囚人道路』(しゅうじんどうろ)は、日本小説家である安部譲二による時代小説1993年に講談社より刊行された。

囚人道路
著者 安部譲二
発行日 1993年
発行元 講談社
ジャンル 時代小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 上製本
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明治24年網走監獄の囚人たちを使って行われた、網走から旭川に向かう北見峠までのおよそ180kmの道路工事の実態を描いた小説である。

登場人物 編集

秋川 鉄之介(あきかわ てつのすけ)
主人公。26歳。旧御家人の次男で、秩父困民党事件に加担して捕らえられ、逆賊として20年の懲役を受けて網走監獄に送られた。北辰一刀流の免許皆伝で、道場では四天王と呼ばれて師範代をつとめたほどの腕前。
山田 真吾(やまだ しんご)
左官屋。46歳。酒に酔った勢いで新政府の役人に石を投げたため、反逆罪で20年の懲役を言い渡され、網走監獄へと送られた。早食い。
猿渡 秀介(さるわたり しゅうすけ)
看守長。長州出身。同郷の先輩である伊藤博文から、道路工事の詳細な記録を残すように命じられている。
ヤツメノリ
アイヌの男性。看守に暴行されていた時に助けられた縁で鉄之介と知り合う。日本語を解する。
ニスレッケル(頼んでしゃべれるようになった男という意味)
アイヌの長。44歳。偉丈夫。
トケムニタ
ニスレッケルの妻。40歳。口の周りに入墨をしている。
トウルシノ(全身垢まみれという意味)
ニスレッケルの娘。17歳。身長五尺たらず。優しいが男勝りな性格。

関連項目 編集