キャロブ (carob) は、マメ科の植物であるイナゴマメ(locust bean)、またはその果肉を乾燥させ粉末状にした食品。本項では主に食品としてのキャロブ(キャロブパウダー)について記述する。

キャロブの木
Ceratonia siliqua
キャロブで作ったスイーツ。チョコレートに似ている

概要 編集

キャロブは主に地中海付近で栽培されるマメ科の植物で、カルシウム鉄分食物繊維等を豊富に含むため、日本では主に健康食品として用いられる。特に、キャロブの鞘から抽出されるピニトールには、血糖値改善作用や肝機能の改善効果が認められる。キャロブパウダーは莢の中の黒い果肉部分を粉末状にしたもので、現地ではコーヒーココアの代用品として用いられている(カフェインは含まれていないが、鉄分の風味が幾分強め)。

果肉自体に甘みがついているため、キャロブを使ったチョコレートのような菓子も作られている。風味もチョコレートによく似ており、チョコレートアレルギーを起こす子供やペットでも安心して食べられる。ただしキャロブ自体にアレルギー反応を起こす人もいるため注意が必要。清涼飲料コンポートリキュールの材料にもなっている。

種子からは増粘多糖類ローカストビーンガム英語版が得られ、増粘剤ゲル化剤などの食品添加物として用いられる。

種子は大きさや重さがほぼ均一であったことから、ギリシャ語名が宝石の重さやの純度を示す単位カラット」の語源ともなった。

関連項目 編集