アンドレア・モーダ・S921

アンドレア・モーダ・S921 (Andrea Moda S921) は、シムテックが設計し、アンドレア・モーダ・フォーミュラ1992年F1世界選手権に投入したフォーミュラ1カー。ドライバーは経験豊富なブラジル人ドライバーのロベルト・モレノとイギリス人ドライバーのペリー・マッカーシーが起用された。

アンドレア・モーダ・S921
カテゴリー F1
コンストラクター アンドレア・モーダ・フォーミュラ
デザイナー ニック・ワース
マイケル・コスタ
先代 アンドレア・モーダ・C4B
主要諸元
シャシー カーボンファイバーモノコック
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン, プッシュロッド
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン, プッシュロッド
トレッド 前:1,810 in (4,597.4 cm)
後:1,670 in (4,241.8 cm)
ホイールベース 2,850 in (7,239.0 cm)
エンジン ジャッド GV 3,496 cc (213.3 cu in) V10 (72°) NA
トランスミッション ダラーラ 6速 MT
重量 505 kg (1,113.3 lb)
燃料 アジップ
タイヤ グッドイヤー
主要成績
チーム アンドレア・モーダ・フォーミュラ
ドライバー 34. ブラジルの旗 ロベルト・モレノ
35. イギリスの旗 ペリー・マッカーシー
初戦 1992年ブラジルグランプリ
出走優勝ポールFラップ
10 (1 Start)000
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概説 編集

S921は元々1990年にニック・ワースシムテック・リサーチBMWのF1参入計画のために設計したマシンであった。参戦に当たってデザインはアップデートされた[1]

S921はジャッドGV V型10気筒エンジンを搭載した。前年、同エンジンを搭載したスクーデリア・イタリアダラーラ・BMS191からエンジンと共にギヤボックス、サスペンションを流用し(シムテック#前身を参照)、リアセクションを構成している。

S921は車の性能を問う以前にチームの参戦態勢が整っていなかった。『F1 TV HANDBOOK´92 コンストラクターズ』(フジテレビ出版 1992年)では、「マシンはハイノーズ、ボルテックスなどのトレンドはおさえてある」「コローニ・C4よりは進化している」「短期間でこれだけのマシンを用意した事は評価していい」とする一方で、「スタッフが不足している。ドライバーのモレノまでもマシンを組む状況はあんまりだ」と評している。また、川井一仁も同書で、「F3000チーム以下のF1チーム」とコメントしている。チームの参戦態勢については、アンドレア・モーダ#余談も参照されたい。

決勝進出したのは1992年モナコグランプリのみであったが、予選26位、決勝では19位走行中の11周目にエンジントラブルでリタイアした。

チームオーナーのアンドレア・サセッティが通関書類を偽造していたとしてスパ・フランコルシャン逮捕され、チームは追放された。チームは次戦イタリアへの参加準備を行っていたが、パドックへの立ち入りを禁止された。

チームはポイントを獲得することができず、コンストラクターズ選手権での順位は付かなかった。

S921は2台が製作された。

F1における全成績 編集

(key) (太字ポールポジション

シャシー エンジン タイヤ ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 ポイント 順位
1992年 アンドレア・モーダ・フォーミュラ ジャッド GV V10 G RSA
 
MEX
 
BRA
 
ESP
 
SMR
 
MON
 
CAN
 
FRA
 
GBR
 
GER
 
HUN
 
BEL
 
ITA
 
POR
 
JPN
 
AUS
 
0 NC
  ロベルト・モレノ DNPQ DNPQ DNPQ Ret DNPQ DNA DNPQ DNPQ DNQ DNQ DNP
  ペリー・マッカーシー DNP DNPQ DNPQ DNPQ DNP DNA DNPQ EX DNPQ DNQ DNP

参照 編集

  1. ^ THE STORY OF THE BMW S192 AND THE BRAVO S931 UnracedF1 2015年12月7日

外部リンク 編集