リリーカードとは、1988年から2003年まで名古屋市交通局で使われていた磁気式乗車カードプリペイドカード)である。1988年昭和63年)3月1日発売。名古屋市営地下鉄名古屋市営バスで使用することができた。

1998年平成10年)5月6日の「ユリカ」発売により販売終了、2003年(平成15年)から残額を移行したユリカへの交換を行っていたが、2006年(平成18年)に交換を終了した。2011年(平成23年)からはICカード「manaca」が導入され「ユリカ」も販売終了した。

名称は、名古屋市の花であるユリを意味する英語「リリー (lily) 」に由来する。なお「ユリカ」の名称も同様である。

なお本項では、名古屋市営地下鉄で発行されていた磁気式回数乗車券回数券カード」についても触れる。

概要 編集

リリーカードは、名古屋市交通局の市バス地下鉄で利用することができた。有効期限は設けられておらず、残額がある間は使用可能であった[1][2]

1988年(昭和63年)3月1日に発売され、同年4月1日から名古屋市営地下鉄全線で使用開始された。リリーカードで地下鉄に乗車する際は、カードが利用できる自動券売機にリリーカードを投入し、普通乗車券を購入して使用した。また、のりこし自動精算機では乗車券の不足金額の支払いにリリーカードを使用することもできた。ユリカとは異なり、カードを直接自動改札機に投入することはできなかった。

1989年(平成元年)9月10日 、市営地下鉄桜通線が開業。同時に地下鉄回数券が磁気カード化し「回数券カード」となった。これが名古屋市営地下鉄では初となる、自動改札機に直接投入できる乗車カードであった。

同1989年にはリリーカードの路線バスでの導入も開始され、10月2日より基幹バス1号系統に試験導入。バスに乗車する際は、運賃箱の磁気カードリーダーに直接投入して使用できた。

1991年(平成3年)10月1日、リリーカードが市営バス全線に導入された。翌1992年(平成4年)4月1日には、名鉄バスと共同運行する基幹バス2号系統で、リリーカードと名古屋鉄道の「パノラマカード」の共通利用が可能となった。

1998年(平成10年)5月5日に「リリーカード」および「回数券カード」の販売を終了し、翌5月6日から「ユリカ」によるストアードフェアシステムを導入した。

2003年3月のリリーカード使用停止後は、残高を移し替えたユリカと交換するサービスを行っていたが、2006年3月31日をもってユリカとの交換が終了し、以後は無効となった。

歴史 編集

カードの種類 編集

  • リリーカード500(発売額: 500円、500円分使用可能)
  • リリーカード1000(発売額: 1,000円、1,000円分使用可能)
  • リリーカード3200(発売額: 3,000円、3,200円分使用可能)
  • リリーカード5400(発売額: 5,000円、5,400円分使用可能)

昼間割引券はなかった。通常柄のカードの他に、絵柄を指定できるものもあった。

また記念品などの贈答用として、メッセージやイラストを入れたオリジナルカードを注文作成できるサービスも行われていた。

  • モデルタイプ
    • あらかじめ用意された絵柄のうち好きなものを選択し、自由にメッセージやイラストを入れることができた。最低50枚から印刷された。
  • フリータイプ
    • 絵柄や文字を自由にデザインすることができた。最低300枚から100枚単位で印刷された。
  • 百合のカードにメッセージ印刷
    • 通常柄の「リリーカード500」に自由にメッセージを追加することができた。最低10枚から印刷された。

参考文献 編集

  • 名古屋市 「市バス地下鉄ガイド」『広報なごや No.508 特集号』 1990年4月
  • 名古屋市交通局 『交通局ニュース No.99』 1992年3月
  • 名古屋市交通局 『交通局ニュース No.113』 1995年8月
  • 名古屋市交通局 『交通局ニュース No.118』 1996年10月
  • 名古屋市交通局 『市バス・地下鉄ニュース』 1998年5月

脚注 編集

  1. ^ 『広報なごや No.508』(市バス地下鉄ガイド)には「たまにご利用される方へ リリーカードは、有効期限はありません。安心してご利用ください。」との記載がある。
  2. ^ 『交通局ニュース No.118』には「有効期限はありませんので、残額がある間はご使用いただけます。」との記載がある。
  3. ^ ICカード乗車券の名称とデザインを決定しました 名古屋市交通局お知らせ 2010年4月16日

関連項目 編集