WinShareは、日本電気(NEC)が1997年から販売しているリモート操作ソフトウェア。ネットワークに接続されたPCサーバといった機器のリモート操作を実現する。

概要 編集

操作する側の機器(オペレーションPC)にWinShare オペレーション、操作される側の機器(リモートPC)にWinShare リモートをそれぞれインストールすることで、オペレーションPCからリモートPCを簡単にリモート操作できるようになる。

対応しているオペレーティングシステムMicrosoft Windowsであり、リモートPCはWindows Embeddedにも対応している。基本的な機能はVNCSymantec pcAnywhereと同等であるが、以下に挙げる様な特徴を持つ。

リモート操作 編集

オペレーションPCのマウスやキーボードを用いて、リモートPCを自在にリモート操作できる。Ctrl-Alt-Delコマンドの送信やIMEの切り替え等も行える。なお、リモート操作中の画面はオペレーションPCとリモートPCの双方に表示される。

ファイル転送 編集

Windows ExplorerライクのGUIで、オペレーションPCからリモートPCに対するファイルの送受信を行うことができる。どのようなファイルを送受信したかといった履歴はログとして保存することも可能。

電源制御 編集

Intel Active Management Technology(Intel AMT)、もしくはWake-on-LANによるリモートPCの電源制御(電源ONやリセット等)が可能。

NAVIPAD(透明ボード機能) 編集

リモート操作中の画面上にフリーハンドで絵や文字を描くことが可能。描かれた絵や文字はオペレーションPCとリモートPCの双方に表示される。

セキュリティ対策 編集

リモート操作開始時のユーザ認証/アクセスホスト制御や、リモート操作内容のログ出力等が可能。また、リモートPCが出力するログは暗号化して保存したり、事前に指定した任意のファイルサーバに集約保存したりすることもできる。オペレーションPCとリモートPCがともにVer6.1以降の場合、全ての通信内容は鍵長256ビットのAESによって暗号化される。

中継サーバ経由の接続 編集

中継サーバを設置することで、オペレーションPCからリモートPCに直接接続できないネットワーク構成の場合でもリモート操作が可能。ただし、中継サーバは自前で準備が必要。

招待機能 編集

リモートPCの端末利用者がヘルプデスク(オペレーションPC)からのサポートを欲したときに、招待ファイルを発行しオペレーションPCの利用者に送付することで、簡単に一時接続によるサポートを受けることが可能。

英語OS対応 編集

英語版のMicrosoft Windowsでの利用が可能。

経歴 編集

WinShareのリリース経歴
バージョン リリース日 主な強化内容
Ver2.0 1997/06/09
Ver2.1 1998/09/09 操作レスポンス向上、バージョンアップインストール対応
Ver3.0 2000/07/03 Windows XP対応、ファイル転送
Ver4.0 2003/01/06 ユーザ毎のセキュリティ設定
Ver5.0 2006/04/06 リモート デスクトップ接続との併用対応、Windows XPの簡易ユーザ切り替え機能
Ver5.1 2008/01/08 Windows Vista対応、Windows Server 2003 x64版での制限事項解除
Windows Server 2008対応、インストール方式変更
Ver5.2 2010/04/26 Windows 7、Windows Server 2008 R2対応
Ver5.3 2012/07/02 サイレントインストール対応
通信暗号化対応
英語OS対応
Windows 8、Windows Server 2012対応
Ver6.0 2014/06/02 リモート電源制御
4Kディスプレイ対応
Ver6.1 2016/02/01 利用ポート数削減(ポート一本化)
ログ暗号化/集約保存対応
NAVIPADテキスト入力対応
Windows 10対応
Ver6.2 2017/04/03 マルチディスプレイ対応
リモート操作録画対応
ログファイル形式変更
割り込み接続許可/拒否設定対応
Windows Server 2016対応
Ver7.0 2018/04/09 中継サーバ経由のリモート接続に対応

コンソール接続に対応

リモート接続可能な時間帯の設定に対応

構築自動化(Ansible)に対応

プロキシサーバ経由の接続に対応

召喚機能に対応

アイコンによる接続状態通知に対応

Ver7.1 2019/04/10 Windowsユーザ認証に対応

中継サーバ経由接続の諸元拡大

クリップボードデータの自動共有化

Windows Server 2019対応

関連項目 編集

外部リンク 編集