井尻哲也

日本のスポーツ科学者

井尻 哲也(いじり てつや、1984年10月12日[1] - )は、日本スポーツ科学者。茨城県つくば市出身[1]東京大学大学院総合文化研究科助教北海道日本ハムファイターズアナリスト[2]

井尻 哲也
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 茨城県つくば市
生年月日 (1984-10-12) 1984年10月12日(39歳)
身長
体重
175 cm
69 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 内野手
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴 編集

小学2年生の時[3]、松代ブルーサンダースで野球を始め[1]、6年生の頃から投手として試合に出場するようになる[3]。つくば市立手代木中学校では軟式野球部に所属し[1]、茨城県の強化チームにも入ったが、他の選手との体格や技術力の違いを圧倒された[3]。中学卒業後は茨城県立土浦第一高等学校に進学し、硬式野球部に所属したが[1]、3年間で県大会ベスト16が最高であった[3]

自分の力を試すために東京六大学野球への挑戦を決意し、東京大学の理科二類に合格。農学部生物システム工学科へ進学した。硬式野球部でも当初は投手だったものの早々に肩を故障[3]。2年春の開幕時点までは投手登録となっていたが、出場機会を増やすために内野手に転向した[4]。2006年春季新人戦では立教大学相手に3打数3安打1打点の活躍をし、勝利に貢献[5]。4年の2008年度は主将を務めた[6][7]

肩を故障している影響もあり、大学卒業後は大学院の総合文化研究科に進学し、研究者の道に進む。自身が故障に泣かされたから、修士課程では渡會公治の下、スポーツによる怪我に関連したスポーツ医学の研究をし、博士課程でニューロリハビリテーションの研究をしている中澤公孝の研究室へ移ってスポーツサイエンスの研究を立ち上げる[3]。中澤の研究室では初めて野球に関する研究で博士号を取得した[8]。その後、NTTコミュニケーション科学基礎研究所の柏野牧夫と出会い、2014年8月に博士研究員として同研究所のにリサーチアソシエイトに着任した[3][8]

2016年4月より東京大学大学院総合文化研究科助教となり、中澤の研究室でスポーツ科学、認知行動科学の研究を続ける[3]。視覚運動制御のメカニズム、情動と感覚情報処理および運動制御の関連について研究し、中澤の研究室の野球研究の中枢を担った[8]。また、当時、元プロ野球選手で東大野球部特別コーチの桑田真澄が研究生として在籍。野球チームを結成し、井尻は桑田とのプレーを経験している[3]

2021年3月、日本プロ野球北海道日本ハムファイターズのチーム統括本部が、井尻をアナリストとして招聘[9][10]。同月をもって中澤の研究室を離れた[11]

脚注 編集

  1. ^ a b c d e 選手・スタッフ”. 東京大学野球部 (2008年4月29日). 2008年10月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月7日閲覧。
  2. ^ “ぐるっと東日本・母校をたずねる:茨城県立土浦第一高/3 元阪神タイガース監督 安藤統男さん /東京”. 毎日新聞. (2021年6月16日). https://mainichi.jp/articles/20210616/ddl/k13/100/007000c 2021年11月7日閲覧。 
  3. ^ a b c d e f g h i (インタビュアー:田井中麻都佳)「SPECIAL CONTENTS 「勝てる脳」のきたえ方 連載第3回 (後編) 生体情報から、心身の状態を探る ~ 野球人としての経験を糧に未知の領域を切り拓く ~」『Sports Brain Science Project』、NTTコミュニケーション科学基礎研究所、2016年5月30日http://sports-brain.ilab.ntt.co.jp/special3_2.html2021年11月7日閲覧 
  4. ^ 2008 春 BBM 東京六大学 野球カードセット, ベースボール・マガジン社
  5. ^ 立 大 - 東 大 1回戦”. 一般財団法人 東京六大学野球連盟. 2021年11月7日閲覧。
  6. ^ 2008 主将の抱負”. 一般財団法人 東京六大学野球連盟. 2021年11月7日閲覧。
  7. ^ 選手からメッセージ チーム2008”. 東京大学野球部. 2021年11月7日閲覧。
  8. ^ a b c 日本野球科学研究会 第4回大会 -in 東京大学 駒場キャンパス- 大会プログラム 日本野球界のさらなる発展のために ~科学と実践の融合を目指して~”. 日本野球科学研究会 (2016年12月). 2021年11月7日閲覧。
  9. ^ “日本ハム アナリストとして東大助教・井尻哲也氏を招へい”. Sponichi Annex. (2021年3月1日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2021/03/01/kiji/20210301s00001173251000c.html 2021年11月7日閲覧。 
  10. ^ “【日本ハム】東大助教・井尻哲也氏をアナリストとして招聘、東大野球部時代は主将”. スポーティングニュース・ジャパン. (2021年3月1日). https://www.sportingnews.com/jp/プロ野球/news/日本ハム東大助教井尻哲也氏をアナリストとして招聘東大野球部時代は主将/fu7ez3fd8dzp13fhs4jz54d9z 2021年11月7日閲覧。 
  11. ^ Members”. 東京大学中澤研究室. 2021年11月7日閲覧。

外部リンク 編集