バニア・キングVania King, 1989年2月3日 - )は、アメリカカリフォルニア州モントレーパーク出身の女子プロテニス選手。中国系の選手で、漢字名は 金 久慈 という。2010年ウィンブルドン全米オープンで、ヤロスラワ・シュウェドワと組んだダブルスで優勝した。WTAツアーでシングルス1勝、ダブルス15勝を挙げた。自己最高ランキングはシングルス50位、ダブルス3位。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。

バニア・キング
Vania King
バニア・キング
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 同・カリフォルニア州
モントレーパーク
生年月日 (1989-02-03) 1989年2月3日(35歳)
身長 165cm
体重 59kg
利き手
バックハンド 両手打ち
ツアー経歴
デビュー年 2006年
引退年 2020年
ツアー通算 16勝
シングルス 1勝
ダブルス 15勝
生涯通算成績 588勝451敗
シングルス 269勝250敗
ダブルス 319勝201敗
生涯獲得賞金 $4,547,269
4大大会最高成績・シングルス
全豪 3回戦(2012)
全仏 3回戦(2011)
全英 2回戦(2006・09)
全米 3回戦(2009・11)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪 ベスト8(2012・16・18)
全仏 ベスト4(2011)
全英 優勝(2010)
全米 優勝(2010)
優勝回数 2(英1・米1)
4大大会最高成績・混合ダブルス
全仏 準優勝(2009)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 50位(2006年11月6日)
ダブルス 3位(2011年6月6日)

来歴 編集

父親の手ほどきにより、4歳からテニスを始める。2005年全米オープンで、彼女はジュニア女子ダブルス部門でアレクサ・グラッチ(同じアメリカの選手)と組んで準優勝し、一般の部でも女子シングルスの予選3試合を勝ち抜いて、ナタリー・ドシーとの2回戦まで進出した。2006年から女子テニス国別対抗戦・フェドカップのアメリカ代表選手に選ばれる。2006年全米オープンでは、アンドレ・アガシマルコス・バグダティスによる男子シングルス2回戦の試合開始に先立ち、バニア・キングがアメリカの愛国歌「アメリカ・ザ・ビューティフル」の歌い手に選ばれた。彼女自身は、女子シングルス2回戦でジュスティーヌ・エナン=アーデンに 1-6, 2-6 のストレートで敗れた。1か月後の2006年10月、キングはエレナ・コスタニッチとペアを組み、日本ジャパン・オープン女子ダブルスでツアー初優勝を飾った。翌週のタイバンコク大会では単複2冠を獲得し、シングルス決勝で地元タイ人選手のタマリネ・タナスガーンを 2-6, 6-4, 6-4 の逆転で破り、コスタニッチとのダブルスで2週連続優勝を決めた。

シングルスはこの1勝どまりであるが、ダブルスで2007年2008年に2勝ずつを獲得した。2008年東レ パン・パシフィック・オープン・テニストーナメントではナディア・ペトロワと組み、決勝でリサ・レイモンド&サマンサ・ストーサー組を 6-1, 6-4 で破った優勝がある。

2009年全仏オープンで、バニア・キングはブラジルマルセロ・メロと混合ダブルスのペアを組み、決勝戦まで勝ち進んだ。パートナーのメロは、ダブルスのスペシャリストとして有名な選手である。決勝戦で2人は第1シードペアのボブ・ブライアン&リーゼル・フーバー組と対戦し、7-5, 6-7 で1セット・オールになった。全仏オープンのダブルスでは、混合のみ10ポイント・タイブレーク決戦方式(通称:スーパータイブレーク方式)で勝敗を決定する。この方式では、1セット・オールになった時は10点制のタイブレークを行い、先に10ポイント取った方が勝者になる。キングとメロはタイブレークを 7-10 で落とし、全仏混合ダブルス準優勝者になった。

2010年はヤロスラワ・シュウェドワと組んだダブルスで、ウィンブルドン全米オープンで優勝した。2011年全米オープンではシュウェドワとのダブルスで2年連続の決勝に進出したが、リーゼル・フーバー&リサ・レイモンド組に 6–4, 6–7(5), 6–7(3) で敗れ連覇を逃した。

キングは2020年に31歳で現役を引退した。

WTAツアー決勝進出結果 編集

シングルス: 3回 (1勝2敗) 編集

大会グレード
2008年以前 2009年以後
グランドスラム (0–0)
WTAファイナルズ (0–0)
ティア I (0–0) プレミア・マンダトリー (0-0)
プレミア5 (0-0)
ティア II (0–0) プレミア (0–0)
ティア III (1–0) インターナショナル (0–2)
ティア IV & V (0–0)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
優勝 1. 2006年10月15日   バンコク ハード   タマリネ・タナスガーン 2–6, 6–4, 6–4
準優勝 1. 2013年9月21日   広州 ハード   張帥 6-7(1), 1-6
準優勝 2. 2016年8月7日   南昌 ハード   段瑩瑩 6–1, 4–6, 2–6

ダブルス: 33回 (15勝18敗) 編集

大会グレード
2008年以前 2009年以後
グランドスラム (2–1)
WTAファイナルズ (0–0)
ティア I (1–1) プレミア・マンダトリー (0-0)
プレミア5 (1-1)
ティア II (0–0) プレミア (1–4)
ティア III (4–3) インターナショナル (5–7)
ティア IV & V (1–1)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス パートナー 対戦相手 スコア
準優勝 1. 2006年10月1日   広州 ハード   エレナ・コスタニッチ   李婷
  孫甜甜
4–6, 6–2, 5–7
優勝 1. 2006年10月8日   東京 ハード   エレナ・コスタニッチ   詹詠然
  荘佳容
7–6(2), 5–7, 6–2
優勝 2. 2006年10月15日   バンコク ハード   エレナ・コスタニッチ   マリアナ・ディアス=オリバ
  ナタリー・グランディン
7–5, 2–6, 7–5
準優勝 2. 2007年2月4日   東京 カーペット (室内)   レネ・スタブス   リサ・レイモンド
  サマンサ・ストーサー
6–7, 6–3, 5–7
優勝 3. 2007年5月14日   フェズ クレー   サニア・ミルザ   アンドレア・エリット=ヴァンク
  アナスタシア・ロディオノワ
6–1, 6–2
準優勝 3. 2007年9月30日   広州 ハード   孫甜甜   彭帥
  晏紫
3–6, 4–6
準優勝 4. 2007年10月7日   東京 ハード   荘佳容   孫甜甜
  晏紫
6–1, 2–6, [6-10]
優勝 4. 2007年10月12日   コルカタ ハード   アーラ・クドゥリャフツェワ   アルベルタ・ブリアンティ
  マリヤ・コリツェワ
6–1, 6–4
準優勝 5. 2008年2月10日   パタヤ ハード   謝淑薇   詹詠然
  荘佳容
4–6, 3–6
優勝 5. 2008年9月21日   東京 ハード   ナディア・ペトロワ   リサ・レイモンド
  サマンサ・ストーサー
6–1, 6–4
優勝 6. 2008年11月2日   ケベックシティ ハード   アンナ=レナ・グローネフェルト   ジル・クレイバス
  タマリネ・タナスガーン
7–6(3), 6–4
優勝 7. 2009年1月11日   ブリスベン ハード   アンナ=レナ・グローネフェルト   クラウディア・ヤンス
  アリシア・ロソルスカ
3–6, 7–5, [10–5]
優勝 8. 2009年9月14日   ケベックシティ ハード
(室内)
  バルボラ・ザフラボバ・ストリコバ   ソフィア・アルビドソン
  セベリーヌ・ブレモン
6–1, 6–3
優勝 9. 2010年2月20日   メンフィス ハード   ミハエラ・クライチェク   ベサニー・マテック=サンズ
  メガン・ショーネシー
7–5, 6–2
準優勝 6. 2010年3月7日   モンテレイ ハード   アンナ=レナ・グローネフェルト   イベタ・ベネソバ
  バルボラ・ザフラボバ・ストリコバ
6–3, 4–6, [8–10]
準優勝 7. 2010年4月18日   チャールストン クレー   ミハエラ・クライチェク   リーゼル・フーバー
  ナディア・ペトロワ
3–6, 4–6
優勝 10. 2010年5月22日   ストラスブール クレー   アリーゼ・コルネ   アーラ・クドゥリャフツェワ
  アナスタシア・ロディオノワ
3–6, 6–4, [10–7]
準優勝 8. 2010年6月19日   スヘルトーヘンボス   ヤロスラワ・シュウェドワ   アーラ・クドゥリャフツェワ
  アナスタシア・ロディオノワ
6–3, 3–6, [6–10]
優勝 11. 2010年7月3日   ウィンブルドン   ヤロスラワ・シュウェドワ   エレーナ・ベスニナ
  ベラ・ズボナレワ
7–6(6), 6–2
優勝 12. 2010年9月13日   全米オープン ハード   ヤロスラワ・シュウェドワ   リーゼル・フーバー
  ナディア・ペトロワ
2-6, 6-4, 7–6(4)
準優勝 9. 2011年3月6日   モンテレイ ハード   アンナ=レナ・グローネフェルト   イベタ・ベネソバ
  バルボラ・ザフラボバ・ストリコバ
7–6(8), 2–6, [6–10]
準優勝 10. 2011年5月15日   ローマ クレー   ヤロスラワ・シュウェドワ   彭帥
  鄭潔
2–6, 3–6
優勝 13. 2011年8月20日   シンシナティ ハード   ヤロスラワ・シュウェドワ   ナタリー・グランディン
  ブラディミラ・ウーリロバ
6–4, 3–6, [11–9]
準優勝 11. 2011年9月11日   全米オープン ハード   ヤロスラワ・シュウェドワ   リーゼル・フーバー
  リサ・レイモンド
6–4, 6–7(5), 6–7(3)
準優勝 12. 2011年10月16日   大阪 ハード   ヤロスラワ・シュウェドワ   クルム伊達公子
  張帥
5–7, 6–3, [9–11]
優勝 14. 2011年10月22日   モスクワ ハード
(室内)
  ヤロスラワ・シュウェドワ   アナスタシア・ロディオノワ
  ガリナ・ボスコボワ
7–6(3), 6–3
準優勝 13. 2012年7月15日   スタンフォード ハード   ヤルミラ・ガイドソバ   マリナ・エラコビッチ
  ヘザー・ワトソン
5–7, 6–7(7)
準優勝 14. 2012年7月22日   カールスバッド ハード   ナディア・ペトロワ   ラケル・コップス=ジョーンズ
  アビゲイル・スピアーズ
2–6, 4–6
準優勝 15. 2012年9月23日   ソウル ハード   アクグル・アマンムラドワ   ラケル・コップス=ジョーンズ
  アビゲイル・スピアーズ
6–2, 2–6, [8–10]
準優勝 16. 2013年9月21日   広州 ハード   ガリナ・ボスコボワ   謝淑薇
  彭帥
3-6, 6-4, [10-12]
準優勝 17. 2014年4月13日   ボゴタ クレー   シャネル・シェパーズ   ララ・アルアバレナ
  キャロリン・ガルシア
6–7(5), 4–6
優勝 15. 2016年1月9日   深圳 ハード   モニカ・ニクレスク   徐一幡
  鄭賽賽
6–1, 6–4
準優勝 18. 2016年6月19日   バーミンガム   アーラ・クドリャフツェワ   カロリナ・プリスコバ
  バルボラ・ストリコバ
3–6, 6–7(1)

4大大会ダブルス優勝 編集

全仏オープン混合ダブルス準優勝:2009年)

4大大会シングルス成績 編集

略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

大会 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 通算成績
全豪オープン A LQ 1R 1R LQ 2R 2R 3R 1R 1R A 2R 1R A 5–9
全仏オープン A 1R 1R 2R LQ 1R 3R 2R 2R 1R A LQ A 1R 5–9
ウィンブルドン A 2R 1R 1R 2R 1R 1R 1R 1R 1R A LQ A A 2–9
全米オープン 2R 2R 1R 1R 3R 2R 3R 1R 1R 2R 1R 2R A 2R 10–13

外部リンク 編集