レセプトコンピュータとは、レセプト(診療報酬明細書)を作成するコンピュータもしくは専用ソフトウェアを指す。一般的にはレセコンと略される。

概要 編集

医療機関は、レセプト(診療報酬明細書)を支払機関(受診者が国民健康保険被保険者ならば国民健康保険団体連合会、それ以外の被保険者ならば都道府県の社会保険診療報酬支払基金)へ提出する事で、診療報酬を得ている。明細書の作成には、高度な専門知識と複雑な計算が必要であり、医療事務にとっては重い負担となっていた。診療所の昼休みが非常に長いのは、これが原因している。

1970年代初頭に、レセプトコンピュータが出来、その後1980年代初頭には進化し、診療報酬点数を計算し、レセプトをプリンタで印刷できるシステムが大幅に普及し始め、"レセコン"と呼ばれ始めた。現在ではレセプトを提出するだけの機能に収まらなくなっている。

初期は、三洋電機日立製作所などから専用機専用端末が販売されていたが、独自のアーキテクチャやUNIXワークステーションをベースとしていたことから非常に高価だった。後にMicrosoft Windows用のアプリケーションソフトウェアとなったことで、パーソナルコンピュータで済むことから価格が劇的に低下し、診療所にも導入が進んでいる。

厚生労働省により、2011年頃にレセプトのインターネット通信を利用した、完全電子請求(電子化・電算化)が推し進められている。これにより、ほぼ全ての医局が何らかの形でレセプトコンピュータを導入後、インターネットによるレセプト送信に関わる事になるといわれている。

レセプトコンピュータは、対象となる学科・請求方法・利用場面により、医科用・歯科用・調剤用・DPC用が存在する。

主な機能 編集

  • 保険請求の為のレセプト作成
  • 診療内容の入力
  • 窓口会計(患者の支払い料金)の計算
  • 処方箋の発行
  • 投薬使用量の管理
  • お薬手帳、薬剤情報の発行
  • 領収書発行、明細型領収書発行

レセプトに記載される事柄 編集

患者情報 編集

  • 診察日
  • 保険者番号・保険証の記号番号    
  • 患者の名前
  • 生年月日
  • 病名
  • 診療日

処方内容 編集

  • 初診(再診)の回数および点数
  • 指導の回数および点数
  • 投薬の内容および数量と点数
  • 処置の回数および点数
  • 検査の回数と点数
  • 合計の請求点数(薬剤一部負担金額)

関連項目 編集

リンク 編集