国鉄タ1300形貨車(こくてつタ1300がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)およびその前身である鉄道省等に在籍した私有貨車タンク車)である。

国鉄タ1300形貨車
基本情報
車種 タンク車
運用者 鉄道省
運輸通信省
運輸省
日本国有鉄道
所有者 日本石油、新潟硫酸、久原鉱業、大日本人造肥料
旧形式名 リ2480形、リ2490形、リ2492形、リ2493形、リ2494形
改造年 1928年(昭和3年)*
改造数 18両
消滅 1963年(昭和38年)
常備駅 柏崎駅須賀駅
主要諸元
車体色
専用種別 濃硫酸
化成品分類番号 制定前に形式消滅
軌間 1,067 mm
全長 6,250 mm
全幅 2,032 mm
全高 2,896 mm
荷重 10 t
実容積 5.6 m3
自重 6.7 t - 7.2 t
換算両数 積車 1.8
換算両数 空車 0.8
走り装置 シュー式
車輪径 860 mm
軸距 3,050 mm
最高速度 65 km/h
備考 *称号規程改正年
上記寸法類は一例である
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概要 編集

タ1300形は、1928年(昭和3年)5月の車両称号規程改正により、1914年(大正3年)から1923年(大正12年)にかけて製造されたリ2480形 10両(リ2480 - リ2489)、リ2490形 2両(リ2490 - リ2491)、リ2492形 1両(リ2492)、リ2493形 1両(リ2493)、リ2494形 4両(リ2494 - リ2497)の合計18両(タ1300 - タ1317)を改番し誕生した形式である。

濃硫酸専用とされ、本形式の他に「濃硫酸」又は「濃硫酸及び発煙硫酸」を専用種別とする貨車は、タキ300形(469両)、タキ4000形(351両)、タキ5750形(500両)、タキ29300形(62両)、タキ46000形(71両)等実に21形式が存在した。

車両称号規程改正時点での所有者日本石油(12両)、新潟硫酸(1両)、久原鉱業(1両)、大日本人造肥料(4両)の2社であった。

約2年後の1930年(昭和5年)1月13日に本形式車より10両(旧リ2480形全車タ1300 - タ1309)の専用種別変更(濃硫酸→石油類)が行われタ600形(タ843 - タ852)へ形式変更した。

車体色は黒色、寸法関係は一例として全長は6,250 mm、全幅は2,032 mm、全高は2,896 mm、軸距は3,050 mm、実容積は5.6 m3、自重は6.7 t - 7.2 t、換算両数は積車1.8、空車0.8、走り装置はシュー式二軸車で、最高運転速度は65 km/hであった。

1963年(昭和38年)に最後まで在籍した車両が廃車となり、同時に形式消滅となった。

参考文献 編集

  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目 編集