ツシマテン

哺乳類の亜種

ツシマテン(対馬貂、学名Martes melampus tsuensis)は、食肉目イタチ科テン属に属する哺乳類テン Martes melampus亜種であり、対馬のみに分布する。日本国指定の天然記念物である。

ツシマテン
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ネコ目(食肉目) Carnivora
: イタチ科 Mustelidae
亜科 : イタチ亜科 Mustelinae
: テン属 Martes
: テン M. melampus
亜種 : ツシマテン
M. m. tsuensis
学名
Martes melampus tsuensis
(Thomas, 1897)[1]
シノニム

Mustela melampus tsuensis[1]

和名
ツシマテン
英名
Tsushima marten

形態 編集

頭胴長が約45cm、尾長が約19cm、体重が1.1-1.5kgになる。体毛は季節変化をする。夏毛は背と体側が黒褐色で腹部は黄褐色になるが、冬毛は口元と鼻の黒色部分を残して頭部が灰白色になり、残りの体全体が黄褐色になる。

生態 編集

対馬全域に生息しており、主に森林で生活するが、集落周辺に出てきて飼育されているニワトリを捕食することもある。ネズミ類や鳥類、両生類や爬虫類などの小型脊椎動物、昆虫類、ムカデを始めとする土壌生物、ヤマグワやマタタビなどの果実など、多様なものを食べる。単独で生活し、平均70haほどの排他的な行動圏をもつ。交尾は夏に行われるが、受精卵の着床遅延があるので出産は翌年春になる。4-5月に2-4頭の仔を樹洞などで出産する。

保全状態評価 編集

集落周辺でも生活するため、交通事故による死亡の増大が懸念されている。

関連項目 編集

参考文献 編集

  • 花井正光 『日本の天然記念物』 講談社、1995年
  • 米田政明 阿部 永 監修 『改訂2版 日本の哺乳類』 東海大学出版会、2008年

外部リンク 編集