シネミス・ガメラ (Sinemys gamera) は、白亜紀前期に生息していたカメの絶滅した。カメ目 - 潜頸亜目 - シネミス科 - シネミス属に属する[1]

シネミス・ガメラ
地質時代
白亜紀
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
: カメ目 Testudines
亜目 : 潜頸亜目 Cryptodira
下目 : 真潜頸下目 Eucryptodira
: シネミス科 Sinochelyidae
: シネミス属 Sinemys
: ガメラ S. gamera
学名
Sinemys gamera
[[:en:Georg Baur|Brinkman & Peng , 1993]]

発見 編集

中華人民共和国内モンゴル自治区において進化生物学者リー・ヴァン・ヴェーレンによって発見された。カナダの古生物学者、ドナルド・ブリンクマン (Donald Brinkman) [2]およびペン (Peng) によって1993年に命名されている。属名(Sinemys )はギリシャ語のsinai (中国)+emys (カメ)、種小名(gamera )は日本の怪獣映画に登場するカメ型の怪獣・ガメラに由来する[2]

特徴 編集

甲長約13 - 20センチメートル[3]。比較的小型のカメであり、乾燥帯から湿潤な河川流域であったと推測される地層(Luohandong Formation)から記載された[4][5]。首を完全に甲羅に隠すことができるようになった潜頸亜目のグループに属する。頭骨に鼻骨が残っているなど、祖先的な形態を残している[6]。外見的な特徴としては、腹甲が大きく退縮、背甲が独特の六角形になり、その左右に翼のような突起を持つことが挙げられる。この突起は先端に行くほど細くなり後退角が付いている[7]。発見された化石では幅は最大でおよそ24センチメートルであったという。この翼状の突起は、泳ぐために発達した甲羅の形状と推測されている。F-117B-2といったステルス機髣髴ほうふつさせる形状から、このカメは空を飛ぶカメの怪獣・ガメラにちなんだ学名を与えられ、「ステルス爆撃機ガメ」という愛称でも呼ばれている[8]

日本では食玩チョコラザウルスなど、幾つかのメーカーがフィギュア化している。しかし、このカメを正確に再現できているものは決して多くない[9]

脚注 編集

  1. ^ 平山廉 2006, p. 32.
  2. ^ a b 金子隆一 2007, p. 73.
  3. ^ 平山廉 2006, p. 114.
  4. ^ Tong, Haiyan; Brinkman, Donald (2012-11-22). “A new species of Sinemys (Testudines: Cryptodira: Sinemydidae) from the Early Cretaceous of Inner Mongolia, China”. Palaeobiodiversity and Palaeoenvironments 93 (3): 355–366. doi:10.1007/s12549-012-0110-8. ISSN 1867-1594. https://doi.org/10.1007/s12549-012-0110-8. 
  5. ^ Feng, Yangwei; Ren, Yan; Xia, Fei; Jiang, Ting; Lu, Fengxian; Guo, Jiazeng (2023-01-01). “Study on the Early Cretaceous fluvial-desert sedimentary paleogeography in the Northwest of Ordos Basin” (英語). Open Geosciences 15 (1). doi:10.1515/geo-2022-0469. ISSN 2391-5447. https://www.degruyter.com/document/doi/10.1515/geo-2022-0469/html?lang=en. 
  6. ^ 平山廉 2006, p. 113.
  7. ^ 金子隆一 2007, p. 175.
  8. ^ 金子隆一 1996, p. 224.
  9. ^ 金子隆一 2007, p. 176.

参考文献 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集