オーラノフィン(Auranofin)とは世界保健機関により抗リウマチ薬に分類されている有機化合物である。商品名リドーラ

オーラノフィン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
投与経路 経口
識別
CAS番号
34031-32-8
ATCコード M01CB03 (WHO)
PubChem CID: 6333901
DrugBank APRD00808
KEGG D00237
化学的データ
化学式C20H35AuO9PS+
分子量679.493 g/mol
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効能・効果 編集

関節リウマチ(過去の治療において非ステロイド性抗炎症剤により充分な効果の得られなかったもの)

副作用 編集

重大な副作用とされているものは、間質性肺炎、再生不良性貧血、赤芽球癆、無顆粒球症、急性腎不全、ネフローゼ症候群 である[1][2]。(先発品では全て0.1%未満。後発品では全て頻度不明。)

開発中の項目 編集

HIV感染症
オーラノフィンは、抗レトロウイルス療法後に体性T細胞に潜伏残存しているHIVウイルスを減少させる効果が期待できる[3]
アメーバ症
オーラノフィンは、薬物スクリーニングにおいて、赤痢アメーバの治療薬として、メトロニダゾールよりも10倍強い効果が示された。チオレドキシン還元酵素アッセイの結果を解釈すると、オーラノフィンがマウスおよびハムスターモデルにおける活性酸素媒介殺作用への栄養体の感受性を増強することを示唆している。その結果、寄生体数の著しい低下、侵入に対する炎症反応の増強、肝臓への障害をもたらした[4][5][6]

販売中止 編集

先発品はグラクソ・スミスクライン社から販売されていたが、原薬製造工程での承認製造手順が順守されていないおそれがあることが判明し、製品の供給が滞り安定供給が困難であるとして、2015年6月、製造中止が案内された[7]。2016年6月現在、後発品のみが流通している。

関連項目 編集

出典 編集

  1. ^ リドーラ錠3mg 添付文書” (2013年9月). 2016年6月30日閲覧。
  2. ^ オーラノフィン錠3mg 添付文書” (2015年6月). 2016年6月30日閲覧。
  3. ^ Gold-based drug shows promise in clearing HIV reservoir in monkey study. Keith Alcorn. AIDSmaps.com. Accessed 23 April 2011.
  4. ^ Debnath, Anjan; Parsonage, Derek; Andrade, Rosa M; He, Chen; Cobo, Eduardo R; Hirata, Ken; Chen, Steven; García-Rivera, Guillermina et al. (2012). “A high-throughput drug screen for Entamoeba histolytica identifies a new lead and target”. Nature Medicine 18 (6): 956–60. doi:10.1038/nm.2758. PMC 3411919. PMID 22610278. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3411919/. 
  5. ^ Drug Found for Parasite That Is Major Cause of Death Worldwide
  6. ^ Arthritis Drug Effective Against Global Parasite, Study Suggests
  7. ^ グラクソ・スミスクライン (2015年6月). “RA(関節リウマチ)寛解導入剤「リドーラ錠3mg」(日本薬局方オーラノフィン錠)販売中止のご案内” (PDF). 日本リウマチ学会. 2016年6月30日閲覧。

外部リンク 編集