月探査機の一覧

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月探査機の一覧(つきたんさきのいちらん)では、宇宙探査機のうち、月探査を目的としたものを列挙する。アポロ計画の宇宙船はこれに含まない(月探査ミッションの一覧を参照)。

1958年 編集

機体 組織 日付 種類 成否 備考 画像
パイオニア0号   DOD 1958年8月17日 オービター 失敗 地球軌道を離脱しようとする初の試み。
打ち上げ機が故障、最高高度 16 km。
  [1]
ルナ1958A   ソ連 1958年9月23日 インパクター 打ち上げ機が故障 [2]
パイオニア1号   NASA/
  DOD
1958年10月11日 オービター 2段目が失敗。最高高度 113,800 km。   [3]
ルナ1958B   ソ連 1958年10月12日 インパクター 打ち上げ機が故障 [4]
パイオニア2号   NASA/
  STL
1958年11月8日 オービター 3段目が失敗。最高高度 1,550 km。   [5]
ルナ1958C   ソ連 1958年12月4日 インパクター 打ち上げ機が故障 [6]
パイオニア3号   NASA/
  DOD
1958年12月6日 フライバイ 燃料減損。最高高度 102,360 km。   [7]

1959年 編集

機体 組織 日付 種類 成否 備考 画像
ルナ1号   ソ連 1959年1月4日 フライバイ 部分的成功 月に接近した初の宇宙機(5,995km以内に接近した)。
恐らくは衝突させる予定だった。
[8]
ルナ1959A   ソ連 1959年6月18日 インパクター 失敗 地球軌道到達に失敗 [9]
パイオニア4号   NASA/
  DOD
1959年3月4日 フライバイ 部分的成功 遠距離フライバイ達成。
太陽周回軌道に入ったアメリカ初の探査機。
  [10]
ルナ2号   ソ連 1959年9月14日 インパクター 成功 月に初衝突 [11]
パイオニアP-1   NASA 1959年9月24日? オービター? 失敗 打ち上げ失敗もしくは打ち上げ台が試験中に爆破。
ソースによって異なる。
 
ルナ3号   ソ連 1959年10月6日 フライバイ 成功 月の裏側を初撮影 [12]
パイオニアP-3   NASA 1959年11月26日 オービター 失敗 打ち上げ直後分解。   [13]

1960年 編集

機体 組織 日付 種類 成否 備考 画像
ルナ1960A   ソ連 1960年4月15日 フライバイ 失敗 予定された軌道到達に失敗 [14]
ルナ1960B 1960年4月16日 打ち上げ機が故障 [15]
パイオニアP-30   NASA 1960年9月25日 オービター 2段目不具合により地球軌道到達に失敗。   [16]
パイオニアP-31 1960年12月15日 1段目失敗   [17]

1962年-1963年 編集

機体 組織 日付 種類 成否 備考 画像
レインジャー3号   NASA 1962年1月28日 インパクター 失敗 目標と接触失敗   [18]
レインジャー4号 1962年4月26日 月の裏側に衝突。データは地上に送られなかった   [19]
レインジャー5号 1962年10月21日 電力障害。目標と接触失敗   [20]
スプートニク25号   ソ連 1963年1月5日 ランダー 地球軌道脱出に失敗 [21]
ルナ1963B 1963年2月2日 ランダー? 地球軌道到達に失敗 [22]
ルナ4号 1963年4月5日 目標と接触失敗。地球の衛星になる [23]

1964年 編集

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レインジャー6号   NASA 1964年2月2日 インパクター 部分的成功 衝突したが、電力の問題により写真は地上に送られなかった   [24]
ルナ1964A   ソ連 1964年3月21日 ランダー 失敗 地球軌道到達に失敗 [25]
ルナ1964B 1964年4月20日 [26]
ゾンド1964A 1964年6月4日 フライバイ [27]
レインジャー7号   NASA 1964年7月31日 インパクター 成功 衝突まで画像を地上へ送信   [28]

1965年 編集

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レインジャー8号   NASA 1965年2月20日 インパクター 成功 衝突まで写真を地上に送信   [29]
コスモス60号   ソ連 1965年3月12日 ランダー 失敗 地球軌道離脱に失敗 [30]
レインジャー9号   NASA 1965年3月24日 インパクター 成功 ライブ画像を衝突までTV放送   [31]
ルナ1965A   ソ連 1965年4月10日 ランダー? 失敗 地球軌道到達に失敗? [32]
ルナ5号 1965年5月12日 ランダー crashed into Moon [33]
ルナ6号 1965年6月8日 月と接触失敗 [34]
ゾンド3号   ソ連 1965年7月20日 フライバイ 成功 元々は火星探査機であった可能性がある。発射時刻が遅れたので目標を変更。 [35]
ルナ7号   ソ連 1965年10月7日 ランダー 失敗 月に激突 [36]
ルナ8号 1965年12月6日 [37]

1966年 編集

機体 組織 日付 種類 成否 備考 画像
ルナ9号   ソ連 1966年2月3日 -
1966年2月6日
ランダー 成功 初の軟着陸。初の地表から画像を送信。 [38]
コスモス111号   ソ連 1966年3月1日 オービター 失敗 地球軌道脱出に失敗 [39]
ルナ10号   ソ連 1966年4月3日 -
1966年5月30日
オービター 成功 月を周回した初の探査機 [40]
ルナ1966A   ソ連 1966年4月30日 オービター? 失敗 地球軌道到達に失敗 [41]
サーベイヤー1号   NASA 1966年6月2日 ランダー 成功 アメリカ発の軟着陸。有人飛行に向けた実験   [42]
エクスプローラー33号   NASA 1966年7月1日 -
1971年9月15日
オービター 部分的成功 惑星間プラズマ、宇宙船、磁場、太陽X線の研究。月軌道への投入に失敗し、地球軌道でミッションを遂行した。   [43]
ルナ・オービター1号   NASA 1966年8月14日 -
1966年10月29日
オービター 成功 月表面の撮影マッピング。ミッション遂行の後意図的に月表面に激突させた。   [44]
ルナ11号   ソ連 1966年8月28日 -
1966年10月1日
オービター 成功 ガンマ線、X線による月の構成を観測。 [45]
サーベイヤー2号   NASA 1966年9月23日 ランダー 失敗 月に衝突   [46]
ルナ12号   ソ連 1966年10月25日 -
1967年1月19日
オービター 成功 月表面撮影 [47]
ルナ・オービター2号   NASA 1966年11月10日 -
1967年10月11日
オービター 成功 月表面の撮影マッピング。ミッション最後に意図的に月に衝突させた。   [48]
ルナ13号   ソ連 1966年12月24日 ランダー 成功 月風景のTV撮影。土壌測定 [49]

1967年 編集

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ルナ・オービター3号   NASA 1967年2月8日 -
1967年10月9日
オービター 成功 月表面の撮影マッピング。ミッション最後に意図的に月に衝突させた。   [50]
サーベイヤー3号   NASA 1967年4月20日 -
1967年5月4日
ランダー 成功 来るべき有人着陸に向けた研究   [51]
ルナ・オービター4号   NASA 1967年5月-10月 オービター 成功 月を写真撮影   [52]
エクスプローラー35号   NASA 1967年7月 -
1973年6月24日
オービター 成功 惑星間プラズマ、宇宙船、磁場、エネルギー粒子、太陽X線の研究。   [53]
サーベイヤー4号   NASA 1967年7月17日 ランダー 失敗 月に衝突   [54]
ルナ・オービター5号   NASA 1967年8月5日 -
1968年1月31日
オービター 成功 月の写真撮影。ミッション終了後に意図的に月に衝突。   [55]
サーベイヤー5号   NASA 1967年9月11日 -
1967年12月17日
ランダー 成功 来るべき有人着陸に向けた研究   [56]
ゾンド1967A   ソ連 1967年9月28日 失敗 月のカプセル実験。打ち上げ失敗   [57]
サーベイヤー6号   NASA 1967年11月10日 -
1967年12月14日
ランダー 成功 来るべき有人着陸に向けた研究   [58]
ゾンド1967B   ソ連 1967年11月22日 失敗 月のカプセル実験。打ち上げ失敗   [59]

1968年 編集

機体 組織 日付 種類 成否 備考 画像
サーベイヤー7号   NASA 1968年1月10日 -
1968年2月21日
ランダー 成功 来るべき有人飛行に向けた研究。   [60]
ルナ1968A   ソ連 1968年2月7日 オービター? 失敗 地球軌道到達に失敗 [61]
ゾンド4号   ソ連 1968年3月2日 (打ち上げ) 月有人探査への無人試験飛行。   [62]
ルナ14号   ソ連 1968年4月10日 - ? オービター 成功 無線通信技術の試験、月のmascon研究。 [63]
ゾンド1968A   ソ連 1968年4月23日 フライバイ? 失敗 打ち上げ失敗   [64]
ゾンド5号   ソ連 1968年9月18日 フライバイ 成功 生物科学実験。帰還して地球に軟着陸。   [65]
ゾンド6号   ソ連 1968年11月14日 フライバイ 成功 宇宙線、宇宙塵、生物科学研究。帰還して地球に軟着陸   [66]

1969年 編集

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ゾンド1969A   ソ連 1969年1月20日 フライバイ 失敗 打ち上げ中断   [67]
ルナ1969A   ソ連 1969年2月19日 ローバー 失敗 打ち上げ機が故障 [68]
ゾンドL1S-1   ソ連 1969年2月21日 オービター 失敗 打ち上げ機が故障   [69]
ルナ1969B   ソ連 1969年4月15日 サンプルリターン? 失敗 打ち上げ失敗 [70]
ルナ1969C   ソ連 1969年6月14日 サンプルリターン 失敗 打ち上げ失敗 [71]
ゾンドL1S-2   ソ連 1969年7月3日 オービター 失敗 打ち上げ失敗   [72]
ルナ15号   ソ連 1969年7月21日 サンプルリターン? 失敗? 月を52周した後衝突着陸 [73]
ゾンド7号   ソ連 1969年8月11日 フライバイ 成功 帰還して地球に軟着陸   [74]
コスモス300号   ソ連 1969年9月23日 サンプルリターン 失敗 地球軌道脱出に失敗 [75]
コスモス305号   ソ連 1969年10月22日 サンプルリターン 失敗 地球軌道脱出に失敗 [76]

1970年 編集

機体 組織 日付 種類 成否 備考 画像
ルナ1970A   ソ連 1970年2月6日 サンプルリターン? 失敗 打ち上げ機が故障 [77]
ルナ1970B   ソ連 1970年2月19日 オービター? 失敗 打ち上げ機が故障 [78]
ルナ16号   ソ連 1970年9月20日 サンプルリターン 成功 初の無人サンプルリターン [79]
ゾンド8号   ソ連 1970年10月24日 フライバイ 成功 帰還して地球に軟着陸   [80]
ルナ17号   ソ連 1970年11月17日 -
1971年10月4日
ランダー 成功 ローバーを展開 [81]
ルノホート1号 ローバー 成功 初の無人ローバー。10 km走破。

1971年-1983年 編集

機体 組織 日付 種類 成否 備考 画像
ルナ18号   ソ連 1971年9月11日 ランダー/サンプルリターン? 失敗 月に激突 [82]
ルナ19号   ソ連 1971年10月3日 -
1972年10月
オービター 成功 [83]
ルナ20号   ソ連 1972年2月21日 サンプルリターン 成功 無人サンプルリターンの2回目の成功 [84]
ソユーズL3   ソ連 1972年11月23日 オービター 失敗 打ち上げ失敗   [85]
ルナ21号   ソ連 1973年1月15日 -
1973年5月?
ランダー 成功 ローバーを展開 [86]
Lunokhod 2 ローバー 成功 2機目の無人ローバー。37 km走破。
エクスプローラー49号   NASA 1973年6月15日 -
1975年6月
オービター 成功 電波天文学。1994年までアメリカ最後の月ミッション。   [87]
マリナー10号   NASA 11月 1973年 フライバイ 成功 金星、水星へ向かう途中   [1]
ルナ22号   ソ連 1974年6月2日 -
1974年11月
オービター 成功 [88]
ルナ23号   ソ連 1974年11月6日 サンプルリターン 失敗 着陸時に損傷。サンプルリターン失敗。 [89]
ルナ1975A   ソ連 1975年10月16日 サンプルリターン 失敗 地球軌道到達に失敗 [90]
ルナ24号   ソ連 1976年8月18日 サンプルリターン 成功 ルナ計画最後のサンプルリターン [91]
ISEE3   NASA 1983年12月22日 フライバイ 成功 重力アシスト   [92]

1990年-現在 編集

機体 組織 日付 種類 成否 備考 画像
ひてん   ISAS 1992年2月 - 1993年4月 オービター 成功 1990年1月から月交差地球軌道に入り、はごろもの失敗の後月軌道に移る。日本初の月探査機。   [93]
はごろも   ISAS 1990年3月 オービター 失敗 ひてんから切り離され月軌道に投入されるも通信途絶、軌道も確認されなかった。
クレメンタイン   BMDO/
  NASA
2月 - 1994年6月 オービター 部分的成功 月・地球観測、複合試験。予定されたジオグラフィスフライバイは失敗。   [94]
AsiaSat 3 AsiaSat 1998年5月13日/6月6日 通信衛星。静止軌道投入に失敗したため月を2回周回させることで軌道を変更させて静止軌道に投入した。1回目のスイングバイでは月から6,200kmの所を通過。 [95]
ルナ・プロスペクター   NASA 1998年1月 -
1999年7月
オービター 成功 月表面のマッピング。水の存在を確かめるため極に意図的に衝突(存在は確認されず)。   [96]
のぞみ   ISAS 1998年9月24日 フライバイ 成功 火星ミッションへの重力アシスト [97]
1998年12月18日 フライバイ 成功
スマート1   ESA 2004年11月13日 -
2006年9月3日
オービター 成功 技術試験、月の地質学研究。欧州初の月探査機。 [98]
かぐや   JAXA 2007年10月3日 - 2009年6月10日 オービター 成功 鉱物学、地理、磁気、重力の観測、測定。   [99]
おきな   JAXA 2007年10月9日 - 2009年2月12日 かぐやの孫衛星 成功 月の裏側のかぐやのデータ中継
おうな   JAXA 2007年10月12日 - 2009年6月29日 かぐやの孫衛星 成功 超長基線電波干渉法
嫦娥1号   CNSA 2007年11月5日 - 2009年3月1日 オービター 成功 3Dマッピング。地質学観測。中国初の宇宙探査機。   [100]
チャンドラヤーン1号   ISRO 2008年11月8日 - 2009年8月29日 オービター 部分的成功 高解像度三次元マッピング。月表面、内部構造のスペクトル分析。   [101]
MIP   ISRO 2008年11月14日 インパクター 成功 将来への軟着陸に向けた技術試験、近距離での月の観測。 [102]
ルナー・リコネサンス・オービター(LRO)   NASA 2009年6月23日 - オービター 軌道上 月資源調査。着陸可能場所の同定。   [103]
エルクロス   NASA 2009年10月9日 インパクター 成功 月の極地方にある永久影のクレーターに、氷が存在することを確認。   [104]
嫦娥2号   CNSA 2010年10月1日 - オービター 運用中 3Dマッピング。
ARTEMIS   NASA 2011年7月2日 (ARTEMIS P1), 2011年7月17日 (ARTEMIS P2) オービター 軌道上 地球磁気圏を観測する5機の衛星のうち2機を月周回軌道に投入させて観測を継続。
GRAIL   NASA 2011年12月31日 (GRAIL A), 2012年1月1日 (GRAIL B) - 2012年12月18日 オービター 成功 2機編成による重力分布の測定  
LADEE英語版   NASA 2013年9月7日 - 2014年4月17日[2] オービター 成功 月の希薄な大気の探査、地球とのレーザー光通信実験
嫦娥3号   CNSA 2013年12月2日 - ランダー 運用中(ローバーは2016年8月3日に稼動停止) 月の内部構造の調査、土壌の調査。 [3]
ローバー
嫦娥5号T1   CNSA 2014年10月23日 - オービター・リターン 運用中 第2宇宙速度に匹敵する高速で地球の大気圏に再突入する技術を実証
嫦娥4号   CNSA 2019年1月3日 - ランダー 運用中 月の裏側の調査。裏側への軟着陸は史上初。 [4]
ローバー
ベレシート   イスラエル 2019年2月22日 -
2019年4月11日
ランダー 失敗 通信途絶。成功していれば、初の民間団体による月軟着陸となっていた。  
チャンドラヤーン2号   ISRO 2019年8月20日 - オービター 運用中 月表面の高解像度撮影、ローバーのリレー中継。
ローバー   ISRO 2019年9月2日 ローバー 失敗 オービターから切り離され着陸軌道に投入されるも通信途絶し、月面に激突。
嫦娥5号   CNSA 2020年11月24日 サンプルリターン 成功 月の表面からのサンプルリターン。
OMOTENASHI   JAXA 2022年11月16日 ランダー 失敗 打ち上げ直後に通信途絶。
HAKUTO-R ミッション1   ispace 2022年12月11日 -
2023年4月26日
ランダー 失敗 着陸軌道に投入されるも通信途絶。
成功していれば、初の民間団体による月軟着陸となっていた。
 
チャンドラヤーン3号   ISRO 2023年8月23日 オービター・ランダー・ローバー 成功 世界初の南極付近への軟着陸。 [5][6]
SLIM   JAXA 2024年1月20日 ランダー 成功 軟着陸には成功するも、想定と異なる姿勢で着地。  
Peregrine Mission One  
アストロボティック・テクノロジー英語版
2024年1月8日 - 2024年1月18日 ランダー 失敗 打ち上げには成功するも、分離後に推進システムにトラブルが発生し月面軟着陸を断念。
成功していれば、初の民間団体による月軟着陸となっていた。
 
IM-1  
インテュイティブ・マシーンズ
2024年2月22日 ランダー 成功 軟着陸には成功するも、想定と異なる姿勢で着地。
民間団体による月軟着陸は史上初。
 

将来 編集

機体 組織 日付 種類 成否 備考 画像
嫦娥6号   CNSA 2024年 サンプルリターン 開発中 月の裏側の表面からのサンプルリターン。

脚注 編集

関連項目 編集