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バーチ・スミス

アメリカの野球選手 (1990 - )

バーチ・テイラー・スミス（Burch Taylor Smith, 1990年4月12日 - ）は、アメリカ合衆国テキサス州サンアントニオ出身のプロ野球選手（投手）。右投右打。現在は、フリーエージェント（FA）。

バーチ・スミス
Burch Smith
埼玉西武ライオンズ時代
(2022年9月19日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 テキサス州サンアントニオ
生年月日 (1990-04-12) 1990年4月12日（34歳）
身長
体重		 6' 4" ＝約193 cm
215 lb ＝約97.5 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2011年 MLBドラフト14巡目
初出場 MLB / 2013年5月11日
NPB / 2022年4月19日
KBO / 2023年4月1日
経歴（括弧内はプロチーム在籍年度）
この表について

経歴 編集

プロ入り前 編集

2009年のMLBドラフト49巡目（全体1475位）でクリーブランド・インディアンスから指名されたが、契約には至らなかった。

2010年のMLBドラフト20巡目（全体600位）で再びインディアンスから指名されたが、オクラホマ大学へ編入した。

プロ入りとパドレス時代 編集

2011年のMLBドラフト14巡目（全体443位）でサンディエゴ・パドレスから指名され、8月15日に契約。契約後、傘下のルーキー級アリゾナリーグ・パドレスでプロデビューすると、2試合に登板して0勝0敗1セーブ、防御率4.50、4奪三振を記録した。

2012年はA+級レイクエルシノア・ストーム（英語版）でプレーし、26試合に先発登板して9勝6敗、防御率3.85、137奪三振を記録した。

2013年はAA級サンアントニオ・ミッションズで開幕を迎え、6試合に登板。1勝2敗、防御率1.15と好投し、5月11日にパドレスとメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[1]。同日のタンパベイ・レイズ戦で先発起用されメジャーデビュー。1回裏は三者凡退に抑えたものの、2回裏には本塁打を含む5安打6失点2四球と打ち込まれ、一死も取れず降板した[2]。続く5月17日のワシントン・ナショナルズ戦も5.1回を6安打5失点と振るわず、22日のセントルイス・カージナルス戦では初回から3失点し、2回表無死一・三塁の場面で降板。メジャー初黒星を喫し[3]、24日にAAA級ツーソン・パドレスへ降格した[4]。AAA級ツーソンで2試合に登板して2勝0敗、防御率2.70と好投したため、6月8日にメジャーへ再昇格した[5]。しかし登板機会はなく、6月11日にAAA級ツーソンへ降格した[6]。6月28日に再昇格し[7]、ロングリリーフとして3試合に登板したが、7月5日にエバース・カブレラが故障者リストから復帰したため、AAA級ツーソンへ降格[8]。9月2日に昇格した[9]後は先発に復帰し、15日のアトランタ・ブレーブス戦では、7回を3安打無失点10奪三振に抑え、メジャー初勝利を挙げた[10]。この年メジャーでは10試合（先発7試合）に登板して1勝3敗、防御率6.44、46奪三振を記録した。

2014年3月3日にパドレスと1年契約に合意。3月16日にAAA級エル・パソ・チワワズ[注 1]へ異動した。AAA級エル・パソで開幕を迎え、2試合に登板したが、0勝2敗、防御率18.56と落ち込み、5月2日に右肘の故障で7日間の故障者リスト入りした。結局シーズン中には復帰できず、メジャーでの登板もなかった。オフにはアリゾナ・フォールリーグに参加し、サプライズ・サグアロス（英語版）に所属。9試合に登板して3勝0敗、防御率5.52、9奪三振を記録した[11]。

レイズ傘下時代 編集

2014年12月19日にナショナルズ、レイズ間の三角トレードで、レネ・リベラ、ジェイク・バウアーズと共にレイズへ移籍した[12]。

 
タンパベイ・レイズ時代
(2015年3月31日)

2015年は4月にトミー・ジョン手術を受けたため[13]、メジャー及びマイナーで投げることなくシーズンを終えた。11月20日にマイナー契約で傘下のAAA級ダーラム・ブルズへ配属された[14]。

2016年もプレーしなかった。

2017年はルーキー級ガルフ・コーストリーグ・レイズ、AA級シャーロット・ストーンクラブズ、AAA級ダーラムでプレーし、3球団合計で6試合（先発5試合）に登板して5勝3敗、防御率2.40、56奪三振を記録した。オフには3年ぶりにアリゾナ・フォールリーグに参加し、サプライズ・サグアロスに所属。6試合に先発登板して1勝2敗、防御率3.98、29奪三振を記録した。

ロイヤルズ時代 編集

2017年12月14日に行われたルール・ファイブ・ドラフトでニューヨーク・メッツから指名され、同日に金銭トレードによってカンザスシティ・ロイヤルズへ移籍した[15]。

2018年は38試合（先発6試合）に登板して1勝6敗、防御率6.92、77奪三振を記録した。11月26日にDFAとなり[16]、30日にFAとなった[14]。

ブルワーズ時代 編集

2019年1月11日にミルウォーキー・ブルワーズとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[17]。

開幕は傘下のAAA級サンアントニオ・ミッションズ[注 2]で迎え、5月5日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[18]。8月9日にDFAとなった[19]。

ジャイアンツ時代 編集

2019年8月12日にウェイバー公示を経てサンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍した[20]。

2020年2月10日にDFAとなった[21]。

アスレチックス時代 編集

2020年2月15日に金銭トレードで、オークランド・アスレチックスへ移籍した[22]。この年は6試合に登板して2勝0敗1セーブ、防御率2.25、13奪三振を記録した。

2021年9月14日にDFAとなり[23]、16日にマイナー契約で傘下のAAA級ラスベガス・アビエイターズへ配属された[14]。レギュラーシーズン終了後の10月12日にFAとなった[24]。

西武時代 編集

2022年1月18日、埼玉西武ライオンズへの入団が発表された[25]。背番号は54[26]。年俸は6500万円（推定）[26]。3月8日に来日し、入国者待機期間終了後にチームに合流[27]。21日の千葉ロッテマリーンズとのイースタン・リーグ公式戦がNPB初登板となった[28]。4月13日の対BCリーグ・群馬ダイヤモンドペガサス戦で6回を投げて被安打2、無失点の好投を見せるなど好調を維持していたことから、19日に一軍初昇格[29]。同日のロッテ戦（ベルーナドーム）で一軍初登板を初先発で起用されると、7回までに96球を投じて無安打無得点の快投を演じた。許した走者は4回の与四球による1人のみだったが、牽制球で刺したため、対戦打者は毎回3人ずつであった[30]。NPB史上2人目となる初登板でのノーヒットノーラン達成に期待がかかったものの、見るからに球速が落ちていたことや、二軍で球数を投じていなかったことから、この回限りで降板[31]。その後は救援が残りの回を締めて、初登板で初勝利をあげ、試合後には愛妻とグラウンドで記念撮影を行った[32]。オフの11月30日に翌年の契約を結ばないことが発表され[33]、12月2日に自由契約公示された[34]。

ハンファ時代 編集

2022年12月18日、KBOリーグのハンファ・イーグルスと契約した[35]。2023年4月1日、キウム・ヒーローズ戦で開幕投手を務めたが、肩の違和感を訴え3回途中2失点で自主降板[36]。その後の復帰の見込みが立たないことから、4月19日にウェーバー公示され[37]、4月26日に自由契約選手として公示された。

投球データ 編集

2021年の投球データ[38]
球種 配分 平均球速
% mph km/h
フォーシーム 69 93 150
カーブ 15 79 127
チェンジアップ 14 82 132
スライダー 02 84 134

最速球速は2018年シーズンの99.0mph (159.3km/h)。2021年シーズンの最速は97.3mph (156.6km/h)。

詳細情報 編集

年度別投手成績 編集

年

度		 球

団		 登

板		 先

発		 完

投		 完

封		 無
四
球		 勝

利		 敗

戦		 セ
丨
ブ		 ホ
丨
ル
ド		 勝

率		 打

者		 投
球
回		 被
安
打		 被
本
塁
打		 与
四
球		 敬

遠		 与
死
球		 奪
三
振		 暴

投		 ボ
丨
ク		 失

点		 自
責
点		 防
御
率		 W
H
I
P
2013 SD 10 7 0 0 0 1 3 0 0 .250 167 36.1 39 9 21 1 0 46 0 0 26 26 6.44 1.65
2018 KC 38 6 0 0 0 1 6 0 1 .143 358 78.0 90 15 40 2 4 77 0 1 60 60 6.92 1.67
2019 MIL 7 0 0 0 0 0 1 0 0 .000 65 12.2 16 3 10 2 1 14 1 0 11 11 7.82 2.05
SF 10 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 41 8.2 10 0 4 0 0 6 0 0 3 2 2.08 1.62
'19計 17 0 0 0 0 0 1 0 0 .000 106 21.1 26 3 14 2 1 20 1 0 14 13 5.48 1.88
2020 OAK 6 0 0 0 0 2 0 1 0 1.000 44 12.0 7 1 1 0 0 13 0 0 3 3 2.25 0.67
2021 31 0 0 0 0 1 1 0 4 .500 188 43.1 49 5 11 0 1 28 2 0 27 26 5.40 1.39
2022 西武 20 4 0 0 0 1 0 1 4 1.000 156 38.1 30 0 14 0 1 37 0 0 16 14 3.29 1.15
MLB：5年 102 13 0 0 0 5 11 1 5 .313 863 191.0 211 33 87 5 6 184 3 1 130 128 6.03 1.56
NPB：1年 20 4 0 0 0 1 0 1 4 1.000 156 38.1 30 0 14 0 1 37 0 0 16 14 3.29 1.15
  • 2022年度シーズン終了時

年度別守備成績 編集

年
度		 球
団		 投手（P）
試

合		 刺

殺		 補

殺		 失

策		 併

殺		 守
備
率
2013 SD 10 2 3 1 0 .833
2018 KC 38 4 4 0 0 1.000
2019 MIL 7 1 1 0 0 1.000
SF 10 0 1 0 0 1.000
'19計 17 1 2 0 0 1.000
2020 OAK 6 0 1 0 0 1.000
2021 31 1 3 1 0 .800
2022 西武 20 0 3 1 0 .750
MLB 102 8 13 2 0 .913
NPB 20 0 3 1 0 .750
  • 2022年度シーズン終了時

記録 編集

NPB 編集

初記録

背番号 編集

  • 26（2013年）
  • 64（2018年）
  • 29（2019年 - 同年8月8日）
  • 61（2019年9月5日 - 同年終了）
  • 46（2020年 - 2021年）
  • 54（2022年）
  • 34（2023年）

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 2014年より球団名変更。
  2. ^ 2019年にコロラドスプリングス・スカイソックスより球団名変更。以前所属の同名球団とは別母体。

出典 編集

  1. ^ “Padres select Burch Smith, Option Boxberger, DFA De Los Santos” (英語). MLB.com (2013年5月12日). 2015年1月11日閲覧。
  2. ^ “Scores for May 11, 2013” (英語). ESPN (2013年5月11日). 2015年1月11日閲覧。
  3. ^ “Scores for May 22, 2013” (英語). ESPN (2013年5月22日). 2015年1月11日閲覧。
  4. ^ “Padres recall LHP Tommy Layne from Triple-A Tucson, option RHP Burch Smith” (英語). MLB.com (2013年5月25日). 2015年1月11日閲覧。
  5. ^ “Padres recall RHP Smith from Triple-A Tucson; option RHP Boxberger to Tucson” (英語). MLB.com (2013年6月8日). 2015年1月11日閲覧。
  6. ^ “Padres recall Nick Vincent from Triple-A Tucson; option Burch Smith to Tucson” (英語). MLB.com (2013年6月12日). 2015年1月11日閲覧。
  7. ^ “Padres Recall RHP Burch Smith from Triple-A Tucson” (英語). MLB.com (2013年6月28日). 2015年1月11日閲覧。
  8. ^ “Padres reinstate Cabrera from 15-day DL and option Smith to Triple-A Tucson”. MLB.com Padres Press Release (2013年7月6日). 2015年1月11日閲覧。
  9. ^ “Padres recall RHP Burch Smith from Triple-A Tucson” (英語). MLB.com (2013年9月2日). 2015年1月11日閲覧。
  10. ^ “Scores for Sep 15, 2013” (英語). ESPN (2013年9月15日). 2015年1月11日閲覧。
  11. ^ “Arizona Fall League Surprise Saguaros 2014 Stats”. MLB.com. 2015年1月11日閲覧。
  12. ^ “Rays complete eleven-player trade with Padres, Nationals” (英語). MLB.com (2014年12月20日). 2015年1月11日閲覧。
  13. ^ http://www.foxsports.com/florida/story/tampa-bay-ray-s-burch-smith-out-for-season-after-tommy-john-surgery-040615
  14. ^ a b c MLB公式プロフィール参照。2021年10月17日閲覧。
  15. ^ Jeffrey Flanagan (2017年12月14日). “KC adds pair of high picks in Rule 5 Draft” (英語). https://www.mlb.com/news/royals-add-pair-of-high-picks-in-rule-5-draft/c-263544032 2017年12月23日閲覧。 
  16. ^ Steve Adams (2018年11月26日). “Royals Claim Conner Greene, Designate Burch Smith For Assignment” (英語). MLB Trade Rumors. 2019年2月11日閲覧。
  17. ^ Steve Adams (2019年1月11日). “Brewers Sign Burch Smith To Minor League Contract” (英語). MLB Trade Rumors. 2019年2月11日閲覧。
  18. ^ Adam McCalvy (2019年5月5日). “Journeyman Smith called up for pitching depth” (英語). MLB.com. 2019年5月7日閲覧。
  19. ^ Adam McCalvy (2019年8月9日). “Travis Shaw optioned; Hernan Perez recalled” (英語). MLB.com. 2019年8月10日閲覧。
  20. ^ Maria Guardado (2019年8月12日). “Giants to open on road again in 2020” (英語). MLB.com. 2019年8月13日閲覧。
  21. ^ Maria Guardado (2020年2月10日). “Giants claim LHP García; B. Smith DFA'd” (英語). MLB.com. 2020年2月17日閲覧。
  22. ^ Maria Guardado (2020年2月15日). “After 30 years of silence, Giants trade with A's” (英語). MLB.com. 2020年2月17日閲覧。
  23. ^ Steve Adams and Anthony Franco (2021年9月14日). “A’s Designate Burch Smith For Assignment” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年10月17日閲覧。
  24. ^ Anthony Franco (2021年10月14日). “Players Recently Electing Free Agency” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年10月17日閲覧。
  25. ^ “新外国人選手入団決定のお知らせ”. 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト (2022年1月18日). 2022年1月18日閲覧。
  26. ^ a b “西武が193センチ右腕バーチ・スミス獲得　メジャー102戦登板の31歳”. 日刊スポーツ. (2022年1月18日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202201180000197.html 2022年1月18日閲覧。 
  27. ^ “【西武】新外国人投手のスミスが来日　１９３センチ右腕に先発ローテの一角として期待”. スポーツ報知. (2022年3月8日). https://hochi.news/articles/20220308-OHT1T51020.html?page=1 2022年4月22日閲覧。 
  28. ^ “西武の新外国人・スミス　2軍戦で来日初登板　3回1安打無失点”. Sponichi Annex. (2022年3月22日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2022/03/22/kiji/20220322s00001173036000c.html 2022年4月22日閲覧。 
  29. ^ “【西武】新外国人スミスが19日ロッテ戦で初登板初先発「興奮している」苦しむ１軍の救世主に”. 日刊スポーツ. (2022年4月18日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202204180000513.html 2022年4月22日閲覧。 
  30. ^ “NPB史上2人目快挙の可能性あったけど…西武・辻監督が新助っ人を降板させた親心”. Full-Count. (2022年4月20日). https://full-count.jp/2022/04/20/post1209286/ 2022年4月22日閲覧。 
  31. ^ “西武・スミスの「ノーノー」交代、豊田投手コーチ「タイミング的に代えた方が」”. 西日本スポーツ. (2022年4月19日). https://www.nishinippon.co.jp/nsp/item/n/910347/ 2022年4月22日閲覧。 
  32. ^ “西武・辻監督に「ノーノー」交代決断させた7回の投球　スミス「もっと投げられたらよかったけど」”. 西日本スポーツ. (2022年4月19日). https://www.nishinippon.co.jp/nsp/item/n/910343/ 2022年4月22日閲覧。 
  33. ^ “選手との契約について”. 埼玉西武ライオンズ (2022年11月30日). 2022年11月30日閲覧。
  34. ^ “2022年度 自由契約選手 公示”. NPB.jp 日本野球機構 (2022年12月2日). 2022年12月4日閲覧。
  35. ^ https://twitter.com/jhpae117/status/1604270182771621888?s=46&t=E1AA7gjljVbxLN13FHPAuQ
  36. ^ “韓国に渡った“元助っ人”が大ピンチ　開幕投手が自主降板…解雇もある厳しい現実”. Full-Count (2023年4月3日). 2023年5月13日閲覧。
  37. ^ “前西武バーチ・スミスが開幕１か月弱で韓国ハンファから自由契約”. 東スポWEB (2023年4月20日). 2023年5月13日閲覧。
  38. ^ “Burch Smith Statcast”. BaseballSavant.MLB.com. 2022年4月19日閲覧。
  39. ^ “西武快勝！スミスは７回ノーノー交代も来日初登板初勝利”. デイリースポーツ. (2022年4月19日). https://www.daily.co.jp/baseball/2022/04/19/0015233076.shtml 2022年4月19日閲覧。 

関連項目 編集

外部リンク 編集

 
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