九鬼隆平

日本のプロ野球選手

九鬼 隆平(くき りゅうへい、1998年9月5日 - )は、大阪府枚方市出身のプロ野球選手捕手育成選手)。右投右打。横浜DeNAベイスターズ所属。

九鬼 隆平
横浜DeNAベイスターズ #116
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 大阪府枚方市
生年月日 (1998-09-05) 1998年9月5日(25歳)
身長
体重
180 cm
78 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 捕手
プロ入り 2016年 ドラフト3位
初出場 2019年5月26日
年俸 650万円(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴 編集

プロ入り前 編集

枚方香里フェニックスで野球を始める。中学時代はオール枚方ボーイズに所属し、全国制覇を経験[2]。主に8番打者であった。

秀岳館高校では主将として3年春と3年夏の2度、甲子園に出場しいずれも4強[2]第11回 BFA U-18アジア選手権大会でも主将を務め[3]、4番打者として優勝に貢献[4]、優秀守備選手の表彰を受ける[5]。甲子園通算8試合、打率.281(32打数9安打)、5打点。高校通算26本塁打。野球部には2学年先輩に藤吉優宮本秀明、同期に松尾大河、1学年後輩に田浦文丸がいる。

2016年10月20日に行われた2016年度ドラフト会議にて、福岡ソフトバンクホークスに3位指名を受け[6]、11月12日に契約金5000万円、年俸600万円(金額は推定)で契約合意に達し[2]、11月22日に福岡ソフトバンクホークスの新人選手入団会見が行われ、入団が正式に発表された。背番号65[7]

ソフトバンク時代 編集

2017年、3月17日に行われたウエスタン・リーグ開幕戦、対阪神タイガース戦において、9番・指名打者で二軍公式戦に初出場し、5回に適時三塁打を放ち、初安打・初打点[8]、同月25日に行われたウエスタン・リーグ対オリックス・バファローズ戦において初本塁打を記録する[9]。7月13日に草薙球場で行われたフレッシュオールスターゲーム2017において、ウエスタン選抜として出場する[10]。一軍公式戦の出場機会は無かったが、二軍公式戦において21試合に出場し、打率.256、2本塁打、9打点[11]、三軍戦において64試合に出場し、打率.257、7本塁打、27打点、12盗塁の成績を残す[12]。11月10日、同月25日から台湾で開催された2017アジアウインターベースボールリーグに、辞退した谷川原健太に代わり、NPBウエスタン選抜として出場した[13]

2018年、オープン戦に出場したものの、開幕を二軍で迎えた。二軍公式戦において15試合に出場し、打率.250、1本塁打、2打点の成績を残した[14]

2019年、5月16日に初の一軍昇格[15]。5月26日の千葉ロッテマリーンズ戦で代打でプロ初出場を果たし、初球で頭部への死球を受けた。内角高めのカーブをしゃがんで避けた結果ちょうど頭部に当たってしまったもので、九鬼に怪我はなく、また投手の石川歩危険球退場にはならなかった[16]

2020年、7月5日の北海道日本ハムファイターズ戦でプロ初のスタメン出場を果たすと、第1打席で河野竜生からプロ初安打、初打点、初本塁打となる左越えのソロ本塁打を放った[17][18]。その試合を含め一軍戦計5試合に出場したものの、首の違和感のために9月3日に出場選手登録を抹消され、その後はファームの試合にも出場せず、同月30日、大阪市内の病院で頸椎前方除圧固定術および自家骨移植を受け、復帰まで約6か月を要する見込みとなり、同シーズン中の復帰は絶望となった[19]

2021年、上記の手術の影響もあり、一軍昇格は6月18日と遅れた[20]。7月7日の対千葉ロッテマリーンズ戦では適時打を記録する[21]。しかしそれ以降はチャンスは無く、一軍は3試合の出場にとどまった。[22]

2022年、一軍昇格のチャンスは得られず二軍でも44試合の出場に留まる[23]。11月9日、現状維持の650万円(金額は推定)で契約更改した[24]

2023年も一軍戦出場はなく、二軍戦出場機会も前年より減り、27試合出場にとどまった。シーズン終了後の10月22日、戦力外通告を受けた[25]。その後、DeNAが獲得調査をしていることが報じられた[26]

DeNA時代 編集

2023年12月6日、横浜DeNAベイスターズ育成選手として契約することが発表された[27][1]。推定年俸は650万円[1]。背番号は116[28]

選手としての特徴 編集

  • 強肩強打の捕手[29]。ドラフト入団時には「将来の正捕手候補」と評価されていた[29]で、50メートル走6秒0の俊足も武器とする。

人物 編集

  • 九鬼水軍を率いた戦国武将九鬼嘉隆の末裔[30]
  • 父親は当時の蔦文也監督が率いていた徳島県立池田高等学校の野球部出身[31]。やまびこ打線の主軸打者として春夏4度(1986年春1986年夏1987年春1987年夏)の甲子園出場を果たしており、池田が全国優勝を果たした1986年春の選抜では控え捕手としてベンチ入りしていた。
  • 母親は扇城高校(現在の東九州龍谷高等学校)のバレーボール部出身。セッターとして、春高、インターハイ、国体の三冠を達成し、実業団でもプレーをした。
  • 熊本地震の後は受けた被害からの復興に向け、積極的にボランティア活動も行った。

詳細情報 編集

年度別打撃成績 編集

















































O
P
S
2019 ソフトバンク 2 3 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 .000 .333 .000 .333
2020 5 5 4 2 1 0 0 1 4 1 0 0 0 0 1 0 0 2 0 .250 .400 1.000 1.400
2021 3 2 2 0 1 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .500 .500 .500 1.000
通算:3年 10 10 8 2 2 0 0 1 5 2 0 0 0 0 1 0 1 3 0 .250 .400 .625 1.025
  • 2023年度シーズン終了時

年度別守備成績 編集



捕手






















2019 ソフトバンク 1 4 0 0 0 1.000 0 0 0 0 ----
2020 4 15 2 0 0 1.000 0 4 4 0 .000
2021 3 5 1 0 0 1.000 0 0 0 0 ----
通算 8 24 3 0 0 1.000 0 4 4 0 .000
  • 2023年度シーズン終了時

記録 編集

初記録

背番号 編集

  • 65(2017年 - 2023年)
  • 116(2024年 - )

登場曲 編集

[32]

代表歴 編集

脚注 編集

注釈 編集

出典 編集

  1. ^ a b c 【DeNA】ソフトバンク戦力外の九鬼隆平捕手を育成契約で獲得発表」『日刊スポーツ』2023年12月6日。2024年4月24日閲覧
  2. ^ a b c ソフトバンク3位九鬼が契約合意 先祖は戦国武将」日刊スポーツ、2016年11月19日。2017年1月7日閲覧
  3. ^ 九鬼 隆平|侍ジャパン選手プロフィール|野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト」NPBエンタープライズ。2016年10月31日閲覧
  4. ^ 頼れる女房役九鬼の1発「元気も自分の持ち味」」日刊スポーツ、2016年9月3日。2017年1月7日閲覧
  5. ^ 決勝戦V打の智弁学園・納がMVP U18表彰一覧」日刊スポーツ、2016年9月4日。2017年1月7日閲覧
  6. ^ ソフトバンク3位 秀岳館・九鬼「打てる捕手」目指す」『スポニチ Sponichi Annex』2016年10月21日。2016年11月22日閲覧
  7. ^ ソフトB ドラ1田中正義 背番号は「25」 負けないものは「年齢」」『スポニチ Sponichi Annex』2016年11月22日。2016年11月22日閲覧
  8. ^ 2017/03/17(金)第1回戦 福岡ソフトバンク vs 阪神・出場選手成績」福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト。2017年3月30日閲覧
  9. ^ 2017/03/25(土)第1回戦 オリックス vs 福岡ソフトバンク」福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト。2017年3月30日閲覧
  10. ^ プロ野球フレッシュオールスターゲーム2017 出場者一覧」日本野球機構、2017年7月11日。2017年11月20日閲覧
  11. ^ 2017年度 福岡ソフトバンクホークス 個人打撃成績(ウエスタン・リーグ)」日本野球機構。2017年11月10日閲覧
  12. ^ 3軍選手成績 非公式戦個人成績 打撃成績 2017/11/8(水)現在」福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト、2017年11月8日。2017年11月10日閲覧
  13. ^ 2017アジアウインターベースボールリーグ(AWB)NPBメンバー一覧」日本野球機構、2017年11月10日。2017年11月10日閲覧
  14. ^ 2018年度 福岡ソフトバンクホークス 個人打撃成績(ウエスタン・リーグ)」日本野球機構。2022年2月11日閲覧
  15. ^ 藤浦一都「鷹、3年目の九鬼がプロ初昇格へ 1軍練習合流「びっくりする反面嬉しかった」」Full-Count、2019年5月16日。2020年7月5日閲覧
  16. ^ ソフトバンク・九鬼、初球の頭部死球で珍デビュー「申し訳ないです」」サンケイスポーツ、2019年5月26日。2020年7月5日閲覧
  17. ^ ソフトバンク九鬼が初スタメン初安打初アーチ 熊本・秀岳館高出身」西日本スポーツ、2020年7月5日。2020年7月5日閲覧
  18. ^ ソフトバンク九鬼、第2の故郷熊本への思い込め1号」日刊スポーツ、2020年7月5日。2020年7月5日閲覧
  19. ^ ソフトバンク九鬼、頸椎手術で復帰まで6か月 今季中の復帰は絶望」『Full-Count』Creative2、2020年10月1日。2020年10月2日閲覧
  20. ^ ソフトバンク九鬼、今季初の1軍合流 18日の日本ハム戦から昇格」『西日本スポーツ』西日本新聞社、2022年6月16日。2022年11月12日閲覧
  21. ^ 大敗のソフトバンクで若手躍動 九鬼と野村が積極打法で今季初安打」『西日本スポーツ』西日本新聞社、2022年7月7日。2022年11月12日閲覧
  22. ^ 試合成績」日本野球機構。2022年2月11日閲覧
  23. ^ 2022年度 福岡ソフトバンクホークス 個人打撃成績(ウエスタン・リーグ)」日本野球機構。2022年11月12日閲覧
  24. ^ 「一年中くすぶったシーズンだった」九鬼隆平は現状維持650万円」『西日本スポーツ』西日本新聞社、2022年11月9日。2022年11月12日閲覧
  25. ^ 来季契約について」福岡ソフトバンクホークス、2023年10月22日。2023年10月23日閲覧
  26. ^ 久保賢吾「【DeNA】ソフトバンク戦力外の九鬼隆平を本格調査 今オフは補強に向け動きが活発」『日刊スポーツ』2023年11月15日。2023年12月6日閲覧
  27. ^ 2024年シーズン 選手契約について」『横浜DeNAベイスターズ オフィシャルホームページ』2023年12月6日。2023年12月6日閲覧
  28. ^ 【DeNA】九鬼隆平が入団会見「うれしかった。もう一度頑張ろうと思った」背番号116」『スポーツ報知』2023年12月11日。2024年4月24日閲覧
  29. ^ a b チーム情報 ・ドラフト会議特集」福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト。2017年1月5日閲覧
  30. ^ ソフトバンク3位九鬼が契約合意 先祖は戦国武将」『日刊スポーツ』2016年11月13日。2024年4月24日閲覧
  31. ^ 「やまびこ打線」の父と目指した頂点 秀岳館・九鬼主将」『朝日新聞』2016年8月20日。2017年7月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年12月26日閲覧
  32. ^ チーム情報 球場使用曲一覧」福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト。2022年11月13日閲覧
  33. ^ 全世代侍ジャパン選手リスト 九鬼 隆平」野球日本代表侍ジャパンオフィシャルホームページ。2017年4月16日閲覧

関連項目 編集

外部リンク 編集