パンポット (: pan pot) またはパン (: pan) は、MIDIコントロールチェンジのひとつで、音像定位を左右方向の任意の位置に設定する。コントロール番号10。

類似のコントロールチェンジにバランス (コントロール番号8) があり、ステレオスピーカーの左右の音量バランスを設定する。

仕様 編集

MIDI規格では、値は0(左端)から127(右端)の範囲をとり、64を中央と定めている[1]

GM2の規定では、定位の異なる音が混在するようなリズム・チャンネルでは、パンポットは全体の定位を相対的に移動させる[2]。リズム・チャンネルでの音色(ノート番号)ごとの定位は、システム・エクスクルーシブのキーベースド・コントローラーで設定できる[3]

RP-036 “Default Pan Curve” は、パン・カーブ(パンロウ)の実装にかかわる補則を加えており、正しい中央定位を得られることや、電力を保ったステレオチャンネル間配分をすることを求めている[4]。ここでは推奨される計算式が示されており、余弦波・正弦波ペアのパンロウを使用し、また値の実用範囲を1から127とすることで範囲の中央を64にしている(0と1は共に左端定位となる)。

出典 編集

  1. ^ MIDI 1.0 規格書』(PDF)(PDF版)音楽電子事業協会、2016年7月27日、2-13頁。ISBN 4-8456-0348-9http://amei.or.jp/midistandardcommittee/MIDIspcj.html 
  2. ^ RP-024 GM システム・レベル 2』(PDF)音楽電子事業協会、1999年、7頁http://amei.or.jp/midistandardcommittee/RP&CAj.html 
  3. ^ (PDF) CA-023 Key-Based Instrument Controllers. MMA/AMEI. (1999). http://amei.or.jp/midistandardcommittee/RP&CAj.html 
  4. ^ (PDF) RP-036 Default Pan Curve. MMA/AMEI. (2002). http://amei.or.jp/midistandardcommittee/RP&CAj.html 

参考文献 編集

用語説明”. 音楽電子事業協会. 2019年8月9日閲覧。

関連項目 編集

コントロールチェンジ
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