Wikipedia:百科事典向け写真撮影のガイド/露出

露出とは何か編集

写真には、露出というものが関係してきます。写真は、フィルムや撮像素子に光をあてて撮影します。写真における「露出」は、絞りとシャッタースピードで決めるもので、その光の量を適切な量に調整することを意味します。

適正な露出であることが、もちろん望ましいのですが、なかなかそうはうまくまいりません。光が足らないことをアンダーといい、その場合には黒っぽい写真になります。光が多すぎることをオーバーといい、その場合には白っぽい写真になります(ただし、プリントにする場合には、プリントする段階で補正がなされますので、必ずしもアンダーが黒っぽく、オーバーが白っぽくなるわけではありません。しばしば、アンダーの写真をプリントすると、白っぽくぼやけた写真になります)。

露出ミスをやらないための対策編集

それぞれのカメラの癖もあり、似たような構図・条件のとき、同じようにアンダーになったりオーバーになったりします。写真を撮ったら、撮りっぱなしにするのではなくその写真をチェックするという習慣をつければ、そのうちにどういう状況でアンダーになり、どういう状況でオーバーになり、どんなときに不確かな判断をするかがわかるようになります。ここまでが第一段階。

それがわかるようになったら、撮影する時に、露出補正をします。アンダーになりそうならばプラス補正を、オーバーになりそうだったらマイナス補正を、すればいいわけです。また、不安定な場合には「露出を変えて何枚か撮影しておく」という手もあります。また、撮影したらその場でチェックをして、思ったとおりに撮れていなかったら露出を変更して撮りなおすというのもいい方法です。

なお、露出が正しくなくても、多少のオーバー・アンダーであるのなら、救うことが不可能なわけではありません。適正な露出で写真を撮るための方法については「段階露出での撮影」を、露出ミスのある写真の生かし方については「修正・露出補正」を、あわせてご覧下さい。

露出ミスの実例編集

実際にどういう写真がアンダーでありオーバーであるのか。なぜそういうことが起きるのか。それを簡単に、実例をまじえてご紹介しましょう。

露出アンダーの例編集

露出アンダーは、構図の中の明るいところにカメラが着目して露出を決めてしまった場合に起こります。明るいものが被写体であると判断したために、あまり露出を多くすると明るいところが飛んでしまうと判断し、少なめに光を取り入れようとします。その結果、光が足らなくなり、アンダーになってしまうのです。

明暗差が大きく、カメラが明るいところを重視して「少ない露出でいける」と判断してしまったため、全体にアンダーになり、日影になっている部分が真っ黒につぶれてしまいました。もっともこの場合は、いずれにしても明暗差が大きいため、暗いところを救おうとして露出を多くすれば(露出を上げれば、などと言います)、屋根や空が白く飛んでしまうかもしれません。
空が明るいため、カメラが「少ない露出でいける」と判断してしまったため、ビルの部分が暗くなってしまいました。空が大きくはいる構図の場合、しばしば「本来撮影したかったはずのもの」がアンダーになるという現象を引き起こします。
同じく、空が明るいため、カメラが「少ない露出でいける」と判断してしまった事例です。この場合は夕方であり地面はかなり暗くなっていたこと、構図の中に占める空の面積が大きいこと、などの複合的原因によるものです。
すでにかなり暗くなっており、手持ちで撮影するとなると手ブレの危険性が高くこれ以上はシャッタースピードを遅くできなかったという事情が関係しています。手ブレの危険をおかすか、アンダーの危険をおかすか、二つに一つという状況でした。なお、このときは三脚を持っており、「だめだ」という判断のもとに三脚を使っての撮影に切り替えました。
これは次の写真とセットです。
カメラのズームレンズは、たいていの場合、望遠にすると暗くなります。そのため、暗いときにズームを望遠にすると、手ブレの危険かアンダーの危険かのどちらかを選ばなければならなくなります。相手が動物の場合は、三脚を使っても被写体ブレは避けられませんから、この場合はアンダーを覚悟するという以外には選択肢がありませんでした。
同じ場所で、広角で撮影したものです。広角にするとレンズが明るくなるため、アンダーを避けることができました。そのかわり、被写体は小さくなってしまいました。
このように、いろいろな要素が複雑にからみあってくるのが「写真」というものです。ややこしくはありますが、その中からベストの組み合わせを探すというのは、ゲームのようで面白いものでもあります。

露出オーバーの例編集

露出オーバーは、アンダーとは逆に、構図の中の暗いところにカメラが着目して露出を決めてしまった場合に起こります。暗いものが被写体であると判断したために、多めに光を取り入れようとします。その結果、光がはいりすぎてオーバーになってしまうのです。

これは、中央の木の日影になっている部分を重点的にカメラが露出を決めたために起きた露出オーバーです(細かく言うと、スポット測光というモードにしていました)。撮影後のチェックでオーバーであることが判明したため、測光モードを変更して撮りなおし、OKカットを得ました。
これは、トンネルの中から外を向いて撮影した際に、トンネル外の部分が露出オーバーになったものです。非常に明暗差が大きいため、面積が比較的大きいところにカメラが露出をあわせた結果、小さな面積の外光部が犠牲となってしまいました。このケースでは「段階露出」をしていますので他に大丈夫なカットは得られていますが、この作例カットは白く飛んだ部分には全く信号がなく、救いようがありませんでした。
これは、カメラが建物の暗い部分に着目して露出を決めたことによる露出オーバーです。
これは、手前の面が日影であったため、日影部分がつぶれるのを避けようとして露出補正をかけすぎた結果による露出オーバーです。
これは、一枚だけで見ると、まあ許容範囲内かもしれませんが、全体に明るすぎます(「露出補正のページ」ではこの写真も補正して見せています。あわせてご覧ください)。