オオフルマカモメ大管鼻鷗大管鼻鸌[1]、学名:Macronectes giganteus 英名:Southern Giant Petrel)は、ミズナギドリ目ミズナギドリ科フルマカモメ属に分類される鳥類である。カモメという名称を持つが、カモメの仲間ではない[2]。また、ミナミオオフルマカモメとも呼ばれる。[3]

オオフルマカモメ
オオフルマカモメ
オオフルマカモメとその雛
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: ミズナギドリ目 Procellariiformes
: ミズナギドリ科 Procellariidae
: フルマカモメ属 Fulmarus
: オオフルマカモメ M. giganteus
学名
Macronectes giganteus
Linnaeus1761
英名
Southern giant petrel
Macronectes giganteus map
分布域

分布 編集

南極大陸、亜南極、南米に分布する。渡り鳥である。

形態 編集

体長は86-99センチメートル。翼開長は2メートル[4]。体重は3.8-5.0キログラム。

管鼻が発達しており、海洋を放浪する近縁種の代表格である。[5]

頭部と頸が青白く、頸より下は暗褐色であり、胸側には黄褐色の斑模様がある。この個体はキタオオフルマカモメと混合されやすい。全体の15%の割合で全身が白色で黒い羽毛が点在している個体が生じる。

生態 編集

この種には限らないが、ミズナギドリ科の特徴として危険を感じると悪臭を放つ油を吐き出し反撃する習性を持つ。

食性 編集

コウテイペンギンオウサマペンギンキタイワトビペンギンの雛などの自分より小さい海鳥を攻撃し捕食する。[6]また、腐食性で海岸に打ち上げられたクジラやアザラシ、ペンギン類、ミズナギドリの死骸を食べる。

繁殖 編集

南極半島や大西洋や亜南極の島々、南インド洋にコロニーを形成して営巣する。巣は隆起海岸の砂礫域に石を積んだものを作る。古い巣は毎年捨て、新しい巣を作り直している。[7]約55〜66日妊娠をする。毎年1つの卵を産む。卵は約2ヶ月で孵る。3〜4ヶ月間死肉を食べた親鳥が吐き戻し、雛に餌を与える。

人間との関係 編集

人間に対して敏感であり、近寄られると巣を放棄する。延縄漁業でよく混獲されている。

画像 編集

 
白色の個体



脚注 編集

  1. ^ 『日本大百科全書』小学館、1984年。 
  2. ^ いとう良一. “◆ 捕食者(ほしょくしゃ)たち ~ ペンギンの天敵(てんてき) ~ ◆”. 概説. ペンギンの達人. 2016年4月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月25日閲覧。
  3. ^ 環境省-第102南極特別保護地区管理計画 ホルム湾のルッカリー諸島のミナミオオフルマカモメの学名と環境省-第167南極特別保護地区管理計画 プリンセス・エリザベス・ランドのホーカー島のオオフルマカモメの学名が一致しているため
  4. ^ オオフルマカモメ - 南極キッズ”. 環境省. 2023年5月29日閲覧。
  5. ^ 『世界鳥類大図鑑』株式会社ネコ・パブリッシング、2009年1月15日、144頁。 
  6. ^ 『ペンギンの生物学』株式会社エヌ・ティー・エス、2020年2月20日。 
  7. ^ 第 102 南極特別保護地区管理計画 ホルム湾のルッカリー諸島”. 環境省. 2023年6月9日閲覧。

参考文献 編集

関連項目 編集