ロッコ・バルデッリ

アメリカ合衆国の野球選手、監督 (1981-)

ロッコ・ダニエル・バルデッリRocco Daniel Baldelli, 1981年9月25日 - )は、アメリカ合衆国ロードアイランド州プロビデンス郡ウーンソケット出身の元プロ野球選手外野手)。右投右打。現在は、MLBミネソタ・ツインズで監督を務めている。

ロッコ・バルデッリ
Rocco Baldelli
ミネソタ・ツインズ 監督 #5
2007年デビルレイズでの現役時代
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ロードアイランド州プロビデンス郡ウーンソケット
生年月日 (1981-09-25) 1981年9月25日(42歳)
身長
体重
6' 4" =約193 cm
200 lb =約90.7 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 外野手
プロ入り 2000年 MLBドラフト1巡目
初出場 2003年3月31日 ボストン・レッドソックス
最終出場 2010年10月3日 カンザスシティ・ロイヤルズ
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
監督・コーチ歴

経歴 編集

プロ入り前 編集

3歳のころに自宅の裏庭で野球を始める。14歳のときに足を故障して以来2年半ほど野球から離れていたが、父ダンにいわれてトライアウトに参加、そこで納得のいくプレイができなかったことから野球への情熱を取り戻す[1]ビショップ・ヘンドリッケン高等学校英語版では野球の他にバスケットボールバレーボールでも活躍。

プロ入りとデビルレイズ/レイズ時代 編集

2000年6月にMLBドラフト1巡目(全体6位)でタンパベイ・デビルレイズ(現:レイズ)から指名され、プロ入り。

2002年に傘下のマイナーリーグでA+級ベーカーズフィールド・ブレイズ英語版からAA級モンゴメリー・ビスケッツを経てAAA級ダーラム・ブルズまで昇格。アリゾナ秋期リーグも含め、この年157試合に出場し打率.323、20本塁打、93打点、36盗塁の好成績を残し[2]ベースボール・アメリカ誌が選ぶ2002年のマイナーリーグ年間最優秀選手賞を受賞する。

2003年にデビルレイズのスプリングトレーニングに招待選手として参加。イタリア系アメリカ人であることやプレースタイルが似ていることなどから「ジョー・ディマジオ2世」と呼ばれるようになり、球団もバルデッリに「開幕メジャー入り」と背番号5(ディマジオと同じ)を与える[1]

3月31日に「2番・中堅手」で先発出場しメジャーデビュー、ペドロ・マルティネスから初安打を放つ。その後も安打を重ねた結果、4月の月間安打数は40本となり、2001年イチローが記録した月間安打数新人記録を1本更新する。後半戦には疲労から成績を落としたが、年間を通しても184安打(リーグ10位)・27盗塁(同7位)という成績を残し、新人王を逃したものの将来性を感じさせた[3]

2004年も前年と同程度の成績を残したバルデッリだったが、以後は故障の多発に苦しむこととなる。この年のシーズン中には大腿四頭筋を、オフシーズンには膝を痛めた。さらに右肘までも手術することになった。

2005年は全休となった。

2006年のシーズン途中に復帰した。オフには他球団からトレードのオファーが頻繁に入っていたが、移籍せず残留した。

2007年故障者リスト入りして35試合にか出場できなかった。また、この頃にミトコンドリア病を発症している。

2008年シーズン後にフリーエージェントとなった。

レッドソックス時代 編集

2009年1月8日、レッドソックスと年俸50万ドルの1年契約で合意と伝えられた。

レイズ復帰 編集

2010年にレイズに復帰し、10試合に出場した。

2011年1月26日に現役引退を表明した。

引退後 編集

2014年12月20日にレイズの一塁コーチに就任した事が発表された[4]。レイズのコーチは2018年まで務めた。

2018年10月25日、ミネソタ・ツインズの監督に就任した[5]

2019年、就任1年目でツインズを9年ぶりの地区優勝に導き、シーズン101勝をマークした手腕が高く評価され、最優秀監督賞を受賞した[6]

選手としての特徴 編集

ポール・モリターを彷彿させるという打撃フォームからコンパクトなスイングでフィールドのあらゆる所へ打球を運ぶ能力を持つ[7]

打席から一塁まで3.85~3.9秒で走る右打者としてはメジャー最高級の俊足を誇り、ベースランニングも卓越していた[7]。しかし外野を守る際には後方の打球への反応がよくなかったため、初期は中堅として起用されていたが、外野両翼へのコンバートを余儀なくされた[7]

詳細情報 編集

年度別打撃成績 編集

















































O
P
S
2003 TB 156 684 637 89 184 32 8 11 265 78 27 10 3 6 30 4 8 128 10 .289 .326 .416 .742
2004 136 565 518 79 145 27 3 16 226 74 17 4 3 6 30 2 8 88 12 .280 .326 .436 .762
2006 92 387 364 59 110 24 6 16 194 57 10 1 0 2 14 1 7 70 2 .302 .339 .533 .872
2007 35 150 137 16 28 6 0 5 49 12 4 1 1 0 9 1 3 35 1 .204 .324 .443 .626
2008 28 90 80 12 21 5 0 4 38 13 0 0 0 0 7 0 3 25 1 .263 .344 .475 .819
2009 BOS 62 164 150 23 38 4 1 7 65 23 1 0 0 1 11 0 2 37 6 .253 .311 .433 .744
2010 TB 10 25 24 3 5 1 0 1 9 5 1 0 0 0 1 0 0 5 1 .208 .240 .375 .615
MLB:7年 519 2065 1910 281 531 99 18 60 846 262 60 16 7 15 102 8 31 388 33 .278 .323 .443 .766

年度別守備成績 編集



三塁(3B) 左翼(LF) 中堅(CF) 右翼(RF)
















































2003 TB - - 154 437 14 5 4 .989 -
2004 - - 124 342 11 8 2 .978 -
2006 - - 91 228 6 5 3 .979 -
2007 - - 20 62 3 0 1 1.000 -
2008 - 1 1 0 0 0 1.000 - 6 5 0 1 0 .833
2009 BOS 1 0 0 0 0 ---- 2 3 0 0 0 1.000 8 14 1 0 1 1.000 35 49 2 3 0 .944
2010 TB - - - 4 6 0 0 0 1.000
MLB 1 0 0 0 0 ---- 3 4 0 0 0 1.000 397 1083 35 18 11 .984 45 60 2 4 0 .939
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別監督成績 編集

年度 球団 地区 年齢[8] 試合 勝利 敗戦 勝率 順位/チーム数 備考 ポストシーズン
勝敗
2019 MIN AL 中 38歳 162 101 61 .623 1 / 5 ALDS敗退 0勝3敗
2020 39歳 60 36 24 .600 1 / 5 ALWC敗退 0勝2敗
2021 40歳 162 73 89 .451 5 / 5
2022 41歳 162 78 84 .481 3 / 5
MLB通算:4年 546 288 258 .527     0勝5敗
  • 太字はプレーオフ進出(ワイルドカードを含む)

表彰 編集

背番号 編集

  • 5(2003年 - 2010年、2019年 - )
  • 15(2015年 - 2018年)

脚注 編集

  1. ^ a b 谷口輝世子 「神童 ロッコ・バルデッリ タンパベイ・デビルレイズ」 『月刊スラッガー』2003年7月号、日本スポーツ企画出版社、2003年、雑誌15509-7、22-25頁。
  2. ^ "2002 Career Highlights," The Official Site of The Tampa Bay Rays. 2008年4月13日閲覧。
  3. ^ 鉄矢多美子(取材構成) 「特集◎激戦のア・リーグ新人王を占う!/松井&ボルデリ&ベローアテシェーラゲラット」 『月刊メジャー・リーグ』2003年11月号、ベースボール・マガジン社、2003年、雑誌08625-11、18-23頁。
  4. ^ Foley named bench coach as Rays announce staff MLB.com (2014年12月20日) 2015年1月11日閲覧
  5. ^ Chad Thornburg (2018年10月25日). “Twins tab Rocco Baldelli as new manager” (英語). MLB.com. 2019年2月13日閲覧。
  6. ^ MLB最優秀監督賞が発表 就任1年目ツインズのバルデリ監督&プロ未経験カージナルスのシルト監督”. ベースボールチャンネル(BaseBall Channel). 2019年11月16日閲覧。
  7. ^ a b c 2004日本開幕戦観戦ガイドブック『月刊スラッガー』2004年4月号付録、日本スポーツ企画出版社、雑誌15509-4、4頁。
  8. ^ 年齢は、その年の満年齢で表記。

関連項目 編集

外部リンク 編集