Wikipedia:ウィキペディアにふさわしいストーリー紹介の文体

ここでは、小説・映画・コミック・テレビドラマなどの作品に関する記事中でそのストーリー(あらすじ)を記述する際に留意すべき点について、特に文体や表現などの技術的な面を中心に論じます。ストーリー紹介に関する一般的な注意事項については、Wikipedia:ストーリー紹介の在り方についての解説素案で論じていますので合わせて参照してください。

一般的注意編集

一般的な注意として、曖昧であったり感情的、または大仰な表現による記述は避けることが求められます。

感情をあおるような表現や、読者が想像を広げてしまうような記述は、百科辞典であるウィキペディアにふさわしくありません。特に、対象作品の「感情に訴える」場面を再現しようという誘惑にかられることがありますが、絶対にそんなことをしてはいけません。

  • 百科事典の記述としては「……する。……した。……だった」の連続で、淡々と書かれていれば十分でしょう。
  • 多少硬くても抑えた筆致で書くほうが、百科事典的な記述としては好ましいと言えます。
  • 表現や描写に凝った修飾的な表現を用いることは極力避けるべきです。

具体的な提案編集

商業的、あるいはファンサイト的立場から書かれたストーリー紹介はあまりに私たちの身近に在りすぎるため、ウィキペディアとの質の違いはわかっているつもりでも、いざ執筆の実践となると「ストーリー紹介とはこういうもの」という思い込みから完全に自由であることは難しいかもしれません。以下では、具体的にどのようなものがウィキペディアにふさわしいストーリー紹介となるのか、よくある問題を含んだ記述の実例を示しますので理解の助けとしてください。

次の2つの文例を見比べてみてください。

  1. 桃太郎は、赤ん坊の時に大きな桃の中から老夫婦によって発見され、大切に育てられる。成長した桃太郎は、人々に害をなす鬼を退治すべく鬼が島へと旅立つ。旅の途中で家来とした猿・犬・雉とともに鬼退治を成し遂げ故郷に凱旋する。
  2. ある日おばあさんが発見した桃の中から現れたのは、なんと、元気な男の子の赤ん坊だった! 驚いたおばあさんだったが、おじいさんとともに自分の子供のように大切に育てるのだった。成長した桃太郎は、人々に害をなす鬼の退治を決意。おばあさんが用意してくれた黍団子を手に、鬼が島へと旅立つ桃太郎……。旅の途中で出会った猿・犬・雉に黍団子を与え家来とし、ともに鬼が島に乗り込むのだった。はたして彼らは鬼を退治できるのか?

第一の文例は無味乾燥で面白みがなく、物足りなく感じる人も多いでしょう。作中に描写されながらここに書かれていないことも数多くあります。それでも最低限必要なことは記述され、桃太郎がざっとどのような物語なのかはわかるように書いてあります。一方、第二の文例はどうでしょうか。余計な修飾や不要な描写によって冗長で大げさな文章になっているのがお分かりでしょう。その上、結末がぼかしてあり、肝心のところでこの物語の方向性が分かりません。

このようにお馴染みの物語の例で考えてみると、第二の文例に見られるスタイルはいかにも百科事典のイメージから逸脱していることが実感できるのではないでしょうか。

注意を要する用字・語法の具体例編集

以下に挙げる例がいつでも絶対に排除されるべき表現というわけではありません。しかし、執筆中にこういう書き方をしたいという誘惑にかられたら、ぜひ上記の注意事項を思い出してください。多くの場合、より適切な文章の書き方が他にあるはずです。

感嘆符、疑問符などの約物

感嘆符や疑問符を用いると、感情的な表現になります。ウィキペディアにおけるストーリー紹介では、それが必要であったり使用が妥当である場面はあまりないはずです。

3点リーダー
文末を3点リーダー(…)や2倍2点リーダー(……)で終えることは含みを持たせた表現ではありますが、同時に「言葉を濁す」ことにつながり、明瞭性を重視するウィキペディアにはなじみません。3点リーダーは引用・引用の部分省略・数式・ワイルドカード(上の一般的注意で使っているのがそれです)としての使用に限るべきであり、あらすじ紹介で必要とする場面は少ないはずです。
体言止め
「ウィキペディアは百科辞典です」と書くような場面で、特に理由も無く、または単に強調したい意図から「ウィキペディアは百科辞典」というように体言止めによる表現を用いると、その文の主語に当たるものが何をしたのか、ストーリーの中でどういう重要性を持つのか不明確になってしまいます。時制も不明確になります。多くの場合、「……である」・「……であった」のような表現を採用した方が、趣旨がより明確に伝わるはずです。新聞記事でも多用される表現法ですが、それは限られたスペースに情報を詰め込まなければならないという事情があってのことで、必ずしもウィキペディアが手本にすべき対象とは言えません。

関連項目編集