弛張熱
体温の日内変動が1℃以上あり、かつ最低体温が37℃を下回らないような発熱
弛張熱(しちょうねつ,英remittent fever, 独remittierendes Fieber, 羅febris remmittens)とは、患者の発熱の類型(体温の変動の経過を追った変動)を分類した熱型のうちの一つである。
弛張熱では、日差が1℃以上で、最低体温が37℃以上である。
代表的疾患は敗血症、膿瘍、膠原病、成人still病など。[1]。
概念 編集
弛張熱 編集
自然経過の中で患者の体温がどう推移するかを熱型といい、医師は様々な検査とともに熱型表も参考にして、診断を下す。
このうち、日差が1℃以上で、最低体温が37℃以上のものが弛張熱である。
現在の熱型の意義 編集
熱型を知るためには患者に抗生剤や解熱薬を投与できず、患者は熱型を調べる期間中、苦痛を被ることになる。現在でも、他の諸検査の発達に伴って、診断における熱型の重要性が相対的に小さくなってきたことから、早期に解熱剤・抗生剤を投与して患者の苦痛を最小限に留めようという立場と、依然できる限り解熱剤や抗生剤を使用せずに、熱の程度、熱型を観察する事が重要であるとする立場とがある。[1][2]
多くの疾患では熱型によらなくても診断を下せるが、特に不明熱などでは診断を付けて適切な治療を行なうために、可能な限り熱型の観察に努め、その間に十分な細菌学的検査を行なうことが望まれている。
このように、どちらの対場がよい悪いの問題ではなく、臨機応変に両者を使い分ける技能が医師には求められる。
その他の熱型 編集
脚注 編集
参考文献 編集
- 南山堂 医学大事典 第19版