キタシロサイ

シロサイの亜種

キタシロサイ(北白犀、英表記:northern white rhinocerosまたは northern square-lipped rhinoceros、学名:Ceratotherium simum cottoni)は、シロサイ亜種である。

キタシロサイ
キタシロサイ
キタシロサイ (C. s. simum cottoni)
サンディエゴ動物園で飼育されていたキタシロサイの牡「アンガリフ」(2014年12月に死亡)
保全状況評価
CRITICALLY ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ウマ目 Perissodactyla
: サイ科 Rhinocerotidae
: シロサイ属 Ceratotherium
Gray, 1868
: シロサイ C. simum
亜種 : キタシロサイ C. simum. cottoni
学名
Ceratotherium simum cottoni (Lydekker, 1908)
和名
キタシロサイ
英名
Northern white rhinoceros
Northern square-lipped rhinoceros

元々はアフリカ大陸中央部に分布し、1960年代には約1200頭が棲息していた[1]。棲息地の環境破壊、を装飾品や漢方薬材料にするための[1]密猟が1970年代から酷くなって数を減らし、1990年代初頭には個体数が1000以下となる[2]。1990年代後半の内乱後、ほぼ姿を消し、2008年に野生絶滅となる[2]

2018年3月に最後のオス「スーダン」が死亡したが[3][4]精子は冷凍保存され残っている[4]。その死によって、生存するキタシロサイの個体はスーダン自身の娘と孫にあたる2頭のメスのみとなった[4][5][6]。2頭はケニアの施設で保護されているが、母親は高齢のため妊娠・出産の適齢期を過ぎている[1]

日本大阪大学大学院医学系研究科の研究者らによる国際チームは2022年、キタシロサイのiPS細胞から卵子や精子のもととなる始原生殖細胞様細胞(PGC様細胞)の作製に成功したと発表した[7]。研究チームは5年をメドに、これを卵子として育成して、凍結保存されている精子と体外受精させ、ミナミシロサイ代理母として出産させ、キタシロサイの完全絶滅の回避を目指す計画である[1]

脚注 編集

参考文献 編集

  • ティム・フラック 『ENDANGERED 絶滅の危機にさらされた生き物たち』青幻舎、2017年。ISBN 978-4-86152-640-4