ダイズサポニン(大豆サポニン)は、オレアナンアグリコンに1ないし2つの糖鎖を保持するトリテルペン配糖体トリテルペノイドサポニン)である。

概要 編集

ソヤサポゲノールAをアグリコンとするサポニンAグループとソヤサポゲノールBをアグリコンとするサポニンBグループに大別される。大豆サポニンAグループは胚軸に多く含まれ、大豆サポニンBグループは子葉中に多く含まれる。大豆種子全体では、子葉の比率が高いため、大豆食品に含まれる主なサポニンは大豆サポニンBグループである。大豆の苦味成分であるほか、抗酸化などの生理機能があるとされる[1]

雄の2型糖尿病マウスに大豆サポニンAグループと大豆サポニンBグループを別々に投与したところ大豆サポニンBグループに血糖値上昇抑制作用は認められたが大豆サポニンAグループにはその作用は認められなかった[2]

乳化剤 編集

大豆サポニンは、食品添加物として認可されており、天然の乳化剤として利用可能である。乳化力は、サポニンAグループの方が高いが、苦味が強い欠点がある[3]

脚注 編集

  1. ^ 塚本知玄・吉城由美子 第5節サポニンの機能性、喜多村啓介編大豆のすべて、サイエンスフォーラム2010
  2. ^ ソヤサポニンBの血糖上昇抑制効果、田中 真実ほか、日本未病システム学会雑誌、Vol.12 (2006) No.1 P.1-8
  3. ^ Okubo, K.; Iijima, M.; Kobayashi, Y.; Yoshikoshi, M.; Uchida, T.; Kudou, S. (1992). “Components Responsible for the Undesirable Taste of Soybean Seeds”. Biosci. Biotechnol. Biochem. 56 (1): 99-103. doi:10.1271/bbb.56.99. 

関連項目 編集