ノトサウルス (Nothosaurus) は中生代三畳紀に棲息していた海棲爬虫類絶滅した属名は「見せ掛けの爬虫類」の意。しばしば「偽竜」と邦訳される。

ノトサウルス
地質時代
三畳紀
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
上目 : 鰭竜類 Sauropterygia
: 偽竜目 Nothosauria
: ノトサウルス科 Nothosauridae
: ノトサウルス属
Nothosaurus
学名
Nothosaurus
Hunter, 1834
  • N. mirabilis模式種
  • N. winterswijkensis
  • N. giganteus
  • N. procerus
  • N. raabi

形態 編集

 
Nothosaurus 骨格。

全長は1 - 4メートル。頭骨は細長く、も伸長していた。口蓋には長く鋭い歯を多数持つ。鼻孔の位置は高く、眼窩の直前に存在する。首や胴体、尾は伸長し、柔軟であった。四肢にはまだ陸上生物のそれに近い形状の指が残されており、首長竜のような状にはなっていない。しかし指の間には水かきが形成された痕跡があった[1]。繁殖形態は不明であるが、肢帯の構造は上陸することは可能な形態であり、上陸して産卵していた可能性もある。骨組織を解析した結果、生まれた幼体は3年程で成体となり、寿命は6年程だったと推定されている[2]

生態 編集

浅い海に生息しており[1]、現在のアシカなどのように海中の魚を食べていたと考えられている。

ノトサウルス類は魚竜に押されて衰退したとされる。しかし、このグループの初期群から首長竜が分化したと考えられている[2]

脚注 編集

参考文献 編集

  • ティム・ヘインズ、ポール・チェンバーズ、群馬県立自然史博物館(監修)『よみがえる恐竜・古生物』椿正晴(訳)、ソフトバンククリエイティブ、2006年。ISBN 4-7973-3547-5 
  • ヘーゼル・リチャードソン、ディビッド・ノーマン(監修)『恐竜博物図鑑』出田興生(訳)、新樹社〈ネイチャー・ハンドブック〉、2005年。ISBN 4-7875-8534-7