ワット・チャーンローム (シーサッチャナーライ)

ワット・チャーンローム (Wat Chang Lom、タイ語: วัดช้างล้อม)は、タイ北部スコータイ県シーサッチャナーライの旧市内となるシーサッチャナーライ歴史公園にある寺院である。寺院はスコータイ王朝の副王都であったシーサッチャナーライの周壁内のほぼ中央に位置する[1][2]

ワット・チャーンローム
วัดช้างล้อม
Wat Chang Lom
基本情報
座標 北緯17度25分55秒 東経99度47分7秒 / 北緯17.43194度 東経99.78528度 / 17.43194; 99.78528座標: 北緯17度25分55秒 東経99度47分7秒 / 北緯17.43194度 東経99.78528度 / 17.43194; 99.78528
宗教 仏教
地区 シーサッチャナーライ郡
スコータイ県
タイ王国の旗 タイ
現況 遺跡
建設
様式 スコータイ様式
創設者 ラームカムヘーン
完成 13世紀(1290年)
資材 ラテライト煉瓦
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創建 編集

ワット・チャーンロームは、その場所で仏陀の遺骨(仏舎利[3])が発見された後、王ラームカムヘーンの命令により1290年に構築されたことが[4]ラームカムヘーン大王碑文より伝えられる[3]

構成 編集

 
壁龕の仏坐像
 
仏塔
 
基壇のゾウの立像

寺院の中心的構造物は、正方形の2層の基壇をもつスリランカ式の[3][5]ラテライト仏塔である。ワット・チャーンロームの名は「ゾウが囲む寺」の意であり[6]、仏塔の第1層の基壇の周りに立ち並ぶ[1]39頭のゾウの立像による[3][7]。ゾウは壁面の前にほぼ全身像としてあり際立っている[8]。通常は半身だけのものであり、それらはスコータイ歴史公園のワット・チャーンロームやワット・チャーンロープなどに見られる。また、仏塔の第2層の基壇上には各面に5か所、計20か所に壁龕があり[8]、かつて高さ1.4メートルの仏坐像がすべてに納められていた。それらの仏坐像は煉瓦漆喰を施したものであり[5]、そのいくつかが今日でも見られる。礼拝堂(ヴィハーン)の遺構が[3]仏塔の前にあり、同じく寺院の境内にはより小さな建造物がある[3]。主な寺域はラテライトで造られた厚い周壁に囲まれていた。

脚注 編集

  1. ^ a b 伊東照司『東南アジア美術史』雄山閣、2007年、66頁。ISBN 978-4-639-02006-6 
  2. ^ 金子 (1985)、103頁
  3. ^ a b c d e f ワット・チャーンローム”. タイ国政府観光庁. 2017年8月10日閲覧。
  4. ^ 金子 (1985)、104・106頁
  5. ^ a b 高杉等『東南アジアの遺跡を歩く』めこん、2001年、222頁。ISBN 4-8396-0144-5 
  6. ^ NHK取材班ほか『NHK美の回廊をゆく② 東南アジア至宝の旅』日本放送出版協会、1991年、31頁。ISBN 4-14-009156-8 
  7. ^ 中村浩『ぶらりあるきチェンマイ・アユタヤの博物館』芙蓉書房出版、2016年、96-97頁。ISBN 978-4-8295-0701-8 
  8. ^ a b 金子 (1985)、100頁

参考文献 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集