大日ヶ岳

岐阜県高山市と郡上市にまたがる山

大日ヶ岳(だいにちがたけ)は、白山国立公園[注釈 1]両白山地南部に位置し、岐阜県高山市郡上市にまたがる標高1,709 mである。

大日ヶ岳

蛭ヶ野高原から望む大日ヶ岳
標高 1708.87[1] m
所在地 日本の旗 日本
岐阜県郡上市高山市
位置 北緯36度00分05秒 東経136度50分16秒 / 北緯36.00139度 東経136.83778度 / 36.00139; 136.83778座標: 北緯36度00分05秒 東経136度50分16秒 / 北緯36.00139度 東経136.83778度 / 36.00139; 136.83778[2]
山系 両白山地
初登頂 717年 (泰澄上人)
大日ヶ岳の位置(日本内)
大日ヶ岳
大日ヶ岳の位置
プロジェクト 山
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大日ヶ岳の地形図

概要 編集

717年養老元年)に、泰澄上人が大日如来を山頂に祀り開山したと伝えられている。山名の由来はこれによる[3][4][5][6]

もともと、美濃飛騨越前の3国の国境の山であったので、「三国山」とも呼ばれていた[6]福井県に属していた石徹白村1958年昭和33年)の昭和の大合併の際、当時の岐阜県郡上郡白鳥町(現郡上市)に越境合併したため、山体すべてが岐阜県に属するようになった。郡上市で三番目に高い山である[7]。山頂に降った雨は、長良川庄川九頭竜川[注釈 2]の3方向に分かれて流れ出る。約500万-80万年前に活動していた「九頭竜火山列」(烏帽子岳鷲ヶ岳、大日ヶ岳、銚子ヶ峰願教寺山経ヶ岳取立山大日山などの火山の東西配列)を構成する一つであり[8]、山体は安山岩類からなる[6]。山腹はブナなどに覆われていたが、スキー場開発により多くが伐採された[6]日本二百名山[5]新日本百名山[9]ぎふ百山[10] のひとつに選定されている。

気象 編集

大日ヶ岳の南側、白鳥町長滝地区には、気象観測点の長滝[11]があり、積雪量が多いことで知られている。このため周辺には、多くのスキー場がある。地球温暖化に伴い、積雪量が減少傾向にあり、[要出典]人工降雪機などの利用が必要となってきている。

観光 編集

登山 編集

登山ルート 編集

三つの登山道がある。積雪期には、スキー場のゴンドラリフトを利用して、スノーハイクや山スキーなどが行われている。山頂には大日如来を祀った石像、その由来を彫刻した石板、展望図、一等三角点(点名が「大日ケ岳」)[1]が設置されている。周囲は、灌木クマザサが生い茂っている。山頂からは、前衛の稜線越し北側に白山を、東側には鷲ヶ岳その遠方には北アルプス御嶽山などを望むことが出来る。

  • ひるがの高原からのルート(一服平を経て山頂に至る。)
  • ダイナランドスキー場からのルート(前大日を経て山頂に至る。)[13]
  • 桧峠からのルート(ルートの一部はウイングヒルズ白鳥リゾートの東端にあり、水後山と鎌ヶ峰を経て山頂に至る。)[14]

地理 編集

源流の河川 編集

以下の源流となる河川は各方面へ流れる[15]

周辺の山 編集

山容 山名 標高(m)
[1][2]
三角点等級
基準点名[1]
大日ヶ岳からの
方角と距離(km)
備考
  白山 2,702.17 一等
「白山」
 北北東 18.1 両白山地石川県最高峰
日本百名山
  野伏ヶ岳 1,674.28 三等
「野伏」
 西 9.6 日本三百名山
  天狗山 1,658.42 三等
「天狗山」
 北西 1.3
  大日ヶ岳 1,708.87 一等
「大日ケ岳」
  0 日本二百名山
  鎌ヶ峰 1,666  西南西 1.0
  水後山 1,558.54 三等
「三方崩」
 南西 1.9 (すいごやま)
  毘沙門岳 1,385.45 二等
「毘沙門岳」
 南南西 8.1
  鷲ヶ岳 1,671.48 三等
「鷲ヶ岳」
 東南東 13.9 日本三百名山

周辺の峠 編集

交通・アクセス 編集

参考画像 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 1962年(昭和37年)11月12日に、この山域は白山国立公園の特別地域に指定された。(白山国立公園区域の概要環境省、2010年12月21日閲覧。)
  2. ^ 桧峠が長良川と九頭竜川の分水嶺となっている。
  3. ^ 北側の庄川日本海へ流れ、南側の長良川太平洋へと流れる。

出典 編集

  1. ^ a b c d 基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2012年7月17日閲覧。
  2. ^ a b 日本の主な山岳標高(岐阜県の山)、国土地理院、2010年12月21日閲覧。
  3. ^ 『鮎走由著書』による。『日本の山1000』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1992年8月、508頁。ISBN 4635090256 
  4. ^ 徳久球雄 編『コンサイス日本山名辞典』(修訂版)三省堂、1992年10月、296頁。ISBN 4-385-15403-1 
  5. ^ a b 深田クラブ『日本200名山』昭文社、1992年4月、172頁。ISBN 4398220011 
  6. ^ a b c d e 日本山岳会『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月、1197-1198頁。ISBN 4-779-50000-1 
  7. ^ a b 郡上市の地勢”. 郡上市. 2012年7月17日閲覧。
  8. ^ 堀江太一郎「両白山地・鮮新世以降の火山岩類についての岩石学的・地球化学的研究」東北大学 博士 (理学), 甲第7736号、2001年、NAID 500000210460NDLJP:3188689 
  9. ^ 岩崎元郎『決定版 岩崎元郎の新日本百名山登山ガイド〈下〉―燕岳、東鳳翩山、於茂登岳など中部・西日本エリア50山』山と溪谷社、2006年3月。ISBN 4635530477 
  10. ^ 岐阜県山岳連盟『ぎふ百山』岐阜新聞社、1987年7月。ISBN 4905958474 
  11. ^ 過去の気象データ検索(長滝 年ごとの値)気象庁、2010年2月21日閲覧。
  12. ^ 大日ヶ岳の安山岩”. 岐阜県教育委員会. 2012年7月17日閲覧。
  13. ^ 『改訂版 岐阜県の山』山と溪谷社〈新・分県登山ガイド〉、2009年12月、116-117頁。ISBN 9784635023702 
  14. ^ 『改訂新版 名古屋周辺の山』山と溪谷社、2010年7月、248-248頁。ISBN 9784635180177 
  15. ^ 『白山 荒島岳』昭文社〈山と高原地図2011年版〉、2011年3月。ISBN 9784398757838 

関連項目 編集

外部リンク 編集