南小島

尖閣諸島の魚釣島東方の島

南小島(みなみこじま)は、尖閣諸島無人島のひとつ。日本実効支配し、中華人民共和国及び中華民国も領有権を主張している。別称は鳥島[3]

南小島
外交紛争のある島
北小島(上)と南小島(下)
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
地理
所在地東シナ海
座標北緯25度43分23秒 東経123度32分47秒 / 北緯25.72306度 東経123.54639度 / 25.72306; 123.54639
所属群島尖閣諸島
面積0.324628[1] km2 (0.125340 sq mi)
海岸線長3.5km[2]
最高地
  • 149 m (489 ft)
実効支配
 日本
大字沖縄県石垣市登野城尖閣
領有権主張
 日本
大字沖縄県石垣市登野城尖閣
 中華民国
台湾省宜蘭県頭城鎮大渓里
 中華人民共和国
台湾省宜蘭県[注 1]
人口統計
人口0人(無人島) (2020年11月現在)
尖閣諸島の位置図(左上は拡大図)
1.魚釣島 2.大正島 3.久場島 4.北小島 5.南小島 6.沖の北岩 7.沖の南岩 8.飛瀬
左から魚釣島、北小島、南小島

概要

編集

尖閣諸島の主島である魚釣島の東南東方に位置する無人島。石垣島の北西約165キロメートル、西表島の北方約160キロメートルに位置する[1]。島は楕円形で2箇所の尖った岩場とその間の隆起サンゴの平地からなり[1]、「イソナの瀬戸」という水道を隔てて北小島と対を成している。面積は0.324628平方キロメートル(石垣市土地台帳の数値)[1]。最高標高は149メートル[4][注 2]

私有地であって、2002年から日本政府が年188万円で賃借していたが、2012年9月11日日本政府魚釣島北小島とともに3島を埼玉県に所在する地権者から20億5千万円で購入し、日本国への所有権移転登記を完了した[5][6]

日本の行政区分では沖縄県石垣市登野城尖閣2390番地にあたる[1][3]

上陸するためには日本政府の許可が必要である。日本領有し実効支配しているが、中華人民共和国及び中華民国も領有権を主張している。

島の南西部には、かつて鰹節工場や、海鳥の羽の加工場があったが、事業中止に伴って無人島となった。

絶滅危惧種であるアホウドリの繁殖地である[7]

歴史

編集
  • 1895年1月14日 - 日本領に編入される。
  • 1896年 - 古賀辰四郎が政府から魚釣島、久場島、北小島、南小島の30年間無償貸与を受ける(なお、無償貸与期間終了後も、有償で貸与が続けられた)。
  • 1932年7月15日 - 北小島、南小島が古賀善次(辰四郎の子)に有償で払い下げられる(同年、魚釣島、久場島も有償で払い下げられている)。
  • 1946年2月2日 - 北緯30度以南がアメリカ軍の軍政下に置かれる。
  • 1952年4月28日 - サンフランシスコ平和条約の発効により、琉球政府の施政下に入る。
  • 1968年 - 台湾人により南小島が不法占拠される(南小島不法占拠事件)。
  • 1970年7月 - 琉球政府が尖閣諸島の魚釣島、久場島、大正島、北小島、南小島に不法入域防止のための警告板を設置した[8]
  • 1972年5月15日 - 本土復帰
  • 2010年12月10日 - 石垣市の市議会議員2名が日本政府の許可を得ず南小島に上陸した[9]
  • 2012年9月11日 - 日本政府は南小島、魚釣島北小島の3島を埼玉県に所在する地権者から20億5千万円で購入し、日本国への所有権移転登記を完了した[5][6]

脚注

編集

注釈

編集
  1. ^ ただし中華人民共和国の主張としては、当該地域は中華民国(中華人民共和国に属する台湾省)が実効支配している地域であり、行政権は中華人民共和国の直轄ではなく、中華人民共和国に属する「台湾省」に存在するとしている。詳しくは台湾省 (中華人民共和国)を参照。
  2. ^ 石垣市の資料では139メートル[1]

出典

編集
  1. ^ a b c d e f 石垣市の宝 尖閣諸島』(PDF)石垣市、2015年3月1日https://www.city.ishigaki.okinawa.jp/material/files/group/9/senkaku_j.pdf 
  2. ^ “尖閣諸島 緊張の海”. 時事ドットコム. (no date). オリジナルの2013年12月2日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20131202231403/http://www.jiji.com/jc/v?p=senkaku0003 
  3. ^ a b 角川地名大百科辞典編纂委員会『角川地名大辞典47沖縄県』、角川書店、1986年、663頁
  4. ^ 海上自衛隊 第5航空群 ガス田群尖閣諸島 (PDF)
  5. ^ a b “尖閣諸島、11日に国有化…当面現状のまま維持”. 読売新聞 13S版2面. (2012年9月11日). オリジナルの2012年9月10日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120910201202/https://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120910-OYT1T01364.htm 
  6. ^ a b “尖閣登記11日に完了”. 読売新聞 13版4面. (2012年9月13日) 
  7. ^ “アホウドリ繁殖を確認/尖閣諸島北小島にも分布”. 琉球新報. (2002年1月8日). オリジナルの2016年3月24日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160324064335/https://ryukyushimpo.jp/news/prentry-103214.html 
  8. ^ “尖閣諸島「警告板の設置作業者を」 与那国の関係者探す”. 八重山毎日新聞. (2009年8月15日). https://www.y-mainichi.co.jp/news/14231/ 
  9. ^ “石垣市議2人が尖閣に上陸 市の行政区域調査と主張”. 八重山毎日新聞. (2010年12月10日). https://www.y-mainichi.co.jp/news/17337/ 

参考文献

編集
  • 日外アソシエーツ『島嶼大事典』、日外アソシエーツ、1991年
  • 『日本歴史地名体系(第48巻)沖縄県の地名』、平凡社、2002年

関連項目

編集

外部リンク

編集