吸血鬼 (江戸川乱歩)

江戸川乱歩による日本の小説

吸血鬼』(きゅうけつき)は、江戸川乱歩の著した長編探偵小説である。1930年昭和5年)9月から1931年(昭和6年)3月まで、『報知新聞』に掲載された。

いわゆる明智作品の一つであり、吸血鬼のような冷酷な犯人と、名探偵明智小五郎の対決を描く。

ポプラ社少年探偵団シリーズでおなじみの小林少年は、この作品で初めて登場する。また、ポプラ社版では結末の部分が一部カットされている。

主要登場人物 編集

畑柳 倭文子(はたやなぎ しずこ)
美貌の誉れ高い未亡人。吸血鬼に狙われている。
三谷 房夫(みたに ふさお)
畑柳未亡人の恋人。彼には何らかの過去があるらしい。
岡田 道彦(おかだ みちひこ)
三谷青年と畑柳夫人を巡る決闘をして敗れ、その後消息を絶つ。
畑柳 茂(はたやなぎ しげる)
6歳になる倭文子の息子。母親と同じく吸血鬼に狙われている。
恒川警部(つねかわけいぶ)
警視庁警部。警視庁きっての敏腕。
明智 小五郎(あけち こごろう)
数々の難事件を解決した名探偵
玉村 文代(たまむら ふみよ)
明智小五郎の助手にして恋人。魔術師の事件で明智と知り合う。(この時点では未だ明智と結婚していない)。
小林少年(こばやししょうねん)
まだ子供だが、明智小五郎の優秀な助手。

あらすじ 編集

美貌の倭文子を巡り、三谷と岡田は決闘を行い、岡田は敗れる。その後、岡田は失踪する。その頃から、唇のない怪人が倭文子の周囲に出没する。そして、彼女の回りで次々と人が殺されていく。こらえかねた三谷は、事件の解決を名探偵の誉れ高い明智小五郎に依頼をする。しかし、唇のない怪人は明智を挑発するかのような行動に出る。明智はその名推理で少しずつ事件の真相に迫っていくのだが、真犯人は意外にも…。

収録作品 編集


映像化リスト 編集

映画 編集

テレビドラマ 編集

ラジオドラマ 編集

外部リンク 編集

脚注・出典 編集