資本業務提携を締結[18][19]。2020年2月18日付で第三者割当増資によりエムスリーがビジョナリーホールディングスの筆頭株主となったと同時に、ビジョナリーホールディングスはエムスリーの持分法適用会社となった[20]

2019年10月に滋賀県を営業基盤とする大塚メガネを子会社化したが、大塚メガネは2020年2月に関西アイケアプラットフォームへ吸収合併されている。

2020年9月24日にグループ再編が発表され、ビジョナリーホールディングスが保有していたメガネハウス全株式は同年10月30日にメガネスーパーへ譲渡された他、株式会社メガネスーパーの商号も同年11月1日付で株式会社VHリテールサービスへ変更した[21]。VHリテールサービスは同年11月1日付で関西アイケアプラットフォームとみちのくアイケアプラットフォームを吸収合併し[22]、さらに2022年5月1日付でメガネハウスを吸収合併した[23]

2023年3月7日、星﨑尚彦が代表取締役社長を辞任し、社外取締役の松本大輔が後任となった[24]東京証券取引所は2023年8月31日、内部管理体制の改善が必要として、ビジョナリーホールディングスを特設注意市場銘柄に指定した[25]

2023年10月6日、ビジョナリーホールディングスは投資ファンド日本企業成長投資」傘下のHorusが株式公開買付け(TOB)を行う事を発表した[26]。2023年11月22日にHorusによるTOBが成立[27]。ビジョナリーホールディングスは同年11月29日付でHorusの子会社となり、2024年1月29日に株式併合により上場廃止になった[1][28]。筆頭株主であるエムスリーもHorusに出資する他、ビジョナリーホールディングスはHorusを通じてエムスリーの持分法適用会社となる予定である[29]

店舗展開 編集

2022年7月現在、秋田県、栃木県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、徳島県、高知県、大分県にはビジョナリーホールディングス傘下の店舗がない。

栃木県、大分県はかつて出店していたが撤退している。富山県はVHリテールサービスの1ブランドであるメガネハウスのみ出店し、滋賀県も同社の1ブランドであるメガネのオオツカのみ出店している。香川県は一時撤退後、2015年10月に再出店しており、三重県、京都府はコンタクトレンズ専門店のメガネスーパーコンタクトのみ出店している[注 3]

CM 編集

提供番組 編集

現在
過去

など

基本的にはスポットCM中心。

スポーツ事業 編集

  • かつてはプロレス界に対し、深い関わりをもっていた時期がある。1990年に自らプロレス団体SWSを主宰していたほか、第2次UWF藤原組のスポンサーでもあった。
  • 創業者は、SWSを「金権プロレス」と批判した元週刊プロレス編集長・山本隆司(ターザン山本)に対し、バッシングを行わないことと引き替えに「税金のかからない形」で、月50万円を一年間に渡り支払っていた。
  • 女子プロレス団体LLPWの設立にスポンサーとして関わっていたが、田中社長(当時)の妻の反対により、旗揚げ前に撤退している[30]
  • その後長らく格闘技とは関わりを断っていたが、2015年天龍源一郎引退興行でリングスポンサーに広告を出している。
  • また、創業者夫妻は競走馬馬主としても知られている。代表的な所有馬に2012年エリザベス女王杯GI)で優勝したレインボーダリアがいる。他の著名な所有馬には1994年きさらぎ賞GIII)で優勝したサムソンビッグがいる。しかし同馬はその後皐月賞17着・東京優駿(日本ダービー)18着・菊花賞15着と振るわず、「準・裏三冠馬」という不名誉な通り名で呼ばれることもあったが、実は1994年の牡馬三冠に全て出走したのは三冠馬ナリタブライアンを除けばこの馬だけである。
  • 現在はプロ野球の横浜ベイスターズ[要出典][注 4]、レーサー・長島正興に協賛している。
  • かつて、バイクレーサーの阿部典史のスポンサーをしていた。現在もTEAM NORICK JRのスポンサーをしている。
  • 2006年から2016年まで、箱根駅伝の小田原中継所(往路)が当時の本社前に移転し行われていた。

不祥事 編集

2018年1月以降に、東京都新宿区杉並区北区に所在する3店舗において、生活保護受給者に対し現物支給される眼鏡代を、店舗が所在する各区に請求する際、実際の販売価格を上回る金額を請求していたことが、一部新聞の報道により判明。メガネスーパーを運営するビジョナリーホールディングスは、差額分を該当の区に返金することにしており、運営する300店舗でも、同様なことが行われていないか聴き取り調査を実施する予定である[31][32]。また、これを受けて同社は、全店舗において福祉販売全般を中止することを決めた[33]

脚注 編集

編集

  1. ^ 創業当時は合併以前で大宮市であった。
  2. ^ 会社としてはニュー湘南眼鏡の創業を会社の創業年度としている。
  3. ^ 三重県に1店舗、京都府に2店舗の出店である。
  4. ^ 当該法人は、横浜スタジアムへ広告を掲出し、年間席を購入しているが、横浜ベイスターズへのスポンサードは行っていない。横浜ベイスターズのスポンサーとしては、株主構成4社(TBSホールディングスフジテレビジョンBS-TBSアール・エフ・ラジオ日本)、ベイスターズ横浜会のほか、ユニホーム・スポンサーとして2008年度はノジマリストマイナビの3社が挙げられる。

出典 編集

  1. ^ a b 株式の併合並びに単元株式数の定めの廃止及び定款の一部変更に関する臨時株主総会開催のお知らせビジョナリーホールディングス 2023年12月12日
  2. ^ a b c d e f g h i j k l 2023年4月期有価証券報告書ビジョナリーホールディングス
  3. ^ 連結子会社の減資に関するお知らせビジョナリーホールディングス 2017年12月11日
  4. ^ a b 株式会社ビジョナリーホールディングス11月1日設立 ~同業との提携・買収による事業規模拡大とウェアラブル端末事業の推進による持続的な成長と収益力の増強へ~ビジョナリーホールディングス 2017年11月1日
  5. ^ メガネスーパー:初値は2200円と公募比76%高-ジャスダック上場(2004年3月24日) ブルームバーグ
  6. ^ a b c d 大宮知信「復活する会社5 メガネスーパー 安売りやめ『目の健康』に焦点当てる」『エコノミスト』2019年5月28日号、pp.36-37
  7. ^ 旧法人ハッチにて運営。2008年8月1日付で100%子会社株式会社ハッチを吸収合併した(100%子会社との吸収合併に関するお知らせ (PDF) )。
  8. ^ 大証、メガネスーパーを「債務超過」の猶予期間入り銘柄に指定(Business newsline, 2011年7月27日)
  9. ^ 上場廃止に係る猶予期間入り -(株)メガネスーパー-(東京証券取引所、2013年7月31日)
  10. ^ a b 「ビジネスなるほどゼミ第69回 9年ぶり黒字、業績急回復のメガネチェーン メガネスーパー」『日経トレンディ』2018年1月号、pp.164-165
  11. ^ 資本金及び準備金の額の減少並びに剰余金の処分に関するお知らせ(2014年6月24日)
  12. ^ “上場廃止に係る猶予期間入り -(株)メガネスーパー-”. 株式会社東京証券取引所 上場部 上場手続グループ. (2015年7月23日). http://www.jpx.co.jp/news/1021/20150723-01.html 2015年7月24日閲覧。 
  13. ^ “東証、メガネスーパの上場廃止の猶予期間入りを発表”. 日本経済新聞. (2015年7月23日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL23HJM_T20C15A7000000/ 2015年7月24日閲覧。 
  14. ^ “メガネスーパー、上場廃止の危機 債務超過転落、市場を欺き続けた4年の代償”. ビジネスジャーナル. (2015年7月21日). http://biz-journal.jp/2015/07/post_10800.html 2015年7月24日閲覧。 
  15. ^ (経過報告)当社子会社(㈱関西アイケアプラットフォーム)による事業譲受に関するお知らせ メガネスーパー 2017年8月3日
  16. ^ 倒産・動向速報記事 株式会社ファイブ・ミッションズ(旧商号:シミズメガネ)帝国データバンク 2017年12月13日
  17. ^ 商議所事務所 新会館に移転タウンニュース 2021年2月6日
  18. ^ エムスリー株式会社との資本業務提携及び第三者割当による新株式の発行、その他の関係会社及び主要株主である筆頭株主の異動(予定)並びに資本金及び資本準備金の減少に関するお知らせ ビジョナリーホールディングス 2019年12月13日
  19. ^ 株式会社ビジョナリーホールディングスと資本提携 ~ 7P プロジェクトとして、眼科を中心とした疾患課題の解決を目指す~エムスリー 2019年12月13日
  20. ^ (開示事項の経過・変更)第三者割当による新株式発行の払込完了および一部失権に関するお知らせビジョナリーホールディングス 2020年2月18日
  21. ^ (開示事項の経過)連結子会社の増減資並びにグループ再編後の当社子会社の商号変更に関するお知らせビジョナリーホールディングス 2020年10月30日
  22. ^ 連結子会社の増減資並びにグループ再編(連結子会社の株式譲渡及び吸収合併)に関するお知らせ ビジョナリーホールディングス 2020年9月24日
  23. ^ グループ再編(連結子会社間での吸収合併)に関するお知らせビジョナリーホールディングス 2022年3月17日
  24. ^ ビジョナH:星﨑社長が辞任、企業価値毀損する行為の疑い-決算延期(Bloomberg)”. Yahoo!ニュース. 2023年3月8日閲覧。
  25. ^ 監理銘柄(確認中)の指定解除及び特設注意市場銘柄の指定について:(株)ビジョナリーホールディングス東京証券取引所 2023年8月30日
  26. ^ Horus株式会社による株式会社ビジョナリーホールディングス(証券コード:9263)の株券等に対する公開買付けの開始に関するお知らせビジョナリーホールディングス、Horus 2023年10月6日
  27. ^ Horus 株式会社による当社株式に対する公開買付けの結果並びに親会社、その他の関係会社、主要株主である筆頭株主及び主要株主の異動に関するお知らせビジョナリーホールディングス 2023年11月22日
  28. ^ 藤田知也 (2023年10月6日). “メガネスーパーが上場廃止へ 投資ファンドがTOBで完全子会社化”. 朝日新聞. 2023年10月7日閲覧。
  29. ^ ビジョナリーホールディングスの株式に対する公開買付けへの応募及び今後の同社との資本提携に関するお知らせ エムスリー 2023年10月6日
  30. ^ ③【アメリカでの生活】1カ月で15キロ太ったアメリカ生活 - YouTube
  31. ^ メガネスーパー、生活保護受給者の代金を上限近くに水増し…300店舗で聞き取り調査 読売新聞 2023年5月25日
  32. ^ 福祉販売における眼鏡の過⼤請求に関する報道に関して ビジョナリーホールディングスニュースリリース 2023年5月25日
  33. ^ 福祉販売における眼鏡代金の医療扶助申請に係る過大請求等の調査状況、及び、当社グループ全店舗における福祉販売全般の当面の取り扱いの中止について ビジョナリーホールディングスニュースリリース 2023年6月2日

関連項目 編集

類似形態の眼鏡量販店 編集

外部リンク 編集