ザナルカンドにて

ゲーム「ファイナルファンタジーX」の作中曲

ザナルカンドにて」は、スクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売のロールプレイングゲームファイナルファンタジーX』(以下『FF10』と表記)の楽曲である。植松伸夫作曲。

ザナルカンドにて
リリース
ジャンル ゲームミュージック
時間
レーベル デジキューブ
プロデュース 植松伸夫
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解説 編集

『FF10』のオープニングムービーを飾る曲であり、旅の終着点・ザナルカンドに到着した主人公一行が焚火を囲う場面で流れる。

元はフルート奏者・瀬尾和紀のために作曲した曲であったが、フルートのリサイタル曲としては「曲調が悲しすぎる」との理由で封印されていた。しかし、植松はサビへの盛り上がりが気に入っていたため、いつかどこかで使いたいと考えていたという。後日、『FF10』の制作期日が迫り、スタッフに曲の提出を求められた際にその曲を提出。鳥山求がオープニングの映像に合わせたところ、驚くほどはまり採用されることとなった[1][2][3]。この曲がオープニングの場面にはまったことで、スタッフ全員のモチベーションが大きく上がったという[1]

劇中ではエンディングテーマを含め、フレーズに組み込んだ曲がいくつもあり、「素敵だね」に並ぶもう一つの主題歌と言える[1]

ゲーム開発中は終盤まで植松本人が手弾きしたものが使われていたが、最終的にはピアニストの森陽子が演奏している[1][4][5]

評価 編集

2019年に放送されたNHKのファン参加型のランキング番組『発表!全ファイナルファンタジー大投票』の「あなたの好きな音楽」部門において1位を獲得した[6][7]

ゲーム好きのアナウンサーである宇内梨沙は「音楽がゲームのテーマを語る、そんな名曲」としてFFシリーズで最も好きな曲に挙げている[8]。また、ピアニストの清塚信也は「クラシックの名曲に肩を並べる、誰が弾いても泣かせられる曲」と絶賛ししているほか[9]、同じくピアニストの角野隼斗ゆゆうたも「思い入れのある曲」として演奏動画をYouTubeへ投稿している[10][11]

カバー等 編集

羽毛田丈史のアルバム『イマージュ アムール』に本人のアレンジ版が収録されている。また、平成29年度より教育芸術社の高等学校用教科書に採用されている[12][13]

出典 編集

  1. ^ a b c d 『ファイナルファンタジーX アルティマニアΩ』デジキューブ、2002年1月、482頁。
  2. ^ 阿部美香「特集ゲームオンガク INTERVIEW植松伸夫」『DTM magazine 2014年9月号』寺島情報企画、2014年、31頁。
  3. ^ FINAL FANTSYの楽曲で知られる世界をまたにかける作曲家『エンタメの今に切り込む新企画【ザ・プロデューサーズ】第十七回・植松伸夫氏』SPICE(2017年3月)
  4. ^ 『FINAL FANTASY X ORIGINAL SOUNDTRACK』ブックレット。
  5. ^ プロフィール森 陽子
  6. ^ 全ファイナルファンタジー大投票NHK
  7. ^ 「FF」人気楽曲1位はやはりあの名曲!「全ファイナルファンタジー大投票」、「あなたの好きな音楽」部門の最終結果発表GAME Watch 2020年2月29日
  8. ^ 「神ゲー」に「神曲」あり! 宇内アナを魅了するゲーム音楽とは毎日新聞 2022年8月7日
  9. ^ ピアニスト・清塚信也、FF音楽に興奮「クラシックの名曲に肩を並べる」スポーツニッポン 2022年4月14日
  10. ^ 【角野隼斗】が語る「ピアノ協奏曲」と「ゲーム音楽」への愛。『BBC Proms JAPAN』インタビューぴあWEB 2022年8月14日
  11. ^ 名作をピアノの旋律が彩る――『FF10』でピアノ系YouTuber・ゆゆうたが斬新すぎる実況スタイルを披露!INSIDE 2022年10月30日
  12. ^ 平成29年度 高等学校教科書 音楽Ⅰ - 教育芸術社
  13. ^ 令和4年度 高等学校用教科書 音楽1 MOUSA1 - 教育芸術社

関連項目 編集