この記事では、南極大陸の標準時(なんきょくたいりくのひょうじゅんじ)について述べる。

南極大陸の時間帯を、大まかに示した地図。各基地はこの地図と一致しない時間帯を使うこともある。
UTC+00:00
UTC+03:00
UTC+05:00
UTC+06:00
UTC+07:00
UTC+08:00
UTC+10:00
UTC+12:00
UTC+13:00
UTC−06:00
UTC−04:00
UTC−03:00

時間帯の選択 編集

南極大陸は、中心近辺に南極点があるため、全ての子午線が通っている。理論上、南極大陸は全ての時間帯に位置している。しかしながら、南極圏では、6月と12月の至点(冬至と夏至)の頃は極端な昼夜サイクルになるため、どの時間帯が適しているのか判断しにくくなる。実用的な用途のためには通常、時間帯は南極における領有権主張に基づく。しかしながら多くの基地では、基地の所有国の時間帯か、基地の補給基地がある国の時間帯を使っている。例えば、マクマード基地アムンゼン・スコット基地では、ニュージーランド時間を使っている。これは、どちらも補給基地がニュージーランドのクライストチャーチにあるためである[1]。所有する国の時間帯が違っていれば、近傍する基地同士であっても時間帯がちがうことがある。南極大陸の多くの地域には時間帯がない。これは、何も決定されていない上に、時計が置けるような一時的な施設すらないためである。これらの地域は単純に、協定世界時に分類されている[2]

TZ database 編集

tz databasezone.tab英語版には、以下の時間帯がある。*のついたカラムはzone.tab.のデータを含んでいる。tz databaseのスタッフは恒久的な居住可能施設だけを追究しており、いくつかの夏季限定の基地には違う時間帯がある可能性がある。

  国名コード* 座標* タイムゾーン名* 備考* 協定世界時との差 夏時間 含まれる地域
AQ -6448-06406 Antarctica/Palmer パーマー基地
アンヴァース島
UTC−04:00 パーマーランド
AQ -6734-06808 Antarctica/Rothera ロゼラ基地
アデレード島
UTC−03:00 グレアムランド
AQ -7200+00232 Antarctica/Troll トロル基地、ドロンニング・モード・ランド UTC+00:00 [3] ドロンニング・モード・ランド
AQ 690022+0393524 Antarctica/Syowa 昭和基地
東オングル島
UTC+03:00 ドロンニング・モード・ランドエンダービーランド
AQ -6736+06253 Antarctica/Mawson モーソン基地
Holme湾
UTC+05:00 マック・ロバートソン・ランド
AQ -7824+10654 Antarctica/Vostok ボストーク基地
ボストーク湖
UTC+06:00 ドロンニング・モード・ランド、南極大陸内陸部
AQ -6835+07758 Antarctica/Davis デービス基地
Vestfold Hills
UTC+07:00 ウィルクスランド
AQ -6617+11031 Antarctica/Casey ケーシー基地
Bailey Peninsula
UTC+11:00 ウィルクスランド
AQ -6640+14001 Antarctica/DumontDUrville デュモン・デュルヴィル基地、アデリーランド UTC+10:00 アデリーランドヴィクトリアランド
AQ -5430+15857 Antarctica/Macquarie マッコーリー島 UTC+11:00 マッコーリー島
AQ -7750+16636 Antarctica/McMurdo マクマード、南極点、スコット (ニュージーランド時間) UTC+12:00 ロス海属領
-9000+00000 Antarctica/South_Pole UTC+12:00 南極点

座標は緯度と経度である。2つまたは3つの数字が度を、2つが分を、2つが秒を表す。

 
 
Palmer (-4)
 
Rothera (-3)
 
Vostok (+6)
 
Syowa (+3)
 
Mawson (+5)
 
Davis (+7)
 
Casey (+11)
 
Dumont-d'Urville (+10)
 
Macquarie (+11)
 
McMurdo (+12)
 
South Pole (+12)
 
Troll (0)
それぞれの基地の位置

夏時間 編集

南極大陸の大部分において、夏時間は実施されていない。これは、大陸の95%が南極圏に含まれており、白夜もあるため、夏時間が不要なためである。また、それぞれの基地の本国が北半球にあると、通信がより面倒くさくなってしまうことも原因の一つである。

しかしながら、ロス海属領パーマーランドなど、いくつかの地域では、補給元のチリの標準時やニュージーランド時間の時間帯を使っており、夏時間も実施している[1]。北半球が冬の時に南半球は夏なので、これらの地域も夏時間になっているのである。

出典 編集

  1. ^ a b Local Time → Antarctica @ Time Genie”. Timegenie.com. 2013年7月24日閲覧。
  2. ^ Current local time in Antarctica – South Pole”. Timeanddate.com (2013年4月7日). 2013年7月24日閲覧。
  3. ^ Forskingsstasjonen Troll (Norwegian Polar Institute) (The Norwegian text under the webcamera says "The time zone where Troll is located, UTC+0, is 1 hours behind Norwegian time". Contacts with the Norwegian Polar Institute has revealed that they use UTC+2 when there is Norwegian DST, for communication simplicity, since no airplanes fly anyway then)

外部リンク 編集