かしゃもち[1]かしゃ餅[2]カシャ餅[3][4]鹿児島県奄美群島郷土料理よもぎ餅の一種である。ふちもちとも呼ばれる[2]

概要 編集

上餅粉ヨモギの葉を練り込んだ餅菓子である[2][5]。かしゃ(クマタケラン)の葉[1][2][3]や、月桃の葉[2][5]でくるむ。包んでいる葉を広げて食す[2]

「ふち」は奄美方言で「ヨモギ」の意である[2]

伝統行事の中のかしゃもち 編集

  • 奄美では家族の健康を願う伝統行事「浜下り」が旧暦3月3日に行われ、家族が集まり食事を行うが、その中でかしゃもちが食される[2]。かつては各家庭で作っていたが、家で作るところは少なくなっている[2]
  • 奄美大島大和村湯湾釜(ゆわんがま)集落で旧暦10月16日に行われる伝統行事「ムチモレ踊り」は防火と無病息災を祈願しながら、スカーフ風呂敷などで顔を隠して各家を回って踊るのだが、各家では祝いの金、食事、飲み物で客人をもてなす[3][4]。その際にかしゃもちも渡される[3][4]。かしゃもちは消火の際に使われた田んぼの泥を意味する[4]

出典 編集

  1. ^ a b かしゃもち 鹿児島県”. うちの郷土料理. 農林水産省. 2024年3月9日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i 創業60年の老舗『大城もちや』奄美大島の特産品"ふちもち"お土産にいかがでしょうか!”. 奄美せとうち観光協会 (2019年8月24日). 2024年3月9日閲覧。
  3. ^ a b c d 蔵満逸司「カシャ餅とイノシシ汁」『奄美食(うまいもの)紀行』南方新社、2005年、33-36頁。ISBN 978-4861240508 
  4. ^ a b c d ムチモレ踊り”. 大和村 (2023年1月5日). 2024年3月9日閲覧。
  5. ^ a b 「島ではおなじみ ローカルおやつ」『まっぷる奄美・屋久島種子島'25』昭文社、2024年、27頁。ISBN 978-4398297617