南草津プリムタウン(みなみくさつプリムタウン)は、滋賀県草津市にある新興住宅地であり、南草津駅付近に所在する。ここでは、ルビットパーク南草津(ルビットパークみなみくさつ)の解説も行う。

南草津プリムタウン
ラウンドアバウト(手前)とルビットパーク南草津
所在地 滋賀県草津市
範囲地域 野路・南笠
開発規模 32.3ヘクタール
計画戸数 926戸[1]
最寄駅 JR琵琶湖線東海道本線南草津駅
地図
南草津プリムタウンと南草津駅の位置関係
(緑玉:南草津プリムタウン、青:南草津駅)
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概要 編集

南草津駅の西口側にある、野路町と南笠町の土地区画整理事業の一環として2015年平成27年)から街づくりが進められている[2]。総区画数(戸数)は926[2][1]、居住人数は2,500人[2]、開発総面積は約32.3ヘクタール[3]となる見込み。なお、この住宅地内は全域がゾーン30に指定されている[4][5]

歴史 編集

  • 2015年:街づくり計画を開始[4]
  • 2016年:草津市が南草津プリムタウン土地区画整理組合を設立する[4]
  • 2017年:草津市が事業計画の見直しを発表。店舗の誘致が可能となる(後述)[6]
  • 2018年:草津市が地区計画の決定を発表する[4]
  • 2019年:第1工区(第1期)の分譲を開始。
  • 2020年:第2工区(第2期)の分譲を開始。
  • 2021年:第3工区(第3期)の分譲を開始。
  • 2022年
    • ルビットパーク南草津が4月22日に開業[7]
    • 第4工区(第4期)の分譲を開始。
  • 2023年換地処分公告により「南草津プリムタウン一丁目 - 四丁目」となる[8]

地区計画と建築物の制限 編集

まちなみ形成の観点から、以下の地区計画・制限が設けられた。

区画の分類 編集

  • 地区内を「S」と「A」から「D」の5区画に分類し、建築物を制限[9]
例として
S:サービス施設(商業、診療所など)
D:公民館、集会所、共同住宅など
A:公民館、集会所、住宅(戸建または長屋)など
が挙げられる。

住宅に対して 編集

  • 敷地面積(165平方メートル以上)[9]
  • 建築物等の高さ(最大10メートル)[9]
  • 壁面の位置(敷地境界線までの距離)[9]
  • 敷地内緑化率[9]
  • 色彩(琵琶湖岸景観形成重点地区[10]に準拠しなければならない)
など

ルビットパーク南草津 編集

 
ルビットパーク南草津(2023年5月)

南草津プリムタウンの中央に位置するショッピングモールであり、2022年(令和4年)4月22日に開業した[7]。このショッピングモールはバローと4つの専門店で構成されている[注 1]。なお、専門店街となる4店舗は、同年4月28日以降に順次開店した[11]。ちなみに、「ルビットパーク」という店舗ブランドは岡崎店(愛知県岡崎市)に続き、2店舗目である[11]

メインテナント
  • バロー南草津店
専門店
  • 無印良品ルビットパーク南草津店
    • ※南草津店限定サービスとして、収納ボックスの1週間貸し出しサービスを実施[12]
  • スギ薬局南草津店
  • ダイソールビットパーク南草津店
  • hair&make EARTH(美容室

日本最古級の工房跡出土 編集

宅地造成中に、日本最古級の鋳造施設(黒士遺跡)が確認された[13]

ここはなどの鋳造遺構としては国内最古級で、口径が1メートルを超す巨大な鍋釜などの製品作りを行っていた。周辺には同時代の製鉄遺構も点在している[14]

さらに、奈良時代の役所の一部とみられる「長舎」の柱穴などが見つかり、長舎近くでは幅12メートルの道路跡が長さ47メートルにわたって確認された[15]。その他にも、遺跡の溝の中から奈良時代前半の土器が出土した[16]

黒土遺跡の周辺では、7世紀終わりから8世紀初めにかけて営まれた製鉄施設が確認されている。地金を加工して製品化する鍛冶場梵鐘を鋳造した施設、燃料となる木炭を造る炭窯なども出土している。なお、源内峠遺跡では、7世紀後半の製鉄炉4基を確認している。大量の鉄鉱石も見つかっていることから、大規模な操業だったことが明らかになっている。

ちなみに、黒土・榊差さかきざし[17]木瓜原ぼけわら・源内峠の各遺跡は大津市から草津市にかけて延びる、なだらかな瀬田丘陵上にある。同丘陵や周辺では、ほかにも製鉄や製陶に関わる遺跡が点在し、なお、同遺跡から北東約300メートルにある「榊差遺跡」でも高度な鋳造技術を示す遺物が相次いで見つかっている[18]

アクセス 編集

その他 編集

  • 当住宅地は『大津湖南都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針』の「主要な都市計画の方針」で住宅地の計画的整備の対象となっていた[21]。ちなみに、「市街地における住宅建設の方針」(※住区構成の考え方に関すること)という欄で当住宅地は「新市街地」に区分された[22]
  • 当初の事業計画は「第一種低層住居専用地域」となっていたため、店舗を誘致することはできなかった[6]。しかし、2017年平成29年)4月に草津市が事業計画の変更を発表したため、店舗の誘致をすることができるようになった[注 3][6]
  • 南草津プリムタウンには大小2ヵ所のラウンドアバウトが設置されている[5]。元々はこの住宅地内に設置する計画は無かったが、計画案の変更に伴い、設置されることが決まった[注 4]。ラウンドアバウドの中心部には草津市の市章が設置されており[5]、その付近には花壇もある[23]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 商圏は、車で5分圏内となる約2万世帯(人口約4万人)を想定。
  2. ^ (※所要時間は街区によって異なります)
  3. ^ (※事業計画の変更により、商業施設として『ルビットパーク南草津』が建設された(先述))
  4. ^ (ラウンドアバウトになっている所は元々、十字路交差点)となる予定だった)

出典 編集

  1. ^ a b c 「南草津プリムタウン」全体概要”. 物件概要. 京阪電鉄不動産. 2022年12月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月11日閲覧。
  2. ^ a b c パナソニックホームズ×南草津プリムタウン”. コンセプト. パナソニック ホームズ. 2022年6月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月4日閲覧。
  3. ^ 市街地整備に関する方針:重点的に整備すべき面的開発事業” (PDF). 大津湖南都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針. 滋賀県. p. 25 (2021年3月). 2023年5月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月5日閲覧。
  4. ^ a b c d 南草津プリムタウン土地区画整理事業 (32.2ha)” (PDF). 草津市. 2022年9月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月13日閲覧。
  5. ^ a b c プリムタウンって、どんなまち?” (PDF). わがまち老上だより 第36号. 老上学区まちづくり協議会. p. 6 (2022年3月1日). 2022年9月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月13日閲覧。
  6. ^ a b c 事業計画変更について” (PDF). 南草津プリムタウン土地区画整理事業の事業計画変更について. 草津市. p. 資料2 (2017年4月29日). 2022年11月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月8日閲覧。
  7. ^ a b ルビットパーク南草津 4 月 22 日 開設のお知らせ” (PDF). バローホールディングス (2022年4月20日). 2022年8月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月5日閲覧。
  8. ^ 南草津プリムタウン土地区画整理事業の換地処分公告について”. 草津市. 2023年6月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月7日閲覧。
  9. ^ a b c d e 南草津プリムタウン土地区画整理事業の事業進捗・用途地域変更・地区計画策定について” (PDF). 草津市 (2018年7月3日). 2022年8月5日閲覧。
  10. ^ 草津市景観形成ガイドライン” (PDF). 草津市. pp. 10-20 (2018年9月27日). 2022年8月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月5日閲覧。
  11. ^ a b バローHD/滋賀県草津市に「ルビットパーク南草津」開設”. 流通ニュース (2022年4月20日). 2022年9月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月21日閲覧。
  12. ^ 南草津のニュータウンに無印良品 冷凍食品フルラインアップ、県内産食材も」『びわ湖大津経済新聞』、2022年5月6日。2023年8月4日閲覧。オリジナルの2022年5月16日時点におけるアーカイブ。
  13. ^ 草津市教育委員会, 滋賀県文化財保護協会: “榊差遺跡・榊差古墳群・黒土遺跡発掘調査報告書”. ジャパンサーチ (2021年3月). 2022年11月8日閲覧。
  14. ^ 上坂徹(編集委員)「【歴史シアター】製鉄、律令国家作り支え 黒土遺跡に最古級の鋳造施設 滋賀・草津」『産経新聞』、2020年4月9日。2023年8月4日閲覧。オリジナルの2022年6月18日時点におけるアーカイブ。
  15. ^ 奈良時代の役所か、滋賀の遺跡/幅12メートル道路跡も」『四国新聞』、2016年11月24日。2023年8月4日閲覧。オリジナルの2016年11月28日時点におけるアーカイブ。
  16. ^ 榊差遺跡発掘調査 現地説明会(2018/5/26)”. 現説公開サイト. 湯川真朗(サイト管理者). 2022年9月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月8日閲覧。
  17. ^ 草津市黒土遺跡(榊差遺跡ほか)現地説明会(2016.11.26)配布資料” (PDF). 滋賀県文化財保護協会 (2016年11月26日). 2022年8月5日閲覧。
  18. ^ 黒土遺跡、最先端の鋳造製品産地 国内最古級の関連遺構群 交通、良材、渡来人が鍵 /滋賀」『毎日新聞』、2020年3月12日。2023年8月4日閲覧。オリジナルの2022年9月9日時点におけるアーカイブ。
  19. ^ 南草津プリムタウン / 駅、各施設への距離・所要時間” (PDF). 京阪電鉄不動産 (2022年9月). 2023年6月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月11日閲覧。
  20. ^ 南草津プリムタウン 立地環境”. 住友林業. 2022年12月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月11日閲覧。
  21. ^ 主要な都市計画の方針:土地利用に関する方針 - 主要用途の配置の方針(住宅地)” (PDF). 大津湖南都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針. 滋賀県. p. 11 (2021年3月). 2022年9月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月8日閲覧。
  22. ^ 主要な都市計画の方針:市街地における建築物の密度構成に関する方針 - 住宅地(市街地における住宅建設の方針)” (PDF). 大津湖南都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針. 滋賀県. p. 13 (2021年3月). 2022年9月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月8日閲覧。
  23. ^ 南草津プリムタウン ラウンドアバウト花壇の花を育てています。”. メタルアート (2022年1月6日). 2022年9月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月13日閲覧。

外部リンク 編集