オランウータン科 (Pongidae) は、霊長目ヒト上科に属するのひとつでオランウータン属を含むもの。かつてはショウジョウ科(猩々科の意)とも呼ばれた。以下のような分類学上の立場の相違から「オランウータン科」の分類を認めるものと、「オランウータン科」を認めずに「オランウータン亜科」とする説がある。

オランウータン科
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 霊長目(サル目)Primates
亜目 : 真猿亜目 Haplorhini
下目 : 狭鼻下目 Catarrhini
上科 : ヒト上科 Hominoidae
: オランウータン科 Pongidae
学名
Pongidae
下位分類

本文参照

分類小史 編集

伝統的分類 編集

伝統的な分類では、ヒトと類人猿の違いを重視した。そのため、ヒト上科のヒト以外の類人猿を一つのタクソンとして、オランウータン科とした。

分岐分類的立場 編集

現在の遺伝的距離等の分子系統解析では、チンパンジー、ゴリラ、ヒトを合わせたものとオランウータンが姉妹群となる。この結果をとりいれた分類では、チンパンジーとゴリラは、ヒト科に含まれ、オランウータン科はオランウータンのみとなる。

分子的な証拠は、オランウータン科の系統が1300万年前[1]にヒト科と分かれたことを示している。

亜科として扱う 編集

英語版Wikipediaのように、ヒト科の範囲を広げオランウータンもヒト科に加える意見もある。この場合にはオランウータン科は認めず、オランウータン亜科となる。

脚注 編集

  1. ^ DNA人類進化学~3.ヒトがサルと分かれた日(遺伝学電子博物館) 宝来聰『DNA人類進化学』岩波科学ライブラリー52、1997年の図を解説。

関連項目 編集