シレサウルスSilesaurus)は三畳紀後期、カルニアン(約2億3000万年前)に現在のポーランドに生息した恐竜型類の属の一つである。

シレサウルス
生息年代: 230 Ma
復元図
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜型下綱 Archosauromorpha
階級なし : 恐竜様類 Dinosauromorpha
階級なし : 恐竜型類 Dinosauriformes
: シレサウルス科 Silesauridae
: シレサウルス属 Silesaurus
学名
Silesaurus
Dzik2003

化石はポーランドのシレジアオポーレ近郊のクラシェロー英語版村にあるコイパー粘土層(Keuper Claystone)で発見され、属名はシレジアにちなんで命名されたものである[1]。タイプ種Silesaurus opolensis は2003年にJerzy Dzikにより記載された。20体ほどの骨格が発見されており、初期の恐竜およびその近縁種としては最もよく分かっているものの一つである。

特徴 編集

 
ポーランドで展示されるSilesaurus opolensisPolonosuchus silesiacusの模型

シレサウルスは体長約2.3 mで、二足歩行に適応しており、早く走れる軽量な体格をしていた。

草食動物であり、歯は小さく、円錐状で鋸歯があった。歯骨の先端部には歯がなく、くちばしで覆われていたと考える研究者もいる。近縁種にはクチバシを用いて甲虫を啄んだものもいたようだ[2]

系統 編集

 
人との大きさ比較
 
復元骨格

ほとんどの研究者はシレサウルスが恐竜ではなく恐竜型類であると考えている。シレサウルスには細長い三角-胸筋稜(上腕骨の筋肉付着突起)や頸椎の上突起英語版後関節突起英語版の上の腱の付着する拡張部)といった恐竜の特徴がみられない。

しかしながら、シレサウルスには以下のような恐竜の特徴もある。

結果として、シレサウルスを鳥盤類の基底部付近に配置する対立仮説もある。また、原竜脚類と鳥盤類を結びつける基底部分に配置する説もある[1]

以下は Nesbitt (2011)に従いシレサウルスの系統上の位置を示したものである[3]

鳥頸類 
 翼竜上目 

スクレロモクルス

翼竜類

 恐竜様類 
 ラゲルペトン科 

ラゲルペトン英語版

ドロモメロン英語版

 恐竜型類 

マラスクス

 シレサウルス科 

レウィスクス英語版/プセウドラゴスクス英語版

アジリサウルス

エウコエロフィシス

サキサウルス英語版

シレサウルス

 恐竜類 
 竜盤類 

獣脚類

竜脚形類

鳥盤類

出典 編集

  1. ^ a b Dzik, J. (2003). "A beaked herbivorous archosaur with dinosaur affinities from the early Late Triassic of Poland." Journal of Vertebrate Paleontology, 23(3): 556-574.
  2. ^ Who ate whom? Paleoecology revealed through synchrotron microtomography of coprolites (fossil feces)(Qvarnström:Martin:2020)
  3. ^ Nesbitt, 2011. The early evolution of archosaurs: Relationships and the origin of major clades. Bulletin of the American Museum of Natural History. 352, 292 pp.

外部リンク 編集