古河電気工業千葉事業所サッカー部

かつて存在した日本のサッカークラブ、VONDS市原の前身となったクラブ

古河電気工業千葉事業所サッカー部(ふるかわでんきこうぎょう ちばじぎょうしょサッカーぶ)は、かつて存在した日本サッカークラブ。古河電気工業千葉事業所のサッカー部として1967年に創部した。VONDS市原FCの母体となったクラブである。

古河電気工業千葉事業所サッカー部
原語表記 古河電気工業株式会社千葉事業所サッカー部(1967 - 2007)
S.A.I.市原サッカークラブ(2008 - 2010)
呼称 古河電工千葉(1967 - 2007)
SAI市原SC(2008 - 2010)
クラブカラー    
創設年 1967年
解散年 2010年
ホームタウン 千葉県市原市
ホームスタジアム 市原緑地運動公園臨海競技場
鴨川市陸上競技場
八幡公園球技場
千葉県総合スポーツセンター
運営法人 -
ホームカラー
アウェイカラー
テンプレート(ノート)サッカークラブPJ

概要 編集

創設~1970年代 編集

1967年に創設される[1]。1972年の関東社会人サッカー大会決勝で東邦チタニウムを破り優勝。翌1973年に関東サッカーリーグへ昇格したが、昇格初年のリーグ戦で初優勝を果たした。また、全国社会人サッカー選手権大会に初出場したが、初戦でヤンマークラブに敗れた。1975年、関東リーグ戦は首位に勝点1差の2位に入り、全社も決勝でヤンマークラブに敗れたが準優勝の成績を収めた。

1976年、日本サッカーリーグ(JSL)2部に昇格したが、18戦3勝の最下位。入替戦でも日産自動車(現:横浜F・マリノス)に敗れたが、同年限りで永大産業が廃部したため、JSL2部残留となった。第1回JSLカップは予選敗退となった。1977年、JSL2部で10チーム中9位に終わり、入替戦で東芝堀川町(現:北海道コンサドーレ札幌)に敗れて、関東リーグへの降格が決まった。なお、第2回JSLカップは不参加であった。

1978年、関東リーグは優勝した東邦チタニウムに勝点10差の2位、地域リーグ決勝大会はグループ2位に終わり、決勝ラウンド進出はならなかった。1979年、関東リーグは優勝した埼玉教員に勝点2差の2位、地域リーグ決勝大会はグループAを首位で突破したが、決勝ラウンドは3位に終わった。

1980年代 編集

1980年、関東リーグで3年連続の2位、地域リーグ決勝大会は決勝ラウンド2位に入り、入替戦に回ったが甲府サッカークラブ(現:ヴァンフォーレ甲府)に敗れてJSL復帰は成らなかった。また、天皇杯に初出場したが、1回戦で三菱重工(現:浦和レッドダイヤモンズ)に敗れた。1981年、関東リーグで8年ぶりに優勝、地域リーグ決勝大会はグループ2位に終わった。1982年、関東リーグは3位に終わり、地域リーグ決勝大会進出を逃した。また、全社に出場するも初戦で大阪ガスに敗れた。1983年は関東リーグで7位と前年より大きく順位を落とした。全社は1回戦でTDK(現:ブラウブリッツ秋田)にPK勝ちしたが、2回戦で松下電器産業(現:ガンバ大阪)に敗れた。 1984年、関東リーグで優勝した東邦チタニウムに同勝点ながら得失点差で2位、3年ぶりに地域リーグ決勝大会に進出したが、グループ2位に終わった。

1986年はリーグ戦で3位ながら、全社では三菱化成黒崎(現:ギラヴァンツ北九州)や東京ガス(現:FC東京)などを破って初優勝を果たした。また、1987年はリーグ戦で5位、全社はTDKや京都紫光クラブ(現:京都サンガF.C.)を破って決勝に進出したが、秋田市役所に敗れて準優勝。1988年はリーグ戦で4位、全社は初戦で敗退。1989年はリーグ戦で5位、全社は大塚製薬(現:徳島ヴォルティス)やYKK(現:カターレ富山)などを破って決勝に進出するも、決勝で中央防犯(現:アビスパ福岡)に敗れた。

1990-2000年代 編集

1990年はリーグ戦で10チーム9位、最下位チームと勝ち点3差ながら残留。全社は2回戦で敗退。1991年はリーグ戦で8位、全社は2回戦でPJMフューチャーズに敗れた。1992年はリーグ戦で10チーム中8位で降格圏と勝点2差で残留。1993年はリーグ戦で得失点差はマイナスながら4位に入った。また、同年より片岡道夫が監督に就任した[2]。1995年、リーグ戦を4勝3分11敗、勝点15で最下位に終わり千葉県社会人サッカーリーグ1部への降格が決まった。

1996年から千葉県リーグ1部に所属。1996年から1998年まで3連覇を果たすなど、県リーグで上位をキープするが、関東リーグへの復帰は成らなかった。また、千葉県サッカー選手権大会(兼天皇杯千葉県予選)で4度決勝に進出するが、全て決勝で敗れた。2003年に千葉県リーグで5度目の優勝、関東社会人サッカー大会で準優勝。翌2004年から9年ぶりとなる関東リーグ2部への昇格が決まった。関東リーグでは2006年に3位に入った。また、2005年および2007年に全社に出場するが共に1回戦で敗退した。

2008年にS.A.I.市原サッカークラブへ名称を変更して、企業チームからクラブチームへと変わった[1]。2009年はリーグ戦で3位に入ったものの、2010年は8チーム中7位に終わり、8年ぶりに千葉県リーグへ降格することとなった。

2011年2月28日、市原市サッカー協会が主体となってS.A.I.市原サッカークラブを承継する形で市民球団を創設すると報じられた。同月20日の選手選考会では32人が集まり、その内の22人がS.A.I.市原サッカークラブの選手であった。同年3月6日に名称をVONDS市原と発表した[3][4]。以降についてはVONDS市原の項目を参照のこと。

なお、千葉市にある古河市原シニアは古河電気工業千葉事業所サッカー部でプレーした選手で創設されたクラブであり、2015年度の全国シニア(40歳以上)サッカー大会にも出場している[5]

年度別成績 編集

古河電気工業千葉事業所サッカー部 編集

年度 所属 順位 勝点 試合 得点 失点 JSLカップ 監督
1972 千葉県 -
1973 関東 優勝 21 14 8 5 1 43 18 25
1974 8位[Note 1] 11 14 5 1 8 25 24 1
1975 2位 19 14 8 3 3 38 20 18
1976 JSL2部 10位 8 18 3 2 13 17 51 -34 予選敗退
1977 9位 28 18 5 2PK勝 4PK敗 7 19 28 -9 不参加
1978 関東 2位 49 18 13(2PK勝含) - 5(1PK負含) 38 23 15 -
1979 2位 51 18 13(1PK勝含) - 5(1PK負含) 50 25 25
1980 2位 24 18 10 4 4 36 20 16
1981 優勝 26 18 11 4 3 38 19 19
1982 3位 24 18 10 4 4 25 16 9
1983 7位 14 18 6 2 10 25 32 -7
1984 2位 28 18 12 4 2 35 11 24
1985 6位 17 18 6 5 7 42 31 11
1986 3位 25 18 11 3 4 37 24 13
1987 5位 22 18 8 6 4 33 21 12
1988 4位 20 18 8 4 6 29 18 11
1989 5位 20 18 7 6 5 28 29 -1
1990 9位 12 18 4 4 10 24 32 -8
1991 8位 12 18 4 4 10 20 31 -11
1992 8位 15 18 6 3 9 18 27 -9
1993 4位 20 18 9 2 7 31 39 -8 片岡道夫
1994 7位 16 18 6 4 8 25 35 -10
1995 10位 15 18 4 3 11 14 30 -16
1996 千葉県1部 優勝
1997 優勝
1998 優勝
1999 2位 19 9 6 1 2
2000 優勝 34 13 11 1 1 46 17 29
2001 3位 21 13 6 3 4 33 20 13
2002 2位 32 13 10 2 1 56 17 39
2003 優勝 42 17 13 3 1 49 15 34
2004 関東2部 6位 16 14 5 1 8 25 35 -10
2005 7位 10 14 3 1 10 13 26 -13 福田靖
2006 3位 29 14 9 1 4 37 25 12
2007 4位 20 14 6 2 6 27 31 -4

S.A.I.市原サッカークラブ 編集

年度 所属 順位 勝点 試合 得点 失点 監督
2008 関東2部 6位 13 14 4 1 9 21 28 -7 田中勝
2009 3位 28 14 9 1 4 31 23 8
2010 7位 18 14 5 3 6 21 27 -6
  • 出典
関東サッカーリーグ・過去の記録(2020年3月22日閲覧)
  • 脚注
  1. ^ リーグ規約違反で最下位[6]

主な成績・タイトル 編集

リーグ戦 編集

カップ戦 編集

脚注 編集

  1. ^ a b S.A.I.市原サッカ-クラブ”. 関東サッカーリーグ. 2009年5月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月22日閲覧。
  2. ^ チームプロフィール(古河電気工業(株)千葉事業所サッカー部)”. 関東サッカーリーグ. 2004年7月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月22日閲覧。
  3. ^ 市民出資でサッカーチーム”. 読売新聞. 2011年2月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月21日閲覧。
  4. ^ クラブ概要・理念”. VONDS市原FC. 2020年3月21日閲覧。
  5. ^ チーム紹介 古河市原シニア(関東第2代表/千葉)”. 日本サッカー協会. 2020年3月30日閲覧。
  6. ^ 第8回関東社会人サッカーリーグ/1974年度(昭和49年度)”. 関東サッカーリーグ. 2020年3月22日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集